恋愛

出会い系サイトではないコミュニティーサイト、「ぱどタウン」でガチ恋愛した話。②

さて、前記事の続きです。

`読んでいない人はこちらからどうぞー。

わたしが性教育をするに至ったきっかけ。

今となっては思い出として片づけられるけど、助産師として「お前何バカなことをしているんだ」と当時のワイを叱りたくなる内容。

こんな恋愛を高校時代にしている人もいるのね、とか助産師さんでもこんな経験しているのね、と温かい目でお読みいただけたら幸いです。

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シルバーのアウディで颯爽と迎えに来た「くー」

約束するに至るまで、わざわざぱどタウンにログインしてメッセージ交換をするのも面倒なので、リアルタイムにできるEメールでのやり取りにシフトすることに。

昔はLINEがなかったので、今より気軽にメッセージ交換ができず、内容を吟味したりパケット代とにらめっこをしながらやりとり。

いざ、当日。

わたしは親に正直に「男性と出かけてきます」と伝えられず、ましてやぱどタウンで出会った人と出かけるなんて口が裂けても言えず、「部活に行ってくる」とだけ話し、制服で「くー」に会いに行った。

普段より少しスカートを短くして、大きめのセーターを着て。

ウブでピュアピュアなハートは、高まりが収まらねぇ!!という感じでずーっとドキドキしていた。

少し寒い日だったと思う。

まだかなーと待っていたら、運転席からわたしを一瞥する男性が。

アウディを乗りこなす「くー」だった。

アウディが海外製の車であることは知っていたので、それに乗っていることに驚き。

実は会う前に写真の交換をしていなかったので、「こんな人なのか」ということにも驚き。

まぁ、お世辞にもかっこいいとは言えない人だった。わたしのタイプではなかった。

「とりあえず乗って」と言われ、助手席に乗らせてもらったが、緊張でぎこちなく乗り込んだ記憶がある。

いい声の持ち主だった。そのままドライブへ。

とりあえず、車を発進させそのままドライブへ。

「くー」はいわゆるイケボの持ち主で、当時から声フェチだったわたしはそれに対してもドキドキしていた。

そして優しさの塊だった。

「くー」が26歳だと聞いていたわたしは、大人の男性はこんなにも包容力があるのかととても感動したし、超年上の男性と付き合っているわたしってすごい!と自分のステータスを誰かに自慢したくなった。

ぱどタウンのメッセージでさんざんやりとりをしていたわたしたちは、何の疑問を持つこともなくドライブをしつつそのままホテルへ。

ここからが本題。

「俺は妊娠させないから大丈夫」と自信満々に話した彼

わたしも初めてだったし、こういうのは大人に任せればいいんだと思っていた。

ホテルで致すことがどういうことなのか、妊娠というワードともあまりリンクしていない、性に関する知識ゼロ状態のわたし。

だけど、コンドームなしでやることが性感染症のリスクがあって「あまり良くないこと」だということは保健体育の授業で習ったから知っていた。

彼は言った。

「俺は、妊娠させないから大丈夫だよ。だからゴムはしない。わかったね?」

委ねた。委ねすぎてしまった。

痛かった。気持ちよくなかった。

「良くないこと」ってわかっていたから、何かあったらどうしようという思いが頭の中でぐるぐるしていた。

だけど嫌われたくないから、わたしはいつも通りの笑顔で彼と話し、その場は良い雰囲気で終わった。

その後、再度ドライブをして送ってもらいその日を終えた。

その後数回会った後、騙されていたことが発覚。

その後わたしはインターネットでコンドームなしで致すことにどのようなリスクがあるのかを調べて震えあがっていた。

とにもかくにも「早く生理来い!!」と心の底から願っていた。

だからといって、彼と会わないという選択肢はなくその後も何回かデートをして楽しいひと時を過ごす。

漫画喫茶やゲームセンターなどいろんなところに行った記憶がある。

アウディではなく電車に乗って待ち合わせ場所に来ることもあった。

ある日、帰りの電車に乗るために改札口を通ろうとしたところ。

彼が通勤に使っているであろう定期券らしきものをハラリと落とした。

「名前●●●● 年齢33歳」

え、33歳???

あ、ていうか本名今初めて知ったけど、え???33歳????オッサンじゃね?????

ここで気付いた。「わたし騙された」と。

彼は慌てふためきつつも冷静を装い、「いや、年齢なんてさ26も33も変わんないじゃん?」と謎の弁解をし始め。

一気に冷め切ったわたしは、「ふーん、そっか」と笑顔で伝え、そのまま帰宅の途へ。

帰宅後、彼から連絡が入っていたが、わたしはもう返事を送る気力もなく、そのまま自然消滅に…。

性教育的視点で考えるウブな女子高生の行動に対する改善点

これを書きながらもツッコミどころ満載なんだけど。笑

性教育を専門的に勉強しているわたしが、高校時代のわたしの改善点を挙げてみようと思う。

ちなみにわたしは出会い系サイトやマッチングアプリは反対派ではないことを事前に言っておく。

写真の交換、身分は確認しておくべきだった

そもそもどのような顔かわからない、どこの人かもわからないと身分が明かされていない状態で会うのはとてもリスクが高い。

今のマッチングアプリは本気で出会いたい人向けのアプリも多く、男女ともに課金をしたり、身分証提出が必須のケースが多く、その点は非常に安心する。

顔もちゃんとわかるように写真を撮るのはもちろんで、自撮りする人もいれば本気で出会いたいというプロにお願いしたりする人もいるそうな。

やっぱり本気で!と思うなら、少しでも良くみせたいというのは男女とも共通の思いなんじゃないかなと。

「俺は妊娠させないから大丈夫」という言葉は絶対ありえない

仮にコンドームをしていない状態で致した場合、排卵日に行ったとしてもその確率は30%くらい。

当時女子高生だったから、~50%くらいともう少し妊娠率は上がっていたと思う。

外出しの場合は20%くらいといわれている。

これを低い確率と見るか高い確率と見るかは個人の価値観によると思うが、わたしはとても高い確率だと感じる。

それに、生で致した場合、カウパー腺液(いわゆる我慢汁)が分泌されていて、こいつの中に少量の精液が混じっていても妊娠する可能性はある。

だから、彼の言っていた「俺は妊娠させないから大丈夫」という言葉はパイプカットでもしていない限りありえない話なのだ。

ちなみに外出しは避妊法ではない。

未だに外出しを避妊法だと思って実践し、妊娠→中絶を行っているカップルをよく見る。

そもそも性教育を受けていない現実が良くない

わたしは中学、高校と性教育を受けた記憶がない。

小学校の修学旅行の前に月経に関する話を男女分かれて聞かされ、それ以外は保健体育の授業だけだ。

だから致すことが何なのかもよくわからなかったし、妊娠がどうとか性感染症がどうとか、単語ではわかっていたがそれが線として繋がっていなかった。

現在、「性に関する指導」の学習指導要領が提示されていて、各教育機関はそれに沿って生徒に授業を提供している。

しかし、出産のことは教えて妊娠に至る過程は教えないという「はどめ規定」の存在や過去にあった性教育バッシング(七生養護学校事件や2018年に起きた足立区の中学校での性教育批判)に恐れをなして、現在も満足に性教育が行われていない現状だ。

だからこそわたしは性教育を伝える道へと走る

騙された経験、無知のまま致した経験を改めてふと思い出したのは、看護学生のとき。

授業で性に関することを学んでいるときだった。

そのときから性教育についてなんとなく思い始め、その後助産師学校での授業や、助産師学校での経験で「やっぱりわたしみたいな人をこれ以上増やしてはいけない!」と思い、性教育を伝える道へ進んだ。

今では性教育を伝えるために助産院を経営しているほどだ。

だが、まだまだ。

まだまだ伝えていかなければならないし、わたしの力はほんのわずか。

だけど、これが少しでも誰かの役に立てばと思っている。

性教育というと、どうしても「生殖に関すること」を学ぶのではないかと思っている人が多く、恥ずかしいのではないか、エロいのではないかと感じる人もいるようだ。

「生殖に関すること」は性教育の中のほんの1つのテーマで、人権やジェンダー、人間関係、暴力や安全などここでは挙げきれないくらい、幅広いジャンルのものを取り扱う。

いわば生きていくために必要なライフスキルを学ぶ。

これを包括的性教育というの。覚えておいてね。

今は世界を見ても包括的性教育がスタンダードになっている。

日本の性教育は世界に比べて遅れていることから、少しでも早く世界のスタンダードに追いつけるよう、わたしは少しずつ自分の経験を踏まえながら伝えていくまでだ。

  • この記事を書いた人

まった

助産師10年目|性教育専門|パラレルワーカー|助産院経営、病院勤務、助産師学校実習指導教員|アラサー

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