どうも、ポルですっ
日本のみなさん、いかがお過ごしでしょうか
今週末は、外出自粛要請が出てますし、リモートワークが次第に声高に叫ばれてのオフィスワークも増えて、家で過ごす時間も増えているのではないかと思います
とかいう、私も香港で、かれこれ年休消化で二週間近く在宅で暇な日々を過ごしています
しかし、それを機にNetflixを再契約したり、本を読み漁ったりして知的欲求や好奇心を満たす日々にしています
私は、中田敦彦のYoutube大学が大好きで、良く観ているのですが
何かの拍子で、太宰治の「人間失格」についての動画を観てからというもの、生田斗真の「人間失格」を観て
実際に原作を読んでみたり、太宰治を敬愛するピース又吉さんに興味を持ってインタビュー動画などを漁っているうちに
啓発本や歴史書、旅行記本ばかりを読んでいて文学作品なんて
あんまり読まなかった自分が、最近は文学作品に手を伸ばしはじめたりしました
大変今更ですが、中古書店で見つけた
芥川賞受賞の「コンビニ人間」を買って、読んでみました
とっても薄いので、すぐ読み終えましたが
とっても深い作品だなと
一番気に入った部分は
正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。
そうか、だから治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。
18年間コンビニアルバイト一筋の古倉恵子、36歳
彼氏なしの独身
幼い頃から、いろいろなトラブルを起こし、親族に「普通じゃない‥」と心配され、私は普通じゃないのであろうかと考えるうちに目立たなければ、人に心配されることもないと気づく
目立たないまま大人になり
なぜコンビニエンスストアでないといけないのか、普通の就職先ではだめなのか、私にもわからないまま、大学卒業後もコンビニアルバイトを続けていく、、、
そんなマニュアル通りに働くことが正とされているコンビニ社会の中で、自分が求められている、世界に歯車の一部として、マニュアル通りに過ごすことで自分というものを正当化しつつ、マニュアル外の普通の人間になれないことを悩む古倉の姿に、
我々は「普通」の人間って?、そもそも「普通」って何?
を突きつけてくる感じが、とても考えさせられました
大企業に就職しなければ!!と、社会的地位の確立や”普通の”社会の中での見栄っ張りを求めて、
良い大学に入らなければという感覚が高校生の間で
理由も考えさせられないまま
それが”普通なんだ”と押し付けられていると感じたし
それにみんなも応えようと、いやいや受験勉強させれている姿も肌感覚で感じた
現在の社会で大企業就職が安定を保証している訳でないし、
大してやりたいことでもないけど、名前があるからねーと言って名の知れた大企業に就職し
その内定をすげえじゃん!!と持ち上げる周りの取り巻きの姿があって
しかし就職したのも束の間、入社して3ヶ月後には
俺のやりたいことじゃない、仕事辛い、ブラックやん、、、と不満を漏らしては、三年で転職活動し始める
なんて姿を、みてきた
これが普通
これが当たり前
みたいな価値観って、多種多様にあって良いはずだし、
人それぞれ違って当たり前なのに
僕らは、普通でないものを見ると
その得体の知れない、不思議を超えて恐怖すら抱く感覚に恐れを抱いたり、心のどこかで「こいつおかしい」と下に見たりし始める
それを仕切に干渉と呼んで、毛嫌いする白羽の存在も
どこかそんな経験あるでしょ?と心に問いかけてくる感じで
読んでる最中は好かないんだけど、作品の中で貴重な役割を果たしてるんだなと
コンビニというマニュアルありきの社会との対比の描写がより一層、
”普通でなきゃダメなのか”
という悲痛の叫びを、際立たせていて、凄く文学的表現だなと浅学非才な身ですが、思いました
面白かった
普通至上主義の社会で、もっと小さい括りで言うとコミュニティの中で生活しているんだなと再確認したし、
そういう閉塞的な、内向き志向になっていくと、同じ考えじゃない、同じ価値観じゃない人を
こいつ頭おかしいと干渉、批判して、コミュニティから排除する
その行為さえも、当たり前のことなんだなと
思わされているところに、いやむしろ
自分らこそ、普通じゃないで?
と言える、気付ける感覚とか
社会から嫌われる勇気も持ち合わせないといけないのかなと思いました
人間社会の中で生きるのって、本当に大変
他人の顔色伺って、自分の言いたいことも言えない
集団って、職場の空気感って、必ずあって
過去の職場にもそういう空気感を感じたからこそ、すごくいろいろなことを考えさせられました
考えさせられる文学作品、ハマりそうです
最後に
旅好きな人に特化したnoteも始めたので、ぜひ、旅が好きな人は読んで貰えると幸いです