「世界の何だコレ!?ミステリー」の横倉宮でのヤラセ | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[地形図記載の超有名神社を「謎」と言うのか]

世界の何だコレ!?ミステリー」の「衛星写真で見つけた謎エリア」コーナーに於いて、当方が探訪したことのある四国と関西の当該地については全て、大なり小なりのヤラセが確認された。それ以外の地域のものも100%全てのスポットに於いてヤラセが存在すると思って間違いない。

 

今週放送された「衛星写真で見つけた謎エリア」では高知県越知町の横倉山中嶽(785m)に建つ、安徳帝を奉斎した横倉宮が紹介されたが、この神社は国土地理院の地形図にも記載されている。

 

道路地図ならいざ知らず、国土地理院の地形図に神社名が記載される神社は特に有名な神社である。今回、サンシャイン池崎も小島よしお同様、ヤラセに加担することになった。

 

番組では険しい山の断崖に建つ、本殿が立派な社として紹介されたが、その断崖は「馬鹿試し」(上の写真)と呼ばれる高さ約80mにも及ぶ絶壁で、日本最古となる4億年以上前の石灰岩で形成されている。

 

神社を創建したのは、安徳帝を守って讃岐・屋島から阿波・祖谷を経てこの地に到った平家の武将・平知盛。安徳帝の崩御(享年23)から丁度一ヶ月後の正治2(1200)98日に「玉室大神宮」として鎮斎した。歴代の領主も社殿の改修を行う等崇敬が篤かった。

 

明治元年には「御嶽(みたき)神社」と改称され、更に昭和24年、安徳天皇崩御750年祭に際し、神社本庁の通達により、「横倉宮」(下の写真)と改められた。

尚、そもそも論として、安徳帝は下関の壇ノ浦で没しているのではないかという見解もあるが、帝が死亡したという「記録」は存在しない、ということを忘れてはいけない。

 

公式な記録では、帝は壇ノ浦で「行方知れず」になっただけである。それに横倉山鞠ヶ奈路にある安徳天皇陵墓(下の写真)は宮内庁から帝の「陵墓参考地」として保護されてきた歴史もある。

 

それだけ横倉宮は有名なのだが、その山、横倉山(三角点高度は774.3m)はもっと有名で、高知県民で知らない者はいない。ハイキングや登山愛好家は皆、登っている山である。

 

それ故、何だコレの取材班が利用しているグーグルマップを拡大すると、取材班の目的地にははっきりと「横倉宮」の表示が出て、その右側には「横倉山」の山名表記もされている。だから本来であれば、取材班は神社名や山名をネット検索し、自治体等のホームページでハイキング・コース図を見て、最短コースを登れば、僅か30分で横倉宮に登れるのである。コース図を紹介したサイトは→横倉山(越知町観光協会)

 

取材班はJR高知駅からタクシーに乗って行ったが、高知市内の運転手も当然、横倉山のことは知っている。それに車載のナビで見たら横倉山は出てくる。

 

サンシャイン池崎らが登ったルートは、四国のみち(四国自然歩道)の織田公園コースの南側、地形図に採石地マークがある地点の東方からのもの。ハイキング・コースではないから登りにくいのは当たり前。

 

途中、広い登山道に出たが、それが四国のみち指定のコースである。鎖があったのは越知の街中からも見えるカブト嶽の所だろう。ここから安徳帝も麓の景色を眺めたと言われている。

 

番組では険しいルートのように紹介されていたが、四国のみちに指定されている位だから誰でも登れる。初心者であっても。横倉山は土佐の修験道発祥の地故、各所に鎖があるのである。

 

最短コース(横倉山第三駐車場からのコース)ではそんな鎖場はなく、安徳帝ゆかりの史跡を巡りながら楽しく登ることができる。例えば行在所跡(上の写真)や帝の用水に供した安徳水、従臣たちの25軒の住居があった別府の都こと「天ノ高市」(下の写真)等。

 

横倉宮からの展望については覚えていないが、その南西にある、安徳帝が神武天皇陵を拝した畝傍山眺望所や更にその南西の「住吉の断崖」からは絶景が広がっている。

また、馬鹿試しの南東下には、背後に岩屋のある岩屋神社(下の写真)があり、その下には帝の避難所「平家の穴」がある。

 

更に三角点下方にある星ヶ滝洞穴(下の写真)は2015年、当方が初めてネット公開したことはその記事で触れた通り。コースガイドは→「ネット初公開!横倉山・星ケ滝洞穴

 

ところで、番組ではこの宮について地元施設の専門家の意見を紹介していたが、その専門家には威力業務妨害をされ、講演を邪魔されそうになったことがある。後でその施設の長でもある教育長が謝罪に来たが、本人は意に介していない様子。

 

50代にして童貞ということだから、常識や人を慈しむ心を持っていないのだろう。しかし施設では子供を相手にした各種催しがあるが、特に女児の親はこういう者が相手することについて心配ではないのだろうか。童貞の中高年(健常者の場合)=変質者、と決めつけてはいけないと思うが、表と裏の顔があまりにも違い過ぎると、そう思われても仕方ないだろう。

 

PS:この五日間ほど、地元での講演の原稿作成やそれに使用する写真の選定作業を行っていたため、ブログの更新はできなかった。

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