選挙制を疑う(サピエンティア) (サピエンティア 58)
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民主主義のポピュリズム化をなんとなく感じる今日この頃。
民主主義が最悪だか、これまでのどのシステムよりマシ。。
はみんな信じるものの、
そもそも「選挙制」って民主主義のシステムとして、
そんなに優れてるんでしたっけ?
という新しい問題提起をする一冊。
選挙制って実は、市民革命を起こした富裕層たちが、
これまでの特権階級にとって変わるために導入したシステムなのでは?
という筆者の民主主義史の考察が興味深い。
さらにより「民主主義」が機能した古代アテネなどを参考に、
代議制選挙じゃなくて抽選制を取り入れたり
代表者に政策を全て委任するのではなく、
抽選制で選んだ委員会メンバーによる熟議のシステムを
取り入れたりしてもよいのでは?
という筆者の主張が常識くつがえしつつ説得力を感じます。
アテナの民主主義は、
広場に市民が集まりものごとを決める「直接民主主義」じゃなくて
抽選で決まる再選無しの代表者が決める「偶然型代議制民主主義」なのでは?
という思考が、おしゃれ。
政治・民主主義にちょっと新しい思考をふきこむ、一冊です。