前回、片頭痛の特徴や、緊張型頭痛との見分け方などについて書きました。
今回は片頭痛の薬について書きたいと思います。
片頭痛の薬の作用機序は、
脳血管を収縮させる効果によるものと考えられています。
何故かと言うと、
片頭痛の原因自体が、脳血管の拡張によって頭痛が起きると考えられているからですね。
それを打ち消すような効果の薬を飲むことで症状を緩和できるということなのです。
この薬は理論上、緊張型頭痛や他の原因の頭痛には効きません。
よって、この片頭痛専用ともいえる鎮痛薬が効けば、
あ、やっぱりこの患者さんは片頭痛で良かったんだな、と我々は思うわけです。
逆に言うと、それまでは片頭痛らしいと思っていても確証はありません。
薬が効いて初めて納得する感じです。
そういう意味ではこの片頭痛の鎮痛薬は鎮痛目的もさることながら、
片頭痛かどうかを判定するリトマス試験紙的な役割を持っています。
いやいや、そんなこと言わないで、きっちり症状だけで診断すべき、
と頭痛の専門医の先生はおっしゃるかもしれませんが、
現実的な診療レベルではこの鎮痛薬によって診断と治療を兼ねている場合も多いと思います。
一般に、一番よく知られている薬はイミグランという薬ですね。
これはスマトリプタンと呼ばれる一般名の薬剤の商品名です。
今はジェネリック医薬品が浸透しているので、そのままスマトリプタンという名前の薬が日本ではもっとも出回っているかもしれません。
他には、マクサルト、アマージ、レルパックスといった名前の薬が、
各社から出ています。
これらはスマトリプタンとは似て非なる薬物ですね。
スマトリプタンが効かなかったら、これらのどれかに薬を変えてみる。
それでも効き目が弱ければ次に変えてみる、
と、
トライアンドエラーでその人の片頭痛にあった薬を探していくのが現実です。
誰にどの薬が一番効きやすいかは誰もわからないんですね。
よって、場合によっては効く薬が見つかるまでに数か月同じ医院に通い続ける必要があることもあります。
逆にころころかかる医者を変えてしまってはどの薬が効いていたかよく分からなくなってしまいます。
次はこの薬の内服頻度に関する問題について、続きたいと思います。
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