2017年7月22日(土)
富士山の山頂から御来光を拝む人のために午前1時30分に山小屋の人が案内をすると、大半の人が起き出して出発の準備を始めました。
富士山にはたくさんの山小屋があって、シーズン中はどこの山小屋もいっぱいなので、御来光登山はかなり混雑するとは聞いていたんですが…
山小屋から外に出てみるとすでに大勢の人、人、人…
すでに下の方から登ってきた登山者で大混雑!
とは言っても日の出の時刻が4時34分、3時間もあるので慌てない、慌てない。
登山者の群れの流れに身を任せるしかありません。
はるか上の方まで続く、登山者のヘッドライトの明かり。。。
下界に目を向けると、富士吉田市の市街地の明かりが。
そして足元を眺めてみると、はるかに下の方まで続く登山者のヘッドライト。
8合5勺から9合目(3,500m)辺りになると、登山道が狭くなっていたり急な岩場があったりして大渋滞にも拍車がかかり、ピタリと止まってまったく進まないような状態に。
わずか50mほどの標高をあげるのに30分もかかってしまったりして、このペースじゃ日の出の時刻に間に合わないと思うほどでしたが、ある程度のところまで登ると何とか前に進みだして、午前4時前には山頂に到着しました。
辿り着いたのは久須志神社がある場所で少し北寄りなので、ここから火口の縁を少し歩いてちょうど東側になるあたり、人も少ない地点まで移動しました。
ザックを下ろしてカメラを取り出し待っていると、だんだんと東の空が良い色合いに。
明けていく空に月がかかっているところがまたイイ♪
右にも左にも御来光を待ち望む登山者でいっぱい。
この日の富士山山頂の気温は5℃ぐらい。
薄手のダウンジャケットを羽織っていましたが、それでも寒い!
驚いたのは、外人さんの寒さ耐性の高さ。
こんな寒い中でもショートパンツの男性やスポーツタイツの女性が普通にウロウロ。
マジか…
どこから出してきたか分からないけど、軍曹からホットのドリンクをいただいたりしながら、次第に焼けてくる東の空を眺める。
日の出の時刻は午前4時34分でしたが、少し雲があったようで午前4時38分頃になってようやく雲の上に太陽が顔を出してきました。
山中湖の上に雲がプカプカと浮かんでいてなんかいい感じ♪
やがて太陽がはっきりと顔を出して眩い朝日が差し込んできました。
御来光をカメラに収める、カメラに拘る男、イッチー軍曹。
その軍曹が撮ってくれた素敵な写真がこちら。
『耐寒訓練 ~御来光を待ち望む二等兵~』
※イッチーさん撮影
『御来光 ~下山行軍前の二等兵、束の間の休息~』
※イッチーさん撮影
やっぱり絵心と技術がある人が撮った写真は違いますね。
僕みたいに適当にパシャパシャと撮った中から、あとで良い写真だけ選ぶみたいな撮り方をしているうちは腕も技術も上がらないし、良いカメラを持っていても宝の持ち腐れってもんです。
(実はこの日、軍曹と僕は同じミラーレスカメラを持って行ってましたww)
無事に御来光を拝んだので、次の目的である御鉢巡りへと向かいました。
最高峰の剣ヶ峰もその途中で立ち寄ることができます。
まずは富士山本宮 浅間大社 奥宮へ。
こちらは北口本宮冨士浅間神社とは何の関係もなくて、静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間大社の奥宮です。
吉田ルートから登ってきたところにあった久須志神社も、この奥宮の末社だそうです。
まぁそれはそれとして、ここで無事の登山のお礼とお参り。
軍曹は御朱印をいただいていました。
奥宮の前では『'17ミス日本』とか『ミス日本みどりの女神』のたすきを掛けた女性たちが観光客にゴミ袋を配布していました。
大変だな~
その様子を眺めながら、奥宮の前に建っている鳥居を見てふと思い出した。
約1か月前の6月に来た時には古びて亀裂の入った鳥居だったのに新しくなってる!
※6月の鳥居 ↓
山開きの時に新しくしたのかな?
奥宮から次に向かうのは富士山山頂の最高峰、剣ヶ峰。
奥宮の標高は3,720mほど、剣ヶ峰は3,776m。
一口に「山頂」と言っても、その高度差は50m以上。
まったく何て山だ…
しかも富士山の火口の縁には剣ヶ峰の他にもいくつがの山があって、そのすべての山を踏破するという、御鉢巡り完全踏破という楽しみ方もあるらしい。
あ、今回はやってませんけど。
ようやく剣ヶ峰の麓まで来たと思ったら、ここでも大渋滞が発生中!
そりゃ山頂まで登ってきたら剣ヶ峰に行きますよね、みなさん。
20分以上並んでようやく最高地点に到着して記念撮影。
※ガイドの方がいらっしゃって、カメラを渡すと写真を撮ってくれました。
三角点の標石。
周りを見渡すと実はこの三角点よりも高い場所があるんですが、ここが日本一高い山、富士山の三角点ということになっています。
剣ヶ峰から下りてきたら、あとは御鉢をぐるっと回って下山口まで歩きました。
火口の縁の西側からは、富士宮市の方にできた影富士を見ることができました。
影富士は8合目より上からしか見ることができないと聞いていたので、御鉢巡りをするならこれも見たかったので、念願かなって見れて良かった。
そして山頂まで登ったなら忘れてはいけないのは火口を見下ろすこと。
これは山頂まで登った人しか見ることができないので、実は貴重な景色なんです。
富士山の火口の底は大内院と呼ばれる禁足地らしく、覗いてみると小さな社のようなものが見えました。
火口の直径は780m、深さは237.42mとのことなので、やはりここでも富士山のスケールの大きさを体感できます。
それにしても…
御鉢巡りってただ火口の縁をグルっと1周するだけなので、ノンビリ歩けばそれほど疲れないだろうと思っていましたが、けっこう起伏があってキツイ、、、
1周すると3㎞弱あるんですが、いかんせん酸素が薄いので少しの上り勾配でも息が切れる。
御鉢の最低部と剣ヶ峰との標高差は80mほどにもなるとか。
ちょっとした低山の稜線を縦走しているのと変わらん…
あちこち立ち寄ったりしながら1時間半以上かかって、グルっと1周して久須志神社がある場所まで戻ってきました。
夜が明けて明るくなると山小屋の周りも一段とにぎやか。
店先には土産物や記念品が所狭しと並べられていて、ほとんどお祭りの出店状態。
日本一高い場所でこれだけたくさんの商品を売っているのも、自動販売機がズラッと並んであるのも、外人さんからしたら「Oh!ジャパニースはクレイジーね~」といったところでしょうか。
容量や種類にかかわらず缶ジュースは400円、ペットボトル飲料は500円のようでした。
6時25分、吉田ルートの下山口から下山開始。
混雑を避けるため、6合目までは登山道と下山道は別々になっています。
つづら折りになっている下山道をひたすら下っていきました。
岩場もなければ特に変わった場所もなく、ただ黙々と歩くだけ。
これがメチャクチャきつかった、、、
何度も何度も右に左につづら折りになっている下山道を歩き続け、「かなり下っただろう…」と思ってGPSウォッチの高度計を見るとまだ3,000mも切ってない…
またしばらく歩き続けてGPSウォッチを見ると2,800m…
ぜんぜん下界が近づいてこない!
つづら折りになっているので歩く距離は長いけど高度は稼げないんですよね、、、
重力に任せてスルスルと下っていきたいんだけど、下山道は小粒の火山岩と砂礫が混じったようなザラザラした路面なので、油断するとズルズル滑る。
かなり長時間にわたって体力を消耗する戦いを強いられました。
ようやく6合目あたりまで下ってきた辺りだったかな?
ふと景色を眺めると出発地点(…ということはこれから向かうゴール地点)が見えてしまった。
と、遠い…
山頂から2時間20分ほどかかって、8時44分に5合目の佐藤小屋まで下りてきました。
その後は樹林帯の中を進み、10時26分に馬返しに到着。
もうヘトヘトに疲れ果てていたので、木陰に座り込んでエネルギー補給。
そこから8㎞を歩いて、12時33分に北口本宮冨士浅間神社に帰ってきました。
ただ、ここまでずっと晴れていたんですが…
ちょうど神社に到着したときに雨が降り始めてたので、車をとめている国道北駐車場まで小走りで行くことに。
ドSの軍曹に引き連れられているだけでもかなりのハードプレイを強いられているのに、天気の神様まで一緒になって…なんてドSなんでしょう。
(雨は少し降ったら止みました)
車に駆け込んだら、まずは温泉!…といきたかったんですが、朝起きてから行動食をちょっと頬張った程度だったので、温泉よりも先に腹ごしらえに出陣!
国道北駐車場からほど近いふじ山食堂。で吉田うどん。
お腹を満たしたら汗を流しに温泉へ。
これまた近くの泉水という宿泊施設併設のスーパー銭湯のような温泉へ。
広くて綺麗で800円なので、なかなか良かったです。
温泉から出てサッパリしたらあとは帰るだけ。
すぐ近くのコンビニに立ち寄りデザートとドリンクを買って車に乗り込んだのが15時30分ぐらいだったかな?
そこから東富士五湖道路を経由して御殿場ICから高速道に乗り、あとはひたすらドライブ!
最初は僕が運転してたけど、高速道に乗って少し走ると軍曹に運転交代。
「いざ代わって助手席に座ると眠れん…」などと言ってる端から爆睡していました。
やはり2日間、軍曹に引きずり回された疲労は半端なかったんでしょうね!
20時30分頃、三重県桑名市のナガシマスパーランド脇を通過。
夜に見るとキレイだな~
この後もサービスエリアで休憩したり運転を交代したりしながらドライブを続けましたが…
たぶん深夜1時?2時?だったと思われますが、広島市付近まで辿り着いたところで二人とも力尽き、沼田サービスエリアで撃沈。
そしておそらく4時前後に再出発して、7時頃に軍曹の家まで到着。
いや~、お疲れ様でした!
【まとめ】
今回の富士登山の目的だった『山頂からの御来光を拝むこと』と『御鉢巡り』の2つを無事に達成!
あと、密かに見たいと思っていた影富士も見れたので、非常に満足度高し♪
ついでに『0合目から登る』というドMなミッションも付いてきましたけどね。
費用的な面では…
山小屋の宿泊代が8,000円/人、有料道路の料金が往復で約20,000円/人、ガソリン代が往復で約7,000円/人で、合計35,000円/人ほど。
あとは温泉800円とか食事代、おやつ・ドリンク代など…。
交通宿泊費以外はあまりお金を使ってないので、わりとリーズナブルに行けたのかな?
今回のGPSウォッチのデータです。
高度を表すグラフの形がきれいな富士山の形になっています。
歩いたルートを地図に重ねてみると、0合目から5合目までの距離の長さよ…
(緑色と茶色の境目が5合目)
ちなみに…
今回の “0 to Summit” は0合目から山頂でしたが、海抜0mから3,776mの剣ヶ峰まで登る、本当の “0 to Summit” を富士市が設定していて、すでに達成者が1,000名を超えたとのこと。
これはぜひとも軍曹にチャレンジしていただきたいですね!
(僕はやりませんけど…)