スタンダール 書いた 愛した 生きた (SCRISSE / AMÒ / VISSE) | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

小説などの文学作品に当たり世紀とハズレ世紀があると言われる。
17世紀19世紀が”当たり”で、18世紀、20世紀は”ハズレ”と。
挙げれば17世紀は、シェイクスピア、モリエール、コルネイユ、ラ・フォンテーヌ
19世紀は、ドストエフスキー、トルストイ、バルザック、ユゴーなど。
こう見ると19世紀はかなり際立っていると言えそうだ。
『赤と黒』で知られるスタンダールも19世紀の小説家。
ただ、彼の場合は、生前はほとんど売れなかった。
彼が書いた『恋愛論』は3年の間に売れたのは僅か17冊のみ。
だけども今やその名は世界に轟いている。
この『恋愛論』の元々のタイトルは"Cristalisation" という名。
「結晶作用」という意味になる言葉だが、この由来が面白い。
結晶といえばオーストリアのザルツブルクは大きな塩の結晶を産出することで有名。
それを伐り出した跡にできた穴に木の枯枝などを入れておくと、
しばらく経つとその枝にいっぱい塩の粒が付着する。
それが”Cristalisation”の意味と呼応する。
すなわち、ありもしない美徳を、自分の愛する者の中に見出す(虚妄)と追うことらしい。
ありもしない「愛」を"Cristalisation”という意味として使っている。
そこで論じているのは、恋愛に関して4つの類型。
恋愛として高いと考える順に「情熱恋愛」「趣味恋愛」「肉体恋愛」「虚栄恋愛」となる。
「虚栄恋愛」「肉体恋愛」は、その名のごとく虚栄のためや肉欲のための恋愛。
「趣味恋愛」というのはその時にお互いの嗜好や趣味が合い、恋愛に至るもの。
ごくありふれた恋愛とも言える。
フランス人の彼によると、フランス人ができる恋愛はここまで。
それは、自身のプライドを捨てたり、利害から離れることはできない、と断じている。
その点イタリア人は恋愛に関してストレート。
フランス語の会話集の本にさえ、「フランス人のボクがモジモジしている間に
イタリア人が彼女をかっさらっていった」などの表現があったり、実際、
小説家のジョルジュ・サンドとミュッセが恋をして、ヴェネチアにヴァカンスで
行った時にミュッセが病気になり、彼を診察したイタリア人医者と
ジョルジュ・サンドが熱い恋愛におちいり、ミュッセが捨てられた。
そんな話があるごとく、「情熱的な恋愛はイタリア人に任せろ!」
というところがある。
このスタンダール、フランス人であることよりは、情熱的なイタリア人であることを
切望したようだ。
パリのモンマルトル墓地にある彼の墓碑銘は、フランス人としてではなく、
「ミラノ人アッリゴ・ベイレ(本名のイタリア語読み) 『書いた 愛した 生きた』
(SCRISSE / AMÒ / VISSE)」と書かれている。
スタンダールのこんな
恋愛に対する情熱が『赤と黒』を書かせたとも言えそうだ...


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<了>