アメリカ人が本当に愛しているもの、それはクルマだ | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

アメリカの作家ウィリアム・フォークナーはアメリカ南部の架空の小さな町
ジェファーソンを舞台にした小説を発表しノーベル文学賞を受賞している。
時代的にはヘミングウェイより3歳年長。
『華麗なるギャツビー』を書いたフィッツジェラルドより1歳若い。
これら三人は、ほぼ同時代の作家と言っていい。
アメリカが、いかに広いかは言うに及ばずだが、それぞれモデルとしている地域が違う。
そのせいか、作風がまるで違う。フォークナーが言った言葉に
「アメリカ人が本当に愛しているもの、それは”クルマ" だ」とある。
その如くに、これらの作家たちもクルマ好き。
『華麗なるギャツビー』は若くして大富豪となった若き主人公ジェイ・ギャツビーの物語。
この主人公が乗っているのは「デューセンバーグJ 」。

デューセンバーグJ

グラマラスな美しい女性を眺めたような気になる。
美しいばかりではなく、その当時のレーシングカーに引けを取らないスピードを誇り、
量産車であったT型フォードが500ドルであった時代に2万ドル以上した代物。
美しい女のようにやっぱり金食い虫。
T型フォードと言えどある程度の収入のある家庭にしかないもの。
どれほどであったかが窺い知れる。一つのステータスを示すものはク・ル・マ。

それを遡ることわずかに50年程度前の時代。
車が一般化される前は、もちろん馬車ということになる。
この辺りの時代を描いているのは19世紀のフランスのバルザック。
彼の著書『ゴリオ爺さん』の登場人物・ゴリオには二人の娘がおり、
かつて製粉業の事業を起こし一大財産を築いた男だったが、
親の欲目か、二人の娘を貴族に嫁がせたところから彼の転落が始まり、
娘たちにその財産を与え尽くして貧民街に住むことになってしまった。
この娘たちは、そうなったゴリオを尻目に労(いたわ)るという素振りも見せず、
さらなる贅を尽くし、貴族の夫人としての気品と美しさ、
貴族の贅を象徴するものに、惜しげも無く金をつぎ込む。
その一つが馬車。馬車と言えど、どれも同じではない。馬一頭でも違う。
毛並みの良い黒馬などは、無制限に高い。そして、御者にもそれらしい衣装が
必要となる。馬車も「ベルリン馬車」と呼ばれる高級車。
一目で”華美”を感じさせるものでなければならない。
こうなれば大変だ。
ステータスを満たそうとすれば、金はいくらあっても足りない。
今の時代のクルマの方が維持費も含めた形で言えば、はるかに安いぐらいだ。
その点、ヘミングウェイの愛したクルマは、まだ可愛いもの。
1950年代のアメ車。今まだ、キューバでは現役。
愛すべきは、庶民の暮らし。自分流の”贅”を知っている。
アメリカ人は、庶民的な姿も好きだが、思いっきり高級なのも好き。
あっちに行ったり、こっちに来たり。
アメリカ人の精神構造は、クルマのレシプロエンジン?



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<了>