笑える絵画「カリカチュア」を探ってみる | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

「カリカチュア」という言葉を日本語に翻訳するにはちょっとばかし骨が折れる。
一般的には「風刺画」と訳される場合が多い。
カリカチュアは16世紀イタリアに出現。
イタリア語では "caricatura" と綴られ、動詞 "caricare" は
「誇張する」などの意味がある。
すなわち、特徴を把握して大袈裟に表現するというところだろうか。
英語やフランス語では"caricature" ドイツ語では "Karikatur" と綴られる。
これらの国ではカリカチュアが盛んであった歴史を有している。
18世紀のイギリスではピール・レオン・ゲッツィがカリカチュア作品を作り、
同時代のちょっと変わった版画家・ウイリアム・ホガースが数多くの版画を残している。
カリカチュアは、イタリアでは単なる戯作だったが、
イギリスでは、強烈な社会風刺。
そして、これがフランスに行き着いた。
フィリポンやドーミエなど有数のカリカチュア作家を生み出すことになる。
フランスではこれ以降、カリカチュアは市民権を得て、
そんな新聞として知られるのは現代も続く「シャーリー・エブド」。
イスラムの何者かによって襲撃された時、
パリの民衆は"je suis Charlie."を掲げ、パリ中でデモを繰り広げた。
こんな時のフランス人の結束は固い。

一方、日本の風刺の歴史はと言えば、あまりない。
「鳥獣戯画」を風刺画とするムキもあるが実際のところは純粋な「戯画」らしい。
明治期には宮武外骨という奇妙な風刺画家が登場し、
弾圧を受けながらも『滑稽新聞』を続け、その筆力は特筆すべきものがある。
日本では、あまりないのが事実。
そのせいか、日本人はジョークを解さないなどと言われることも多い。
一つの例がある。
これはサッカー界の話。フランスの国営テレビ「フランス2」で、
サッカーの親善試合で日本がフランスに勝った試合の後、
「日本には川島という守護神がいる。原発事故の放射能を浴びて腕が4本となり〜」
というキャプションとともに、ゴールを守る合成写真が掲載された。



フランス人は、カリカチュア的なノリというところだが、
「放射能」という中傷のため、日本大使館はすぐさま抗議。
日本人はジョークを解さないのか?などとも言われた。
これに関しては、微妙な分かれ目でもある。
我が意見とすれば、「放射能」など、
デリケートな部分もあり抗議するのは当然かもしれないと思う。

だけども、そこはソレ、ちょっとしたエスプリを見せて、
逆風刺をして「おっ、日本人もヤルやん!」というところを見せてもらいたかった、
ということころではある...


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<了>