俳句と「秋」の風情 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

「肩に来て 人懐かしや 赤蜻蛉」
これは夏目漱石の句。
赤トンボが飛んできて我が肩に留まった。その状況を描いたもの。
その姿は、まるで懐かしい友人に会ったようだ、という意味になるだろうか。
夏目漱石の句は、ユーモラスでもあり、ウィットに富んでいる。
私が思う彼の最高傑作は、
「叩かれて 昼の蚊を吐く 木魚かな」
坊さんが経を読み、木魚を叩いていると、そこから蚊が一匹、舞い出てきたというもの。
これは、蚊が木魚に潜んでいたが、坊さんが木魚を叩き始めたので
堪え切れないで飛び出してきた。
そのような漫画的情景が目に浮かぶような俳句。
上記の俳句も肩に止まる赤蜻蛉。
それを友人のように見立てて描くことによって、楽しい一風景となる。
彼の作風としては、このように絵画的センスを感じるものが多い。

人間の脳は左脳と右脳に分かれ、言語を司るのは左脳だと言われている。
言語脳と言うけれど、言語の持つ「意味」と「深さ」とは微妙に違う。
「ありがとう」という言葉の意味を理解するが、
どのような感情やニュアンスが込められているか?
「ありがとう」に、どれぐらいの感情がこもっているか?
こんなものを理解するのが右脳だという。
この理解が、なかなか厳しい。

誤った理解を示す場合もある。
そういえば、最近キレやすい老人の話がある。
これは、その感情をうまく理解できなくなった機能障害なのかもしれない。
プラス感情は左脳から、そして、「悔しい」「この思い如何で晴らさで、おくものか!」
などというマイナス感情は右脳から発するものだとも言われる。
左脳と右脳のバランスが狂っている。
それが、キレやすい老人の偽らざる姿のようだ。
秋の風情を感じ、トンボに人懐かしさを感じることができれば、
立派な老人となるが、マイナス感情を優先すればただのキレる老人。

引越しの秋。隣に人が越してきた。
そんな時にまず浮かぶのは、「秋深し 隣は 何をする人ぞ」(芭蕉)
コロナや自粛が続く秋。
こんな気分の秋でもある...


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<了>