新日本フィルハーモニー交響楽団 トパーズ〈トリフォニー・シリーズ〉#592
2018年7月27日(金)19:00〜 すみだトリフォニーホール A席 1階 1列 14番 5,400円(会員割引)
指揮:上岡敏之
ピアノ:オルガ・シェプス*
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔 文洙
【曲目】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18*
《アンコール》
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83 より第3楽章 Precipitato*
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
《アンコール》
ニールセン:歌劇『仮面舞踏会』より第3幕「若い雄鳥たちの踊り」
新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会シリーズは、9月から始まり翌年の7月までが1シーズンとなっている。したがって、今月がシーズンの最終回となる。すみだトリフォニーホールで開催される「トパーズ」シリーズでは、7月の最終回は内容が決まっていない「リクエスト・コンサート」つまり会員や来場者から募ったリクエストで曲目が決まるという仕組みなのだ。内容が決定するのはシーズンの途中になるので、定期会員になる時点では内容は未定。だからこの回は予定していなかった。しかし、発表されてみたら、ピアノのオルガ・シェプスさんをゲストに呼んでラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」が演奏されるということだったので、「ルビー」シリーズを聴きに来たときに急遽、ホールのチケットセンターでチケットを取ったという次第。「チケット・マイ・プラン」の会員になっていたので、会員割引が適用された。時期が早かったため、最前列が取れてしまったのがビックリである。
指揮はもちろん音楽監督の上岡敏之さん。後半のメイン曲は、チャイコフスキーの「交響曲第5番」、やはりリクエスト・コンサートだと定番のプログラムになってしまうようだ。とはいえ、プレトークで上岡さんが語っていたようだが、そのまんま演奏しても面白くないからと、何かをやってくれそうだ。コンサートマスターの崔 文洙さんは「楽譜通りには演奏しますよ」とフォローしていたが・・・・。
前半はラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」。ソリストに呼ばれたシェプスさんはこれまでに2回聴いたことがある。2015年1月には日経ホールでのリサイタルを、2年前の2016年8月には東京交響楽団の定期演奏会で、今日と同じラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」を聴いた(指揮は飯森範親さん)。見た目はめっちゃ美人なのに演奏の方は印象が薄い、というのが正直なところ。さて今日は・・・・。
冒頭の鐘のイメージをバラさないで弾いていたので、手が大きいようだ。曲が始まると流れるように分散和音を煌めかせ、主旋律がピアノに回ってくるとすーっと主題を浮き彫りにする。表現はしなやかでエレガントだ。ロシア音楽の持つ無骨な側面は見られず、繊細でロマンティックな面が美しく出て来る。それは良いとして・・・・。シェプスさんのピアノは音量が小さいようである。センターブロックの左寄りとはいえ最前列で聴いているのに、オーケストラとの音量バランスがちょうど良いくらい。これでは後方の席や2階・3階まで音が十分に届かないのではないだろうか。すみだドリフォニーホールはステージが低く、最前列でもオーケストラの音は十分に飛んでくるが、残響が少し濁る感じもするので、ピアノの音はオーケストラに飲み込まれてしまいそうな気がするのだ。私の所からは、エレガントなピアノが聞こえているので、その点は今回は席選びがうまくいったようである。演奏自体は無難ないイメージで、とくに強く印象に残ることもなかったが、普通にキレイな演奏で満足のいくものであった。
シェプスさんのソロ・アンコールは、プロコフィエフの「ピアノ・ソナタ 第7番」の第3楽章で、これは2年前の時も同じだった。リサイタルでも全曲を弾いているので、得意としているのだろう。叩きつけるような超絶技巧曲で、テクニックのあるところも見せてくれたが、ホールのどんよりとした響きの中では音が混ざり合ってしまい、ほとんど聴き分けができず何だかよく分からなくなっていたような気がする。
後半はチャイコフスキーの「交響曲第5番」。上岡さんの指揮は、とにかく早めのテンポでスイスイと音楽を進めていく。確かに、この曲のイメージとしてはけっこう異質な雰囲気ではある。崔さんがいうように楽譜通りということだから、テンポや間合いの取り方などは解釈の内、ということなのだろう。オーケストラは上岡さんによくついて行っていたので、両者の関係もすっかり馴染んでいるようだ。まあ、クセの強い上岡さんに対して、オーケストラの演奏も比較的良い感じに回っている。演奏し慣れている曲ということもあるし、異質な指揮にも柔軟に対応して、なかなか良い演奏だったと思う。ここ最近の新日本フィルは、なかなか良い演奏を聴かせてくれるようになってきた。
なお、第2楽章のホルンのソロは、「ぷぁぷあぷぁぷあーんぷぁーん」という感じの吹き方(音のアタマがハッキリと立ち上がる)だった。私は「ぽぽぽぽーぽー」とピアニッシモで遠くから風に乗って聞こえて来るようなタイプの吹き方が好きなので、あくまで好みの問題だが、カーテンコールの際に喝采を浴びるほどではないと感じた。
オーケストラのアンコールは、ニールセンの歌劇『仮面舞踏会』より第3幕「若い雄鳥たちの踊り」ということで、かなり珍しい曲を持ってきた。リクエストだと人気のある名曲ばかりになってしまうから、このような曲をあえて選んだのだろう。上岡さんらしい選択である。
終演後はサイン会があったが、私は早々に引き上げた。友人が参加して写真を送ってくれたので、めっちゃ美人のシェプスさんをご覧あれ。
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2018年7月27日(金)19:00〜 すみだトリフォニーホール A席 1階 1列 14番 5,400円(会員割引)
指揮:上岡敏之
ピアノ:オルガ・シェプス*
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスター:崔 文洙
【曲目】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18*
《アンコール》
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 作品83 より第3楽章 Precipitato*
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
《アンコール》
ニールセン:歌劇『仮面舞踏会』より第3幕「若い雄鳥たちの踊り」
新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会シリーズは、9月から始まり翌年の7月までが1シーズンとなっている。したがって、今月がシーズンの最終回となる。すみだトリフォニーホールで開催される「トパーズ」シリーズでは、7月の最終回は内容が決まっていない「リクエスト・コンサート」つまり会員や来場者から募ったリクエストで曲目が決まるという仕組みなのだ。内容が決定するのはシーズンの途中になるので、定期会員になる時点では内容は未定。だからこの回は予定していなかった。しかし、発表されてみたら、ピアノのオルガ・シェプスさんをゲストに呼んでラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」が演奏されるということだったので、「ルビー」シリーズを聴きに来たときに急遽、ホールのチケットセンターでチケットを取ったという次第。「チケット・マイ・プラン」の会員になっていたので、会員割引が適用された。時期が早かったため、最前列が取れてしまったのがビックリである。
指揮はもちろん音楽監督の上岡敏之さん。後半のメイン曲は、チャイコフスキーの「交響曲第5番」、やはりリクエスト・コンサートだと定番のプログラムになってしまうようだ。とはいえ、プレトークで上岡さんが語っていたようだが、そのまんま演奏しても面白くないからと、何かをやってくれそうだ。コンサートマスターの崔 文洙さんは「楽譜通りには演奏しますよ」とフォローしていたが・・・・。
前半はラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」。ソリストに呼ばれたシェプスさんはこれまでに2回聴いたことがある。2015年1月には日経ホールでのリサイタルを、2年前の2016年8月には東京交響楽団の定期演奏会で、今日と同じラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番」を聴いた(指揮は飯森範親さん)。見た目はめっちゃ美人なのに演奏の方は印象が薄い、というのが正直なところ。さて今日は・・・・。
冒頭の鐘のイメージをバラさないで弾いていたので、手が大きいようだ。曲が始まると流れるように分散和音を煌めかせ、主旋律がピアノに回ってくるとすーっと主題を浮き彫りにする。表現はしなやかでエレガントだ。ロシア音楽の持つ無骨な側面は見られず、繊細でロマンティックな面が美しく出て来る。それは良いとして・・・・。シェプスさんのピアノは音量が小さいようである。センターブロックの左寄りとはいえ最前列で聴いているのに、オーケストラとの音量バランスがちょうど良いくらい。これでは後方の席や2階・3階まで音が十分に届かないのではないだろうか。すみだドリフォニーホールはステージが低く、最前列でもオーケストラの音は十分に飛んでくるが、残響が少し濁る感じもするので、ピアノの音はオーケストラに飲み込まれてしまいそうな気がするのだ。私の所からは、エレガントなピアノが聞こえているので、その点は今回は席選びがうまくいったようである。演奏自体は無難ないイメージで、とくに強く印象に残ることもなかったが、普通にキレイな演奏で満足のいくものであった。
シェプスさんのソロ・アンコールは、プロコフィエフの「ピアノ・ソナタ 第7番」の第3楽章で、これは2年前の時も同じだった。リサイタルでも全曲を弾いているので、得意としているのだろう。叩きつけるような超絶技巧曲で、テクニックのあるところも見せてくれたが、ホールのどんよりとした響きの中では音が混ざり合ってしまい、ほとんど聴き分けができず何だかよく分からなくなっていたような気がする。
後半はチャイコフスキーの「交響曲第5番」。上岡さんの指揮は、とにかく早めのテンポでスイスイと音楽を進めていく。確かに、この曲のイメージとしてはけっこう異質な雰囲気ではある。崔さんがいうように楽譜通りということだから、テンポや間合いの取り方などは解釈の内、ということなのだろう。オーケストラは上岡さんによくついて行っていたので、両者の関係もすっかり馴染んでいるようだ。まあ、クセの強い上岡さんに対して、オーケストラの演奏も比較的良い感じに回っている。演奏し慣れている曲ということもあるし、異質な指揮にも柔軟に対応して、なかなか良い演奏だったと思う。ここ最近の新日本フィルは、なかなか良い演奏を聴かせてくれるようになってきた。
なお、第2楽章のホルンのソロは、「ぷぁぷあぷぁぷあーんぷぁーん」という感じの吹き方(音のアタマがハッキリと立ち上がる)だった。私は「ぽぽぽぽーぽー」とピアニッシモで遠くから風に乗って聞こえて来るようなタイプの吹き方が好きなので、あくまで好みの問題だが、カーテンコールの際に喝采を浴びるほどではないと感じた。
オーケストラのアンコールは、ニールセンの歌劇『仮面舞踏会』より第3幕「若い雄鳥たちの踊り」ということで、かなり珍しい曲を持ってきた。リクエストだと人気のある名曲ばかりになってしまうから、このような曲をあえて選んだのだろう。上岡さんらしい選択である。
終演後はサイン会があったが、私は早々に引き上げた。友人が参加して写真を送ってくれたので、めっちゃ美人のシェプスさんをご覧あれ。
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過去宮崎在住時にコメントしたことがあるかと思います。
北区の公共施設に行ったところ、11月の北とぴあのトリオのコンサートのチラシがあり、管理人様もおいでになるのかなと手に取りました。
私も早速北とぴあでチケットを買ってきました。
北区民だと、チケット代金が千円引きなのだとか。
とても良い席で聞くことができそうです。