駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

言葉で蓋をする技能

2018年11月18日 | 町医者診言

              

 

 総合病院を辞めて個人医院を開業するまでは世の中の実態について殆ど何も知らなかった気がする。開業して徐々に世の中の仕組みや実態が少しはわかるようになってきた。

 医学の世界では希有なことだが、言葉が誤魔化すために使われているのに驚く。技能実習制度という美名の元に外国から夢を持って入国した若い人が、名ばかりの実習で実は搾取されている実態。

 ここにきて技能実習生だけでは補えない労働力不足を新たな外国人材を受け入れて凌ごうとする法案が提出されているが、どうも単にその場しのぎに外国人労働者を使おうとしているように読めてしまう。

 労働力不足と言えば、若年労働者数が減っているので確かに成る程と納得して仕舞いがちだが、どの分野でどの程度の人材が何人くらい不足しているのかは明確にされていない。付け焼き刃の数字が出されてはいるが、技能実習生の実態に関して誤った数字を出し、パソコンの打ち間違いだなどという理解できない言い訳をするような役所の報告を鵜呑みには出来ない。国内日本人の未開発未就業の潜在人材をきちんと把握しているのか、内閣には都合の悪いことを隠す姿勢があるように見える。

 家族同居で日本に根を下ろして働く人達を移民ではないと答弁しているが、日本語を母国語とするような子供が育てばそれは移民のような気がする。移民という言葉にアレルギーを持つ人達をなだめるために移民でないと定義の曖昧さでまやかしているように聞こえる。

 なぜ本当のことを正確正直に表現しないのだろう。なぜ上辺の言葉でまやかされてしまう?のだろう。

 人材は材と呼ばれても人間。人口の年齢構成推移は十年以上前からわかっていること、政治家は本当に将来のことをきちんと考えて政治をしているのか?、パソコンを扱ったことのない大臣がサイバー攻撃を防ぐ部門の担当、世界の笑いものになってしまう。

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