ヒンデミットの交響曲「画家マティス」については、こちらで述べましたが、「世界の調和」「ピッツバーグ交響曲」のCDに続いて、同じヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団による交響曲「画家マティス」と組曲「いとも気高き幻想」のCDも到着しました。
この演奏は30年以上前にFM放送をエアチェックしたものを愛聴していたものですが、 いつかCDを思いながらなかなか入手に至らなかったものです。
録音は1980年3月。1920年生まれのケーゲル60歳の時の録音ということになりますが、彼はこの10年後の東西ドイツ統一後に拳銃自殺により70歳の生涯を閉じます。
日本へは、NHK交響楽団への客演や、ドレスデン・フィルを率いての来日によって一定の人気はあったものの、その評価はむしろ死後に高まったとも言われています。

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長年エアチェックテープで聴き込んだ音源をリマスターされたCDで聴くときによく感じることではありますが、当然音質は断然よく、本当に同じ音源によるものなのかと思いますが、ドイツの伝統的なオーケストラの特に当時は東側ということで、美しくもややくすんだような独特な響きを味わうことができます。カップリングの組曲「いとも気高き幻想」は、例の「ヒンデミット事件」の後に、スイスやアメリカに亡命する前に演奏旅行で出向いたイタリアで、フィレンツェの振付家のレオニード・マシーンと知り合い、彼のバレエ団のために書いたバレエ音楽。この曲は1938年にロンドンで初演されたということです。
「画家マティス」と時期が近いこともあって、その響きも共通するものを感じることができます。

さて、「画家マティス」は初聴から10年以上後に購入したCDは同じファーストネームのヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団によるものです。録音は1987年で、「葬送音楽(ヴィオラと弦楽合奏のための)」と「ウェーバーの主題による交響的変容」がカップリングされています。

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ブロムシュテットはケーゲルより7歳下の1927年生まれ。90歳を過ぎた最近でも精力的に指揮をされている様子はこちらでも紹介しておりますが、アメリカ生まれのスウェーデン国籍ということではあるものの、ドレスデン・シュターツカペレの客演を機に、東独での強い結びつきという点において、ケーゲルとも何らかの交流があったかもしれないと想像できます。

交響曲「画家マティス」は、ヒンデミットの代表作でありながらそう沢山の録音が残されているわけではありませんが、ほかにもバーンスタインや意外にもカラヤンのものも残されているので、これらもいずれ聴いてみたいと思っているところです。

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