今日のこの感傷は、秋だから?
夕方、庭に出たら、東の空には月があり
西の空には夕焼けがありました。
西と東の空の色の違いを交互に見ていたら
なんだかジーンと、涙が出そうになりました。
悲しいのでもなく、辛いのでもなく、ちょっと感傷的になったのは、
今日、ポストに入れた書類のせいかもしれません。
このままでは途切れてしまう、私の実家の墓を守るため、
次女が自ら、私の弟の養子になってもいいと口にした時
夫は驚き、思わず本音を口にしました。
クマ君が、姓が変わることを許されるのなら
だったら、実家じゃなくても
うちの養子になったらいいじゃないか …。
でも、これには次女がキッパリと断りました。
自分は、大好きな ○○のおじいちゃんと おばあちゃんの
役に立てるのなら、今までのご恩返しができるのならと
養子になることを考えただけで
爺や家の姓を継いだら、これから先もずっと
あのややこしい人達 ( 兄嫁様親子や義姉 ) と
親戚付き合いをしなくてはいけなくなるから
悪いけど、それだけは真っ平ごめん。
田舎の名前を残さなくてもいいのなら、私は普通に、
クマ君のおうちにお嫁にいきます
この話を聞いた弟は、真っ先に口にしました。
クマ君の姓が変えられるのなら、それはやっぱり爺や家の
名前になるのが一番だし、筋道だ。
でも、それを否定したのは、娘の本音を理解した
他ならぬ父親の爺やでした。
こっちのことは一切、気にしてもらう必要はないから
娘の思いだけを受け取って考えてやって欲しい。
そして、自分がふがいないから皆に迷惑をかけると
弟が涙ながらに感謝を述べて、養子の話が決定し
その手続きが、いよいよとられることになりました。
最初、手続きの用紙は全国共通
どこの役所で受け取っても同じものなのだとして
次女の戸籍謄本を取りに行くついでに我が家がもらい
必要事項を記入してから次女のところに送り
次女も記入、押印してから弟のところに送り
弟が仕上げて提出する段取りとしていたのですが
記入がややこしいだろうと、逆の順番にすることになり
弟から次女に送られた書類には、コピーされた用紙に
どう書いて、どこに印鑑、捨て印が必要かまでが
びっしりと事細かく書かれた紙が添付されていて
普段の弟の仕事ぶりの一端を見られた気がして
ちょっと感心したりして …
次女から届いた書類にも、ちゃんと自分の言葉で
書類記入で手間を取らせることへの感謝と
寒くなるから体に気をつけてと
大人になったことを感じさせられる手紙がついていて
お父さん、お母さんへ の文字に、
胸がキュンとなりました。
書類だけのこととはいえ、これから法律上では
私は親ではなくなるの?
結婚式の準備のために、来月、次女が
帰省するとの連絡があった時
ついでにこんな話も聞かせてくれました。
帰省の話を聞いたクマ君が、次女に言ったそうです。
その日だと自分は仕事で一緒に行けないんだけど、日帰り?
日帰りな訳がないでしょ~!と次女から宣言されると
次にクマ君は、こう言ったそうです。
僕も実家に帰りたいから、一緒に行ける日を頭にして
考えてよ~!
次女がいないと淋しいと、思ってくれる人がいる
夫と、手続きの書類を書きながら、私は夫に言いました。
もしも、いつかこの家に爺やが独りになったら
爺やは、娘のそばに引越しをするんよ。
すると夫、即座に嫌だと言ったので、どうして?と尋ねたら
小さな声でポソリと、娘達の邪魔になりたくない …。
だから私が言っておきました。
娘と同居するんじゃなくて、娘が様子を見に来てくれやすい
距離のところに住んであげてと言っているのよ。
でないと、今のままだと、時間も交通費もかかるから
逆に娘達の負担になってしまうから
今、私が母を気になりながらも何もできないのと同じ
こんな思いを、娘達にもさせることになるんだよ。
この前、次女の養子の話をゴリ君のご両親に伝えたら
聞くなりゴリ君のお父様が言ってくださいました。
だったら爺や家には、うちの孫の誰かが養子になればいい。
慌てて、そんな必要はありませんからと伝えましたが
嘘でも、そんな風に思っていただけたことが
本当にありがたいことだと感謝しました。
誰もが皆、誰かのためを考えてくれる
そんな家族に恵まれている自分の幸運が、もったいなさ過ぎて
今日の夕方の空は、目に沁みました …