医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

どら、グゥ~

2018-11-16 06:12:10 | 薬局

明暗が分かれた。

 

今年度の上半期の決算報告がほぼ出そろった。

大手調剤チェーンは”減収減益”から脱することは難しかったようだ。

それに比べてドラッグストアは押しなべて“増収”を確保している。

利益の方はセグメント別の公表がないので分からないが、こちらも”増益”であると確信している。

中小薬局の調剤報酬自体はさほど影響がなかったようだが、薬価の引き下げと価格交渉の暗礁から”微減収、減収“って感じだろうか。

いろいろな形態があるので一概には言えない。

 

特に増収が目立つのはウエルシアHDの前年同期比13.7%である。

これははっきり言って凄い。

大阪を地盤とするキリン堂も10.3%と好成績だ。

その他にもスギHDが7.6%、ココカラファインが6.5%と猛威を感じる。

 

それに比べて大手調剤チェーンは日本調剤がかろうじて1.0%の増収であるが、他はクオールHDが▲3.6%、総合メディカルが▲3.9%と厳しい。

アインHDは決算月が異なるので未だ隠れた存在となっている。

医薬品卸の薬局事業は、ここ最近低調でスズケンが▲5.7%、東邦HDが▲5.8%となっている。

この辺は戦略的に引き際を悟ったのだろうか。

 

大手調剤チェーンは調剤報酬で叩かれ、薬価改定で締められて増収は高根の花となっている。

利益も薬価の引き下げ分が圧縮されているが、価格交渉はそれなりに負けてはいないようだ。

この情報はアンタッチャブルなのか何処の医薬品卸も教えてはくれない。

 

大手調剤チェーンは上場企業である。

従って、売上も利益もダウンとは株主に報告は出来ない。

そこで動き出したのがM&Aじゃないだろうか。

但し、昨今の調剤報酬から大手調剤チェーンがM&Aをすると「調剤基本料1」が「調剤基本料2・3」になったのでは困る。

ある程度の規模感がないとM&Aをしても売上にも利益にも貢献しない。

年間売上が最低でも1.5億から1.8億ぐらい欲しいそうだ。

これだけでは自力回復にはならないので敷地内争奪が始まっている。

これがいつまで続くのかは不明だが、現段階での最適な動きなのかもしれない。

 

ドラッグストは順調である。

ここにはいつまで続くか分からないが、1つにはインバウンド(外国旅行者)効果が有る。

ドラッグストアは常に他所の市場を奪った戦略が得意だ。

従来からあった旧態依然とした薬局から始まり、大型スーパーのコバンザメ商法で成長し、今では食品スーパーに引けを取らない食材が並ぶ。

さらに惣菜や弁当の充実はコンビニへの影響を強めている。

中にはイートインまで設けている。

そして今は調剤市場がターゲットとなっている。

 

今日から東京でのHSEセミナーが始まる。

時代の変化を受け止めたいと思う。

 

 

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