細菌やウィルスが体内に侵入すると排除するために 炎症が起こります。
炎症は発熱、発赤、腫脹、疼痛を特徴とする生体の防衛反応です。
たとえば、ニキビは熱を持ち、赤くなり、腫れて、痛みを伴う典型的な炎症です。
実は体内では、自覚症状を伴わない穏やかな炎症がいつも起きているのです。
ストレスや紫外線などは、自己組織を変性させて、S100蛋白や変性したケラチノサイトなどの異常物質を生じます。
生体はTLR2やTLR4などのパターン認識受容体というセンサーで、身体を脅かす危険信号を察知して
これに対応するするために皮膚、脳、胃腸などいろいろな組織で炎症反応を引き起こすことが
最近明らかになりました。
紫外線を浴びすぎると、皮膚は赤くなり、表皮は剥がれてきます。
これは紫外線によりダメージを受けた細胞を炎症により排除しようとする現象なのです。
しばしば炎症が激しくなりすぎると、シミ、しわ、ニキビではクレーターを生じてしまいます。
脳に炎症が起こるとうつ状態やアルツハイマー病、
皮膚に炎症が起こると、ニキビ、脂漏性皮膚炎、酒さ、アトピー性皮膚炎
大腸に炎症がおこると慢性の大腸炎、便秘、鼓腸
全身的には疲労感、糖尿病、動脈硬化などを起こすだけでなく
老化促進、最終的には発がんに至ります。
これらの炎症を抑えることが、日々を快適に長く生きるために必要なのです。
その対策としては、皮膚を清潔に保つ、メイクを落として寝る、スキンケアをする、
高脂質食、高糖質食などを避けることなどの臓器別の炎症対策と
全身に作用するようにストレスにうまく対応する心と工夫をすること
起きてしまった炎症をうまく抑えることなどが必要です。
精神的ストレスに対しては心の持ち方、ストレスをうまく発散することが必要です。
そして肉体的ストレスとは何かと考えてみましょう。
生物にとって最大のストレスは、生命活動が低下そして停止してしまうことです。
人生最大の幸福のひとつがおいしいものを食べた時です。
細胞を維持するために必要なエネルギー源を得ることで、ストレスが解消されたのです。
摂取した3大栄養素は細胞に取り込まれ、ミトコンドリアで高エネルギー物質であるアデノシン3リン酸ATPに変換されます。
ATPを利用して細胞の増殖やコラーゲンなどの合成が行われます。
脂肪酸をミトコンドリアに取り込むのにはビタミンCが必要です。
炭水化物が分解して生じたピルビン酸を取り込むのにはビタミンB1が必要です。
ピルビン酸からクエン酸回路、電子伝達系を駆動するにはビタミンB群、レチノール、
そしてコエンザイムQ10が必要です。
これらのビタミンが豊富にあることで細胞は十分な代謝をすることができるのです。
ビタミンの重要な作用は、もう一つあります。
それはTLR2.TLR4などの炎症を起こすセンサーの発現を抑制すること、
炎症を起こすサイトカインや活性酸素の産生を抑制すること、
できてしまった活性酸素を消去することです。
ビタミンCを摂取することで、幸福ホルモンであるエンドルフィンのレベルが増加することは
僕が世界に先駆けて報告しました。
エンドルフィンはイライラホルモンであり、炎症を引き起こすサブスタンスP分泌を抑制することが報告されています。
僕は、1999年に開業して、ストレスで血圧が上がり、夜も眠れなくなりました。
そんな時、ストレスを減らす方法はないかと必死に探してたどり着いたのがビタミンです。
ビタミンを摂取することで、眼がショボショボしなくなり、肩こりもなくなり、夜眠れるようになりました。
ビタミンを経口摂取したり、静脈注射などで全身に補給し、
外用や導入で皮膚にたっぷりと補給することが、肌と全身の健康を保つコツです。
次回はビタミンの摂取の仕方とかしこい注射について説明します。