ATF交換-マツダ車 スズキ車(HB25S)トルコン太郎での圧送交換+入手不可部品の交換 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

今回CVTフルードの圧送交換を行うのは、マツダのキャロルです。

マツダ車と言っても中身はスズキです。

 

このCVTですが、フィルターなどの部品が実は供給されていません。

唯一手配出来るのは、オイルパンガスケットのみ。

 

※フリークではこれら部品が手に入ります。ご入用の方はこちら

 

 

CVTはAT以上にフルードのお手入れが必要なのに、

フィルターが手配出来ないなんて、一体どうなっているの??

 

メーカー側が考えている自動車の耐用年数10年10万キロの間、

一応壊れずに動いてくれたらいいという事なの?

逆に、10年10万キロを迎える頃に新車に買い替えて貰う為の時限爆弾なの??なんて勘ぐってしまいます。

 

 

 

 

現在の走行距離は6万キロを超えた所ですが、これからもまだまだ頑張って長生きして貰う為に、CVTフルードの交換と、同時に各フィルターの交換も行っていきましょう!!

 

たまたまですが、写真後ろの方に見えているエスティマは、CVTのベルトが破断して突然走行不能に陥り(非常に危険!)、現在CVTミッションのリビルトに載せ替え中です。

破断したベルトの破片が内部で大暴れし、各種センサーの先端も気付付けていますので、ミッションだけを載せ替えて終わりという事にはなりません。

ここまで大事に至ると、修理をするのも高額となります。

 

 

 

 

古いCVTフルードを採取。

 

 

 

 

墨汁の方がまだ薄いのでは??

本当に真っ黒です!

 

 

 

 

オイルパンを取り外しました。

 

 

 

ストレーナーの一部分にパーツクリーナーをかけてみました。

本当はこの様なシルバーカラーなのです。

 

エンジンオイルが黒く汚れるのは、シリンダー内での爆発による煤(ガソリン)が主ですが、他にも高温にさらされる、混合気が汚れているなど色々あります。

 

しかし、ATFやCVTFは、何かしらの爆発にさらされる訳でも無ければ、ブローバイガスなどが混入してくる要素もありません。

AT&CVTのフルードが汚れるのは、内部から発生する非常に微細な鉄粉やクラッチ板などのカスが混じるからです。

 

ストレーナーがこんなにネズミ色になっているのは、表面にまんべんなく付着した汚れのせいです。

ストレーナーだけではありません。

バルブボディも各配管や通路も、同様にこの通り汚れています。

なので、フルードを新品に交換した後、少し走ってからまた抜き取ると、抜けて来たフルードは真っ黒に汚れています。

 

 

新品のフルードは清浄効果が高いので、流動しながら汚れを落とします。

その落ちた汚れは、フィルターでろ過されたり、一部は磁石に吸着されたりしています。

 

フィルターを交換せず、下から抜いて上から入れるだけの交換の場合、新品フルードが落とした汚れは一体どこに行くのでしょう??

フィルターは既に詰まりかけ、磁石は鉄粉びっしりでこれ以上の吸着は無理。

行き場を失った汚れがトラブルを引き起こす原因になる事、想像に難くないと思います。

 

ただ、今回の車両はフィルターが部品として出ません。

フィルター交換したいなら、「ミッション丸ごと」の設定です。

こんな設定で本当にいいの??

 

 

 

 

ストレーナーを取り外して、このままフルードをポタポタと排出させながら、落ちきるまでの間、ミッション側面に付いているもう一つのフィルターの交換を行います。

 

 

 

 

この丸いキャップの中にフィルターが居ます。

車種によっては、このキャップの手前にオイルポンプが鎮座しているタイプもあります。

その際でも、オイルポンプの脱着は非常に簡単ですが、そこに使われているOリングも部品供給がされていません。

 

※そのOリングもフリークでは手に入ります。

 

 

 

ロックのボルトを取り外して、反時計回りに回します。

汚れたフルードが溢れて来ますので少し待ってから。

 

 

 

 

キャップを取り外し。

中まで真っ黒に汚れています。

 

 

 

 

もう一つのフィルターです。

リターンフィルターとか、ポンプフィルターとか、色んな呼び名で呼ばれています。

 

 

 

 

取り外して廃棄です。

 

 

 

 

フィルターハウジング内を綺麗に掃除。

 

 

 

 

キャップ内部ももちろん綺麗に!

 

 

 

 

フリークで常時在庫しているフィルターセットです。

県外からも結構問い合わせがあります。

オイルパンガスケットだけは普通に手に入りますので、ご自身で準備して下さい。

でないと、この大きさのパーツを曲げる事無くお届けする為には大きな箱が必要となり、結果、送料が跳ね上がりますので!!

 

 

 

フィルターを装着し、キャップOリングを交換してキャップ装着。

 

 

 

 

もうポタポタと垂れてくるのも無くなってきました。

 

 

 

 

パーツクリーナーを使ってきれいに掃除。

 

 

 

 

新品のストレーナーを装着。

 

 

 

 

鉄粉を吸着する為の磁石はこの状態です。

 

 

 

 

磁石は2つ付いていますが、そのいずれも鉄粉がびっしりと付着!

 

 

 

 

綺麗に掃除をして、ガスケットも新調。

元に戻していきます。

 

 

 

 

まずは抜けた量を充填し、

 

 

 

 

エンジンを始動。

 

エンジンをかけた状態でフルード量チェックが出来ますので確認。

少し足りなかったので、追加で0.5リットル補充しました。

 

このミッションに使用されているフルードは全容量6.2リットルです。

その内、計4リットルものフルードが新品として混じっていますが、それでもこれだけ汚れています。

 

 

 

圧送交換を開始します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一番最初に充填したフルードも含め、合計15リットルのフルードを使って、ようやくここまで綺麗になりました。

 

 

 

 

油量調整温度まで上がった所で、ぴったりFULLのラインに合う様にフルード量を微調整して作業完了です。

 

 

 

 

トルコン太郎との接続を解除して行きます。

その際に、現在ミッション内部で流れているCVTフルードを比較用の瓶に採取。

 

 

 

 

ここまで綺麗になりました!!

 

 

 

 

最後に。

メーカーから貰った資料です。

部品として出るのは赤矢印のオイルパンガスケットだけで、

その上に付いているはずのストレーナーや、ミッション側面に装着されている筒状のフィルターカートリッジ及び、そのキャップもOリングすらも供給はありません。

 

 

 

 

フィルターやストレーナーは取れませんか?という質問に、メーカーの部品商さんからの回答。

 

 

 

 

今回のCVTフルード圧送交換では、

 ・オイルパンガスケット交換

 ・CVTフルードストレーナー交換

 ・CVTフルードリターンフィルター交換

 ・リターンフィルターハウジングガスケット交換

 ・オイルパンドレンプラグガスケット交換

 ・CVTフルード交換

以上の作業を行っております。

今回の修理ご請求額は、 ¥ 66,930- となっております。

ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  62,400km>



■作業メカニック - 野間雄司
■写真撮影 - 野間雄司
■文 - 野間雄司



※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。
 

 

 

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