トラブル修理-アウディ A1(8XCAX)動かなくなった DSG故障 | フリークのブログ

フリークのブログ

自動車の整備を、もっと身近に、もっと分かりやすく!!

「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

アウディ A1 を陸運局で登録したとたんにエラーが発生し、

まともに動かなくなったという症状で、

同業者さんからの修理依頼です。

 

 

 

 

アウディA1です。

走行距離は61,000kmを超えたばっかりです。

車としてはまだまだ。

なのにミッショントラブルで全く動きません。

 

このトラブルは非常に多く、ネット検索すれば大量に出て来ます。

びっくりする様な高額費用を支払ってディーラーで直された方もおられますが、殆どの方は出て来た見積り額に愕然として車を買い替えられました。

 

ところが昨年夏、このDSGの頭脳「メカトロニクス」の大規模リコールが発表され、当時は輸入車整備業界でも話題になったものです。

 

 

 

 

 

このA1も、メカトロフルードが吹き返しています。

 

 

 

 

スターターモーターを取り外すとこんな感じ。

 

このメカトロニクス(以下、メカトロ)のトラブルは割合としては非常に多く、アッパーハウジングケースの強度不足が原因でアキュームレータとの接合部分が破損しているという報告が、日本国内でのリコール前にもヨーロッパで多数報告されていました。

 

日本はリコールになったのがかなり遅かったのですが、特に中国では早い段階でリコールが行われ、それら情報がどんどんネットに上げられていて、写真も大量にあり、あっちもこっちもアッパーハウジングのネジ山部分が破損している!なんてのを見ながら、何故日本ではリコールにならないの?突然止まるんだから、最悪の場合人命にかかわってくるよ!と思っていました。

 

 

中国では自国リコール前でも早々と対策部品が製作され(社外で)、

このアキュームレータが取り付けられるハウジング部分厚を2mm程太くした物も販売されていました。

 

 

 

フリークは比較的輸入車の入庫率が高く、このDSGに付いても避けて通れないだろうと考え、DSG修理で有名な静岡のうしぶせ自動車さんに相談し、DSGトラブルを修理したり色んな話をしていく中で、「DSG修理及びクラッチオーバーホールの講習をしようと思うんだけど、参加してみない!?」と呼んで頂いたのが、2019年5月に東京ビッグサイトで行われた勉強会でした。

 

今日は朝から勉強会です/DSG乾式7速 Audi&VW

 

 

 

※ 余談ですが、この勉強会に参加した方の中で、後にフリークで行った勉強会にも参加して頂いた方がおられ、その方とはかなり頻繁に輸入車修理の話しで連絡を取り合っています。

 

 

 

ここまでは、日本国内でリコール発表される前の話しでしたが、

リコールが発表されて以降は地元ディーラーさんで対策が施され、最近DSGトラブルはあまり聞かなくなってきたな~と思っていた矢先、今回の同業者さんからの連絡&入庫でした。

 

 

念の為アウディにVINを元に問い合わせをしましたが、

残念ながらDSGのリコールには該当しておらず、

過去にプログラムの修正リコールは出ているが、こちらに付いては2019年に実施済みとの事でした。

 

 

 

今回のエラー内容は、

 

・P162400

  フォルトウォーニングランプON要求作動

・P072B/01835

  Rギア、アジャスト出来ない

・P189C/06300

  プレッシャー増加不足による機能制限

・P073B/01851

  6速ギア、アジャスト出来ない

・P073C/01852

  7速ギア、アジャスト出来ない

・P17BF/06079

  ハイドロリックポンプ プレイプロテクション

  ハイドロリックポンプ プレイプロテクション アッパーリミット値超過

 

 

恐らく

ポンプの作る圧が何らかの原因で低下し、どこにもギアを入れられなくなった・・・そんなパターンのトラブルかと予想しました。

これが、プレッシャーセンサー不良であったり、ポンプ不良で合ったり、多く見られるアキュームレータ付け根からの圧漏れであったり・・・

 

このフォルト内容をうしぶせの社長に伝えると、

 

「まずはメカトロ修理。直る可能性は70%、それでだめならクラッチ交換。それでもだめならミッション本体も交換です」

 

恐ろしや、DSG!

 

 

ま、メカトロで直ってくれるでしょう(^^;

 

 

 

 

メカトロを取り外す為に、診断機を使ってニュートラルポジションに。

 

でも、やはり全く動かせず。

仕方ないので強制的にニュートラルに移行。

 

続いてメカトロを外していきます。

 

 

 

 

メカトロオイルを排出。

 

 

 

 

真っ黒です。

 

 

 

 

続いてミッションオイルを排出。

 

 

 

 

こちらも真っ黒。

 

 

 

 

中身を組み替え、一部重要部品を移設して

再構築したメカトロを装着。

 

 

 

 

新しいメカトロオイル。

 

 

 

 

新しいミッションオイル。

 

 

 

 

基本調整完了です。

 

 

 

 

ロードテスト要求もあり。

 

結果、無事メカトロ交換で直りました。

いや~、良かった!!!



ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  61,400km>



■作業メカニック - 丸山恵志郎
■写真撮影 - 野間誠司
■文 - 野間雄司




※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。
 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、

様々なアタッチメントを製作・販売しております。

 

 

弊社より購入頂いたプロショップさんを地域別に掲載した一覧もインターネット上にアップしはじめました。

これにより、ユーザー様がお近くのプロショップを検索できるようになります。

サイトはこちら → F-PETプロショップ

 

合わせまして、プロショップさん同士の情報交換の場として、ネット上に承認式コミュニティを設けています。

興味のあるプロショップさんは「こちら」からお問い合わせ下さい。

 

商品一覧はこちらです → F-PETシリーズ

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

ブログランキングに登録しています。
クリックして頂けるとランキングが上がりますので、お願い致します(^^)

 

 

★愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました

 


★株式会社フリークのホームページはこちら