昨年の東日本大震災以降、
公私ともに私の環境にも少なからず影響があり、
なかなか更新のできないこのブログですが、
前回、久しぶりに更新をしての反響、というと、
ちょっと偉そうな感じですが、
謙虚な気持ちとして、
今まで読んでいて下さった人や、
初めて読んで下さる人が思いのほか多いことは、
とてもうれしく、感謝の気持ち一杯です。
ありがとうございます。
(関連記事:

 (ブログ再開)♪全音楽界による音楽会♪ )


以前のように、演奏会後に、タイムリーな
ブログの更新ができないものの、
その都度、演奏会後にメモを取って、
記憶に留めておこうとするのですが、
1年~2年前を振り返る、、となると、
メモを頼りにするだけでは、
その臨場感をお伝えしきれないのも事実です。
そこで、今回からの新たな試みとして、
印象に残る演奏家を順番にご紹介する
特集を組んでみようと思います。
ご紹介する演奏家の順番は、
私のお気に入りの順番ということでは
必ずしもありませんので
それぞれの演奏家のファンのみなさまには、
ご安心をというか、
お手柔らかに見守って頂ければ幸いです。

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(オルガン発表会の合間に)


「印象に残る演奏家シリーズ」の1回目は、
クラシック・サキソフォンの作田聖美さんです。
(関連記事:作田聖美

 Flute 大塚茜 ♪ Sax 作田聖美 @ 旧奏楽堂

 音の方舟

 音の方舟 特別編
 音の方舟 Vol.4  )



作田聖美さんは、
東京芸術大学の音楽学部器楽科サクソフォン専攻を卒業。
日本サクソフォーン協会ジュニアサクソフォーンコンクール第2位。
ルーマニア国際音楽コンクール、管楽器部門にて第1位受賞。
ルーマニア名誉領事賞受賞。
全6部門の最高位となり、
ルーマニアの首都ブカレストにて受賞コンサートに出演。
井上道義氏指揮、オーケストラアンサンブル金沢や、
東京佼成ウインドオーケストラの全国ツアー、
同楽団のCDレコーディングに多数参加される等、
共演するオーケストラやアンサンブルも数多く、
多忙な演奏スケジュールを過ごされています。

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私も機会を得て、聖美さんの演奏を聴きに行きますと、
いつも感じるもの、
新たに感じるもの、
そして、
後から感じてくるもの、、、と、
聖美さんの奏でるサキソフォンからは、
聴衆に、いつも何か「いいもの」を感じさせる、
そのような不思議な魅力をもお持ち合わせています。

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2011年の春、東日本大震災後、
被災地は勿論、全国が多くの不安に包まれている中、
再開した大崎ゲートシティでのコンサートシリーズに、
作田聖美さんと石川悠子さんの演奏が予定とのことで、
平日の夜ではありましたが、仕事の後に駆けつけました。
(関連記事:石川悠子

 Marunouchiなピアノカルテット 



雨の降る東京のオフィスタワーの一画でのコンサート。
私は遅れてでの到着でしたが、
エントランスを入ると、会場のアトリウムからは、
既に美しい音色が聞こえてきます。。。

私のように仕事を終えて駆けつけた人は勿論のこと、
その美しい音色に、ふと、足を止めて聞いている人が
いつも以上に多かったのではないでしょうか。

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ポンセのエストレリータ。
エストレリータとは、「小さな星」という意味です。
歌詞をご紹介しますとこんな感じです。

「夜空に輝くエストレリータ、
 遠い空から 
 苦しみや痛みを察してくれていることでしょう。
 空から舞い降りて
 もっと私の手元で輝いて。
 そして、この愛をあの人へ伝えて欲しいの。。。」

聖美さんの奏でるサキソフォンからは、
その愛情の表現がとても柔らかに、
とてもやさしく、情感あふれる演奏となって
アトリウムに集う人達に涙を誘います。

ピアソラのアディオス・ノニーノ。
雨の日の夜にとても雰囲気があう演奏で、
しっとりと、でも、とても澄んだ美しい音色が、
アトリウムの中に、とても素直に、
とても美しく響いておりました。

アディオス・ノニーノは、確か、ピアソラが、
父に贈った別れの曲であったと思います。
エストレリータとともに、
被災地への哀悼の意を感じる演奏で、
聖美さんの万人への愛情をも感じ、
これまで聞いて来た聖美さんの演奏の中でも、
一番、自然体というか、素直に聖美さんの
お人柄と演奏の力量がバランスよく醸し出され、
心に残る名演ではなかったかと思います。

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時は流れて、残暑の残る秋の日に、
東京藝術大学近くの上野の森、旧奏楽堂にて、
半年ぶりに聞く聖美さんのSaxは、
作曲家の青島広志さんの巧みなトークを交えたコンサート。

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旧奏楽堂は重要文化財ということもあり、
昔ながらの様相を残すためか、
空調(エアコン)は完備されていません。
この旧奏楽堂での万全とはいえない演奏環境でも、
聖美さんの素敵なサキソフォンの演奏と、
青島先生の間髪入れないトーク、
そして共演者のみなさんの素晴らしい演奏に、
残暑の暑さを忘れてしまう程に素敵な演奏でした。

共演者のフルート奏者の沼田絵恋さんの
メシアンの演奏も素晴らしく、
その演奏とは曲想が異なりながらも、
とても印象に残ったのは、
作田聖美さんの「ベラノッテ」の演奏でした。。。
ディズニーの名曲としても知られるベラノッテは、
イタリア語で、「美しい夜」という意味です(確か)。

「この日にお披露目します!」と、演奏会前、
聖美さんよりメールを頂いて楽しみしていたのは、
新調された素敵なドレス。
その素敵なドレスと、聞こえてくる美しい音色から
この日、私が感じたものを一言でいうならば、

「さくらんぼ色の淡い恋」

さくらんぼ(チェリー)、といっても、
それはアメリカンチェリーではなく、
日本のさくらんぼのような、
さくらんぼの、ほのかな上品な甘さが、
素敵なドレスから香るようでした。。。

そして、聖美さんの美しいSaxの音色からは、
Bella Notte(美しい夜)に輝く星々を想う、
ほのかなときめきと、やさしさのある愛情を感じ、
それは、美しいドレスのさくらんぼの色合いと音色が、
ビロードのように溶け合って、
「さくらんぼ色の淡い恋」のような印象を与えます。

コンサート最後のアンサンブル演奏の準備の合間、
クラシックバレエのご経験もあるからこその
ステージ上での聖美さんの立ち姿はとても美しく、
美しいドレスや、美しい音色にも自然と連なる
作田聖美さんの女性としての美しさに、
旧奏楽堂は、季節はずれの桜の香りに包まれていました。。。。

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ここで余談?、という訳でもないのですが、
作田聖美さんのコンサートは、
なぜか(?)、お出かけ日和(びより)の時は少なく、
冷たい雨が降っていたり、風が強かったり、
寒かったり、暑かったり、、、と、決してこれは、
聖美さんのせいではなく、私の全く持って個人的な
ジンクスのようなものなのですが、実は、
次にご紹介するコンサートは、コンサート当日に、
大型台風が直撃という中でのコンサート会場入りでした。

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出張中の富山(富山県)で、偶然にも機会を得た
コントラバス奏者の森澤えりかさんと共演された
作田聖美さん出演のコンサート。

コンサート会場の交差点では、大木が強風で倒れ、
パトカーが出動しての交通規制をしているのを目前に、
ジンクスを感じつつ聞きに行って参りました。

富山で聖美さんのSaxを聴けるなんて、と、
ちょっと不思議な感じでした。と、
意識したつもりは決してないのですが、
それは独特の雰囲気を感じるコンサートでした。

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聖美さんの奏でるSaxは、飾らないというか、
とても自然体というか、素直に響いてくる響きが
とても特徴的で、それが何よりの魅力なのですが、
この日の演奏は、力強さのようなものを感じました。

力(りき)んでいるという意味ではありません。
女性として美しいだけでなく、言い換えれば、
美しい音色だけでなく、
音としての、人としての、芯の(真の)強さを感じる
聖美さんの人としての強さを感じるような演奏でした。

聖美さんのファン層はとても厚く、
東京でのコンサート終演後は、いつもロビーにて、
多くのファンに、あっという間に取り囲まれてしまうので、
聖美さんに声をかけたくとも、その機会は得難いのですが、
今回は富山ということで、
東京の大勢の常連さんがいないこの機会を逃してはと、
早々にロビーに降りていきました。

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最初に目の合ったコントラバスの森沢えりかさんと、
コントラバスの魅力について、つい長話をしてしまい、
聖美さんには、結局、富山でも、
ほとんど声を掛けることができず、
「ピンクの刺繍の素敵なドレスもとても素敵でした」
と、肝心の演奏の感想は一言もお伝えできずじまいに。

なぜか、終演後に感想をお伝えできるはずが、できない、
というのも、何だかジンクスになりそうなこのごろです。
でも、富山で時間を調整してでも聴きに行く甲斐のある、
クラシックサキソフォンとコントラバスの、
絶妙な掛け合いは、新たな感動を呼び寄せました。

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新たな響きの融合を、更に感じたのは、
東京に戻って聞きに行った
ハープ奏者の瀬川真未さんとのコンサート。
(関連記事:瀬川真未

 ハープ 瀬川真未

 ハープ 瀬川真未 @ 東京エラート室内管弦楽団 )


この日も(やはり)雨が降っていて、
雨の中でのコンサートということもあってか、
リード(や楽器)の湿気との調整が大変そうな前半でしたが、
そのような前半のプログラムも、聖美さんからのSaxからは、
いい意味で、古風な、どこか懐かしい雰囲気の音色を感じ、
それが、ハープのどこか悠久さを感じる音色と、
とてもいいコンビネーションを感じて、
そても素敵な空間と音感であったように思いました。

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後半は聖美さんのSaxからは、
調整が完璧とも言える、持ち前の美しいのびやかさが出て、
この日、共演のハーピスト、瀬川真未さんの横顔が、
なぜか、(美しい)ドラゴンに見えたのですが、
青いドレスの「ドラゴン(龍)」と、
聖美さんのSaxから導かれる、「音の風」のような流れが、
時にはゆっくり、時には疾風のごとく、時には優雅にと、
ハープの美しい音色と巧みに取り入たグリッサンドとともに、
聖美さんの流麗さを感じる素晴らしい演奏でした。

ハーピストの瀬川真未さんが、
「聖美さんがグリッサンドが好きなので、
 いつもより多めに入れてみました。」
と言っていましたが、それは、単に好きなのではなく、
真未さんのハープから繰り出される流麗なグリッサンドから、
きっと、聖美さんは、風のような流れを感じ取り、
その風の流れを、Saxの響きを、帆船の帆を操るように、
音の風に、心地よさを感じていたのかもしれませんネ♪

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けじめのある感想として、この日の聖美さんは、
どこか大人っぽい印象を受けました。。。
実は、富山での終演後のロビーでも感じたのですが、
聖美さんから、大人の女性の雰囲気のようなものを、
この頃から感じるようになりました。
生活スタイルに何らかの変化があったのかなと、
これは余計な憶測ではありながらも、
その魅力をいい意味で感じる「大人の雰囲気」、
つまりは、持ち前の音色の美しさに加えて、
艶やかさ(つややかさ)とノビのある演奏は、
「味覚」といったものを感じるようなSaxへと
繋がっていくようにも感じているこのごろです。

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聖美さんから素敵なクリスマスカードを頂き、
東京は渋谷に初雪がちらちらと舞い降りていた、
この年、一番の寒さとなったクリスマスイブの夜、

ピアニストの石川悠子さんとの共演で、
手作りのスイーツが振る舞われるアットホームな
クリスマスコンサートがありました。

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クリスマスイブ当日に生まれた聖美さんの演奏するSax。
なじみ深いクリスマスの曲や、何度も聴いたピアソラも、
そのような聖美さんの誕生日を兼ねた演奏は、
とても暖かく、会場のみなさまには勿論のこと、
家族や友人への愛情をも感じる、
心あたたまるコンサートでした。

終演後に、聖美さんのファンのお一人、Tさんに、

 先程、曲名を作田さんがマイクで説明している時、
「ホーリーナイト(聖夜)を演奏します。。。」は、
 ほりーさん(私のことです)に捧げる、という意味に取れて、
「ほーりーナイト(ほりーさんの夜)を演奏します。。」
 と、ほりーさんには聞こえませんでしたか?

と、声をかけられ、

「そういうことは、早く教えて(気がつかせて)下さい(笑)」

と談笑してはいたものの、
いつも仕事が大変と、口にしている私(ほりー)への
応援歌を頂いたようにも思え、感謝の言葉をお伝えしたくも、
お話するタイミングを相変わらず逃してしまい、
結局は何もお伝えすることができず、
写真を1枚、ご一緒させて頂きました。

寒いクリスマスイブの夜ではありましたが、
心がほっこりと暖まる素敵な演奏でした。

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Vol.1、Vol.2、Vol.4 と、3回に渡り、
ブログの記事にもしておりますのは、
「音の方舟」のコンサート。

「音の方舟」Vol.3の公演は、このブログでは、
記事にする機会を作れなかったのですが、
情熱を感じる赤の素敵なステージ衣装を纏っての、
「カルメンファンタジー」は、メンバーへの信頼と、
聴衆への感謝と愛情を感じる演奏で、
テクニックの素晴らしさ以上に、感情の豊かさを感じる、
大人な雰囲気の聖美さんの演奏でした。

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終演後、この日は冷たい風の吹く、寒い夜ではありましたが、
コートを羽織りながらも、メンバー全員で、
帰り際のエントランスに集まって下さり、
本公演のチラシ原稿に利用した生写真に、
メンバー全員のサインを添えて、
先日の「応援歌」に引き続いての、
「応援画」(写真とサイン)を頂き、
心あたたまる家路へと見送って下さいました。。。

この後の、音の方舟Vol.4は、前回の記事でご紹介してます。
(関連記事: 音の方舟 Vol.4 

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旧奏楽堂は、国の重要文化財として、
国立東京藝術大学の膝元、上野の森に、
現役の音楽ホールとしてその姿を残しています。
かつては、滝廉太郎がピアノを弾き、
山田耕筰が唱った由緒ある音楽ホール、
日本最古のパイプオルガンのあるホールです。
耐震改修工事のため、しばらくのお別れとなりますが、
その前に、聖美さんの演奏を、しかも、大正ロマン感じる、
雅な和装での演奏を聞くことができました。

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和装での演奏は、
作曲家で東京藝術大学を首席でご卒業後、現在は、
母校で教鞭も取られている青島広志さんの提案で、
青島先生の巧みなトーク中には、笑いがありながらも、
その曲の深い理解を伴う説明や、旧奏楽堂の思い出も。。。

旧奏楽堂のパイプオルガンは、青島先生が学生の頃、
予算不足で放置されていたこともあり、そのときは、
鳩(ハト)が住み着いていてたそうです!

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旧奏楽堂には空調が完備されていないこともあり、
演奏中に、音楽ホールの窓越しから聞こえるのは、
「鈴虫の声」。。。それがなぜか、耳障りなことがなく、
聖美さんの奏でるクラシック・サキソフォンの音色に
聞こえてくる鈴虫の声が、それに雰囲気を添えてしまうのが、
何とも不思議でした。。。
選曲も時代を感じる作品だったこともありますが、
鈴虫の声をも魅力の一つに取り入れてしまう
聖美さんの演奏に、新たな魅力を感じた一夜でした。

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秋の深まりが銀座にも訪れようとしていた11月に
20名程度がくつろげる会員制ラウンジでのコンサート。
聖美さんの演奏を間近でじっくりと1時間ほど、
心ゆくまで聞かせて頂ける機会がありました。

Diners Club Artist Support Program

東京藝術大学の佐野教授によるプロデュースで、
新進気鋭の若きアーティストを支援するプログラム。

今年、新たに銀座にオープンした
ダイナースクラブ銀座ラウンジは、
銀座アルマーニタワーにあります。
ここはダイナースクラブ銀座の専用ラウンジですが、
ダイナースクラブプレミアム会員であればOKとのことで、
幸いにも席をご用意できるとのご案内でした。

銀座アルマーニタワーは、ブラックを基調としたデザイン。
アルマーニでのお買い物は(私には高くて)できないので、
まっすぐラウンジへ向かうエレベータへ向かうものの、
ショップでのお買物はしなくとも、
満面の笑顔でエレベータへとエスコートして下さる
アルマーニのスタッフにまずは感動。

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ラウンジに着くと、コンシェルジュの案内でラウンジ内へ。

そこには、既に多くの人が準備を始めていると思ったら、
この日は、取材撮影があるとのことで、
多くのカメラマンが忙しく準備を進めておりました。

ビデオ機材にステージ正面はお譲りして、
この日は、真横から、
聖美さんの演奏を聞く位置に座ってみました。

最近のコンサートですので、少し詳しくご案内しましょう。

プログラムは充実の1時間。

ブートリー:ディヴェルティメント
ゴーベール:マドリガル
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より “月の光”
デュクリュック:ソナタ 第1,2,4楽章
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァ―ヌ
ショパン:ワルツ op.64-2 嬰ハ短調
ショパン:エチュードop.25-11 イ短調 “木枯らし”
ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー

ステージに現れた聖美さんが演奏を始める前に、
聞こえてきたのは、聖美さんの、小さな、ため息、、、

1曲目を終えて、聖美さん自らの説明によると、
ロジェ・ブートリーのディベルトメントは、
作田聖美さんの東京藝術大学入学試験時の課題曲だったそうです。

更には、聖美さんは、作曲者のブートリー自らの伴奏による
コンチェルトも演奏したことがあるそうで、
その時の感動と体感を、あますところなく語ってくれました。

緊張感と集中力からの無意識な、この「ため息」は、
演奏する曲想に連鎖感を感じるものがあり、更には、
ブートリーへの敬愛の念を表しているかの様でもありました。

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この日は、ピアニストの粥川愛さんとの共演。
粥川愛さんのピアノソロも勿論、披露されまして、
私は初めて聞く粥川愛さんのピアノでしたが、
妥協しないピアノの響きへの追求、、、いえ、
探究心を感じる真剣勝負の素晴らしい演奏でした。

そして、この日、圧巻ともいえるプログラムは、
フェルナンド・デュクリュックの「ソナタ」
聖美さんによると、東京藝術大学の卒業試験に選択した曲。
そして粥川愛さんとの初めての出会いであり、
思い出の深い曲とのことです。

ソナタということで、ピアノとサキソフォンの素晴らしい
取り合いの曲想で、曲をよくよく理解しているかこそ、
お二人のポテンシャルの高まったときに表れる
美しい和音が印象的で、演奏後はブラボーの発声が出る程の
素晴らしい演奏でした!(本当に!!)

プログラムの合間のトークにて、
「クラシック・サキソフォン」の説明をして下さり、
サプライズ?演奏として、ボレロのサキソフォンSoloを
アルトサキソフォンで披露して下さいました。
しかも、その演奏が実に素晴らしい。。。
聖美さんらしいサウンドとは、このこと!ともいえそうな、
聖美さんの代名詞的なボレロの演奏でした。

アンコールにリベルタンゴを披露して下さいましたが、
テイストがいつもとは違う、それこそ「一味」違う演奏。
粥川愛さんの巧みなリズム感が、タンゴであることを、
ありあり表現されていながらも、しつこさのないリズム感が
作田聖美さんの流麗さと、しなやさと融合して、
とても素晴らしいアンコールの披露で幕を閉じました。

予定の1時間を大幅に過ぎてのコンサートでしたが、
どの演奏もが素晴らしく、作田聖美さんも粥川愛さんも
そのコンサートを自ら楽しんでいる様子が伺え、
それが心地よい音色となってラウンジに響いておりました。

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来場者も会員制ラウンジの20名という贅沢な空間の中、
終演後には、出演者とゆっくり談笑されておりました。
私も終演後、まずは聖美さんに話しかけましたところ、
「ほりー(実際は本名)さん?(来ていたのですか?)
 全然、気がつきませんでした、、、
 どこに座っていらっしゃたのですか?」
と、ラウンジ内、20名程の中でも、
私の存在に気づいてもらえなかったことに
少々ショックを受けまして。。。^^;
改めて私の存在の薄さを自分自身で感じつつ(笑)、
聖美さんのお隣にいたピアニストの粥川愛さんに、
まずは感想をお伝えします。

ポーランドに在住しながら磨いたピアノには、
厳しい冬を現地で体感したこらこそ感じる
凍り付くような緊張感、秋から冬を迎える想い、
暖かな春への憧れ、そのようなものが言わずとも、
粥川愛さんからのピアノからは感じられるのでした。

この日はアコースティックなグランドピアノが用意できず、
高機能な電子ピアノによるピアノ演奏ではありましたが、
その響きに限界はあるものの、演奏前の入念な音出しで、
そのピアノのポテンシャルを計り、本番では、
妥協の一切ない素晴らしいピアノ演奏をされていました。

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ラウンジの演奏スペースの後ろには、
ガラス越しにアルマーニタワーのお洒落なガラスの
シースルーエレベータが2台走行していて、
演奏中もエレベーターが曇りガラス越しにですが、
アップダウンしているのが自然と目に入ります。

普通であれば、目障りに思うはずなのですが、
そのエレベーターのアップダウンが、
演奏されていく音楽のリズムと合う時もあれば、
タイミングが見事に外れてすれ違う時もあり、
それがアコースティックな響きと、
現代のエレクトリックな時代の流れと波長とが
クロスしている面白みと味わいを感じ、
それは、アコースティックなサキソフォンと、
エレクトリックな電子ピアノとの響き合いや、
エレベーターとのリトミックな面白みを感じたことも、
粥川愛さんに感想としてお伝えしました。

その間、他のお客様とお話をされていた聖美さんも、
その後、気を利かせて私の方に来ようとして下さいましたが、
無意識に機転の効くところはさすがで、
周囲の雰囲気を大切にすることを察して、
来場者のみなさんと一緒に談笑することになりました。

演奏会場でお伝えできなかったときには、
聖美さんにお伝えしたいこと(感想)をメールで送るのですが、
聖美さんは、いつも丁寧に返信して下さったり、
ポストカードやレターで感謝の気持ちを返して下さいます。

そんな聖美さんの心遣いは、演奏のみに留まらず、
音楽は人をやさしくするエッセンスがあることを、
いつも聖美さんのSaxから感じている私です。

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本記事の文中に、聖美さんのコンサートは、
雨が降ったり、
暑い日であったり、
寒い風の吹く日が多いとか、
鈴虫の声が聞こえたりとか、
天候や気温、環境に、ジンクスを色々と感じると
書いて参りました。が、
ここまで振り返ってみて思うことは、
それは、実は、ジンクスとかではなく、
自然なスタイルの演奏をする聖美さんに似つかわしい、
「環境」が取り巻いている、もしくは、そのような環境を、
上手に聖美さんが演奏に取り込んでいるからこそかもしれません。

毎回、聖美さん演奏を聞いた後、
コンサート会場の外へ出てみると、
外気の自然な空気が新鮮に感じ、
耳に入ってくる様々な音が、
いい意味で、敏感に、それもポジティブに感じてきます。。。

冬に風を感じても、寒いとしか思わなかったり、
夏に暑い日が続いても、うっとうしいだけだったり、と、
高層ビルのせわしない都会で、
忙しい日々を過ごしていると、
つい、空を見上げる機会も、少なくなってしまいます。。。

どんなに忙しくとも、森羅万象、感じていたいです。。。

「作田聖美」さんの演奏を一言で語るとすれば、それは、

「森羅万象」

 そのものではないかと思います。。。

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みなさんも、作田聖美さんの、
 森羅万象、感じる演奏を、
  ぜひ機会を得て聞いてみて下さいネ!

(↑参加してます↓よろしくお願いします♪)

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