こんにちは!
最近また花粉にやられている良玄です
新型コロナウイルスも勿論こわいですが
花粉も猛威を奮ってないですか
調べたらどうやらこの時期はイネ科らしく
お米にお世話になっている身としては恐縮ですが
なんとか収まってほしいものです
アレルギーの薬も飲んでいるのですが
眠気との闘いにもなっております
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さてそんな今回のテーマは
焼香は何回すればいいの
です
久しぶりに私達僧侶がよく聞かれる
仏教あるあるを紹介したいと思います
葬儀や法事や月参りなど
仏教のお参りでは焼香は付き物かと思います
そんな焼香のやり方について
葬儀会社のリーフレットや仏教本などで
よく紹介もされていますが
本当によく聞かれるのがこの質問です
焼香は一回でいいのか
抹香は額まで上げるのか
さらにはお線香は何本立てるのか
作法としても気になるところかと思います
そしてズバリその答えは・・・
仏教の教えでは決まっていない
であります
要するにお経に焼香を〇回しなさい
お線香は〇回立てなさい
という文言は書いていないわけです
この焼香の数については
どちらかというと慣習や文化に近いもので
その土地柄や宗派によって色々と別れています
ですのでコレという正解がないのです
そもそも仏教の教えの根本は
”正解”というものはありません
例えば禅の悟りというものも
これが悟りである
なんてものは一切なく
各々の経験によって得られるもの
としか言いようがないのです
教えを学ぶことは勿論大切なのですが
仏教は何よりその教えに基づいて
行動をしたときに得られる智慧
に重きを置いています
「腑に落ちる」とか「腹に落ちる」
といった具合に
なるほどと自分で納得するところが仏の智慧であります
焼香は最初の一回は仏さま
二回目はご先祖さま
そして三回目は自分自身に
など色々な教えがあります
どれも正解でもなく間違ってもいません
各々の地域や家庭に伝わってきた教えも大切であり
その心を伝えていくことも仏教の教えです
焼香の回数に正解はない
けれどもその回数を伝えてきた心は大切にしたい
というのが仏教側の答えであります
私が修行した道場の老大師は
必ず一回だけ焼香をしていました
けれどもその一回は重々しく
ただならぬ気配を感じていたように思います
(お線香も基本的には焼香と同じです)
そもそも焼香で大切なのは
その回数ではなく
なぜお香をお供えするのか
であります
元来お香などの香りを生じるものは
神聖なものとされていました
神社などに樟(くすのき)が多く繁るのも
虫などを寄せ付けない
防虫剤などに使用される樟が
聖なる力を秘めていると考えられたからです
また仏さまは香りを好まれるということから
仏教の行事では必ずお香をお供えします
さらに例えば平安時代の貴族は
自分の想い人に宛てた手紙に
自分好みの香りを忍ばせた
とも言われます
香りによって
自分が相手を想う気持ちを伝えたわけです
今でこそ手軽に手に入るお香ですが
昔は大変高価なもので特別なものでもありました
そんなお香を無償で与える
そこに仏教の相手を思いやる慈悲の心
他人の幸せを願う布施の精神が備わっているわけです
つまるところ焼香というのは
大切なものを無償で分け与える布施行
であります
相手を慮る心が行動で表されたのが焼香です
ですので沢山分け与えてあげたいのであれば
沢山焼香をすれば良いですし
その場に赴いて自ら香りをお供えすることに
大いなる意味があるわけです
代わりに焼香をしたり
線香を立てる代行サービスなどがありますが
それこそ本末転倒であり
それぐらいならがやらなくても良い
というのが仏教の答えかと思います
お葬式などの際に包む「香典」も
まさに香りを「供える=典じる」の意味からきています
現代ではお香を持参する人は少ないので
現場のお香を使わせてもらう代わりに
現金を包んで渡すというわけです
焼香とはまさに
今は亡き大切な人をおもてなすこと
その心を忘れないことが
焼香で最も大切なことであると思います
7月から8月にかけては
お盆行事の真っ盛りとなります
今年は新型コロナウイルスの影響で
お盆の行事もなかなか通常通りにできないかもしれません
けれども故人や仏さまが無くなることはありません
今の自分のいのちに感謝をするのであれば
そのいのちを与えてくれたご先祖さまに
お香をお供えすることだけは欠かしていけないのかと思います
良玄合掌
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