娘が「痛いー」と泣き叫んで起きた。
朝5時頃の事である。
慌ててベッドに行くと泣いていた。
また、いつもの外耳炎になったか・・と思い、朝8時を待ってかかりつけクリニックに電話した。
ここがイギリスの不便さである。
耳鼻科に行って診てもらうという事が出来ない。
まずはかかりつけ医師のいる診療所に予約を取り、「今日は全く空きがない」と言われたら「子供の痛みを明日まで待てと言うおつもりか?1分でも診てもらえないか?ワガママは承知ですが、どうかどうか・・お願い申し上げまする!!」と喧嘩せねばならない。
が、幸運にも朝10時にキャンセルが出たとの事で入れてもらえた。
しかしながら「5分のみですよ、診察可能な時間は」と受付のババアから不愛想に言われるも、行けないよりはマシである。
丁寧に礼を述べ電話を切り、娘を連れて行った。

行って待つ事30分、やっと順番が来た。
初めてみる若い男性医師で、バリバリのスコットランド英語で話す医師だった。
ヤバい・・私、分からんかも・・
医師は驚くほどにゆっくり丁寧に自己紹介をされ「僕の英語は分かりますか?」と娘に聞いた。
娘は「先生はスコティッシュでしょ?」と聞いた。
医師は「正解!僕の英語分かる?」と笑った。
娘は「はい、とても分かりやすいスコティッシュアクセントなので分かる」と言った。

娘は耳の診察を受けながらも医師に「先生、どうしてそんな事を聞いたのですか?スコティッシュアクセントが分からない人がいるから?」と尋ねた。
医師は「患者の半分は問題ないと言ってくれるのだけど、半分の患者さんは僕の言っている言葉が分からないと意見を言う人がいるから、僕は出来るだけハッキリゆっくり話すように心がけているんだよ」と説明して下さった。
何か切ない・・
この医師は凄いなと思った。
子供にさえ、きちんとそれを隠すことなく話して下さるという気持ちが凄いと思った。

結局、外耳炎ではなかったので一安心である。
診察のあと、娘を学校に送って行った車内で「先生、スコティッシュアクセントやったけど、問題なかったね。お母さんの英語は英語として正しくないけど、その英語でも友達が出来て良かったね。お母さんは、もう英語の上達は諦めたんやろ?」と娘が言った。

一瞬、傷付きかけたが、笑ってしまった・・
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