料金は把握してるけど、通信量は把握してる?

 

ITmediaの記事に、 毎月の携帯電話料金、大手3社ユーザーは平均8312円 通信容量は7GB以下が過半数てのがありました。

 

MMD研究所はこのほど、「通信サービスの料金と容量に関する実態調査」の結果を発表したそうです。

記事によると・・・

 

 調査によると、毎月支払っている通信料金を把握しているのは全体の81.3%。支払っている通信料金の分布に関する調査では、大手3社利用者の場合「4000円~5000円未満」が12%で最多。格安SIM利用者の場合は「1000円~2000円未満」が33.6%で最多だった。

 契約中のデータ容量プランについての調査では、「小容量(月間7GB未満)」が61.4%、「中容量(7GB~20GB未満)」が7.7%、「大容量(20GB~)」が16.1%という結果になった。

 

だそうです。これだけ見ても、キャリア契約者と格安SIM契約者の通信料金の違いが明確にわかりますね。

 

契約中のデータ容量プランについて、「小容量(月間7GB未満)」61.4%と半分以上を締めているわけですが、小容量契約者の方々ならば、サブブランドやMVNOに移行すれば確実に料金が安くなると思うのですが、それを行わない方が大多数です。

 

中の人が思うに、ケータイ料金は把握しているけど、毎月の通信容量は把握していないキャリア契約者の方が多いと思うんです。

 

考えてみれば、多くの方が毎月かかるお金を把握していますよね。家賃がいくら、食費がいくら、光熱費がいくら等々。同様にその中に「ケータイ料金がいくら」と毎月確実に予算組されているので、その予算内でまかなえているのであればヨシとお考えになってる方が多いということでしょう。

 

なので、毎月何GB使っているのかまで把握する必要がないのだと思います。だとしたら、乗り換えるという気も起こらないのも理解できます。

 

本日、別記事にて 武田総務大臣、大手値下げと乗り換えハードル撤廃で「MVNOに一番恩恵ある」 との記事があり、総務大臣が以下の発言をされたようです。

 

貴社からの問い

「大手3社の値下げが先行すれば、新規参入の楽天モバイルや、割安な価格で提供してきたMVNOへの影響は避けられないのではないか、その結果、大手3社の寡占化を後押しすることにならないだろうか。」

 

大臣の回答

「大手3社の寡占化を後押しするわけはない。この異常な環境を正常化するために努力している。MVNOが犠牲になるという指摘だが、とんでもない。乗り換えにともなう全てのハードルを取っ払おうとしている。一番の恩恵はMVNOの皆さんに来る」

 

(゚Д゚)ハァ?

 

すいません。中の人は日本語が不得手なようで、大臣の回答が「ちょっと、何言ってるかわからない」状態なのですが、理解できる方はいらっしゃいますか?

 

前述の通り、キャリアの契約者の方々がケータイ料金は把握しているけど、通信容量を把握していない場合、乗り換える理由がないことはお話しました。

 

仮に、キャリアが値下げを行った場合、そういった方々が積極的に移行するでしょうか?移行する訳ありませんね。現段階で毎月のケータイ料金が予算組されているのですから、ただでさえ移行するつもりがないのに、それが勝手に安くなったらもっと移行する理由がなくなります。

 

「あ、なんか勝手に安くなってる!ラッキー!」

 

てなもんです。これは現在MVNOを利用している層にも影響が及びます。「MVNOはなぜ安いのか?」という根本的な問題を考えるとわかりやすいでしょう。MVNOが安いのは「安かろう悪かろう」だからです。

 

店舗がほぼないですからサポートはメールや電話のみですし、キャリアから借りた回線にユーザーを詰め込んで儲けるビジネスモデルですからお昼などのピーク時には通信速度が極端に低下します。

 

なので、MVNOの契約者はそういった不便や遅い回線を安い料金と引き換えに我慢して使っているわけです。

 

これがキャリアが値下げして、MVNOと毎月1,000円くらいしか違わなくなったらどうでしょう?

サポート最悪、通信速度激遅のMVNOを無理して使い続けるでしょうか?

 

こういった現状を大臣は理解しているとは思えません。現状を理解している記者から出た質問に対する回答ではないですよね。

 

報道ベースで決定ではないですが、ドコモがサブブランドを作って、20GBを月額3,000円程度で出すというような話もあります。もしこれがホントなら当然ながらサブブランドもMVNOもかなりの打撃を受けますよ。

 

大臣様には、現状をしっかり把握して適切な施策を実行していただきたいものです。