熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

映画 凪待ち

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香取慎吾主演、白石和彌監督作品のヒューマンサスペンス映画「凪待ち」を鑑賞

白石監督に作品の好きな僕にとって、今回の作品は上位に位置する作品です。何が良いかと言うと、白石作品の中で人間的な重厚感が強いこと。そこは、たぶんクライマーズハイで知られる加藤正人の脚本も影響しているかと思いますが、娯楽性を一切廃した点です。

物語は、ギャンブル好きの印刷工の香取演じる木野が、同棲中で引きこもりの高校生を持つ西田尚美演じる昆野亜弓の父が末期がんになり、故郷の石巻で同居するところから始まります。ギャンブルをやめ、新しい生活をスタートした中で、娘とのいざこざが原因で、亜弓が殺害されます。誰が犯人か、余命わずかの父と同居中の娘との間で起こる様々な事件を通じて、木野の崩壊と再生のドラマが展開されていきます。また、犯人の動機が明らかにならなかったところも、作品の余韻として生かされてます。

勘が鋭い方は、犯人はだれか想像がつくと思いますが、逮捕までに至る経緯が木野の動向を通じて描かれていて、そこがとても惹かれます。木野を演じた香取の演技も今までにない迫真の演技で、香取の役者魂が引き出されているようですばらしいです。これから香取が俳優としてキャリアを積んでほしいと感じる作品です。脇を固める俳優陣も、白石組の常連であるリリー・フランキーに、父親役には若松組の吉澤健、亜弓の元夫に音尾琢磨と実力派の俳優陣が脇を固めているのも、この作品に重みを増す要因となっていました。

かなりの勢いで作品を作っている白石和彌。どこまで走り続けるか見物ですが、そんな中で傑作、秀作、駄作と様々な評価が生まれると思いますが、そんなことは気にせず様々な作品を今後も作ってほしいと思います。そんな彼にとって、香取慎吾の存在は、一段と増していくのではないかと感じています。

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