ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ホトトギス

2020年07月11日 | 文学

 ようやっと、土曜日を迎えました。
 
 朝は6時に起きて朝風呂。
 そして朝飯。
 朝酒といきたいところですが、そこはぐっとこらえて散歩に出かけました。

 帰宅して、ゆっくりと、熱い珈琲を飲みつつ新聞を読みました。

 もうすでに来ていると思われるコロナの第2波やら、習近平の国賓来日の話だとか、ろくなニュースはありません。

 新聞に触れて、この世は苦しいことばかりなのかと嘆きます。

 苦しいと言えば、精神病に悩まされていた頃、寛解にいたればすべてが薔薇色になると信じていました。

 そんなはずがないのに。

 病的な状態が普通に戻るだけで、普通とはかつて私が住んでいた苦界であり、そこに戻るだけのこと。

 味気ない仕事と味気ないマンション暮らし。

 花を愛でることも鳥の鳴き声に心躍らせることもありません。
 まして歌心など。

 夏草は 茂りにけれど ほとぎす などわが宿に 一声もせず

 新古今和歌集に見られる短歌です。

 今、夏の気配は濃厚になりつつあり、しかし私の住むマンションにはホトトギスの声も聞かれません。

 古人の嘆きの歌が、私の心を揺さぶります。
 季節を重んじ、季節を詠ってきた我が先人の。

 夕方、月に一度の精神科の診察があります。
 寛解に至ってなお、ホトトギスの声が聞こえない私を、慰めてもらいましょう。


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