私は美術館に行った折、気に入った絵があると絵葉書を購入します。
展示図録などは重いし高いし、何より好きになれない絵も多数掲載されているからです。
最近、溜め込んでいた絵葉書を、自室の壁や書棚の壁面に貼りつけ、それを眺めながらお香をたいて独り、悦に入ることが多くなりました。
それらお気に入りは、大体幻想的なものか抽象的なものです。
私が幻想的な絵画や文学、映画を好むところ、人後に落ちるものではありません。
同居人はそんな密やかな楽しみを得た私に、なんか、新興宗教みたい、だとか、浮遊する絵が多いね、君の人生と一緒だ、などとほざきよります。
一ヶ月ちょっと前に薬の調整があってから、なんとなく調子が良くなり、おかしなことを始めたように見えたのでしょう。
しかし私に言わせれば、それが本来の私であって、何も現実逃避をしているわけではありません。
夜をそんな風に過ごすため、最近は呑まない日が増えて、肉体と精神双方に良い、一石二鳥の循環です。