《盲目の男たちと象》真理とは・・・

メールマガジンvol.302 コラムより  

《盲目の男たちと象》真理とは・・・

これは『群盲象を評す』という題目でも知られるインドの逸話で、アジア圏の様々な宗教で教訓として取り入れられています。

 

６人（７人とか１０人という場合もある）の盲目の男たちそれぞれが象の鼻や牙や足など別々の一部分だけを触り、その感触について話し合うお話。   

 

象とはかくかくしかじか・・・と語るわけですが、触った部分によって感想が異なり、それぞれが自分の感想が正しいと主張します。   

 

このお話で盲人同士がそれぞれ違う部分を触れたということがわからなかったため、お互いの言い分を主張して対立します。
 

しかし違う部分を触れていたことを知って対立は解消しました。

 

この時、私は象を「真理のようなもの」として例え話で講座でも触れます。   

 

様々な宗教や教え、占い師やカウンセラー・セラピストなどのの言葉や表現、講師や先生と呼ばれる人達の教えや説明というものは、盲人が触れた部分のように、同じものを指していながら違った表現になっていると私は思います。   

 

「象とはなんですか？」という問いに、
ある人は《木の枝のようだ》
ある人は《壁のようだ》
ある人は《扇のようだ》
・・・   

だから、木の枝のような感触が象だと思っていたらそれを前提に人へ伝えます。 それを語る人がその時点で知っていて信じているものの範囲でしか伝えられません。

 

どれも間違っていないけれど、どれもそれが本体を指しているわけではない。   

 

真実の多様性はもちろんのこと、真理とはとても大きくてつかみどころがなく、その人の分かる範囲でしか物事を計れないものです。   

 

ですから、あの占い師はこういっていたが、この占い師はこう言っている。

 

あっちはまちがいでこっちが正しい・・・かどうかは誰にもわかりません。

 

あの占い師は象の足しか知らないかもしれない、
この占い師は象の耳しか知らないかもしれない。
 

結果は実は同じことを指しているけれど、表現される内容は違って聞こえる。   

 

よほど悪質な場合は別として、結局は言われたことに対して
自分がどう感じ、何を選択するか、選択を信頼するかどうか。 

 

 

同時に、伝える側のほうは、象の足も、耳も、鼻も、尻尾も
胴体も・・・とより広く知り、理解し、成長していく大切さもあります。   

 

どちらにも言えることは、自己探求と自己認識を高める努力。
それも楽しみながらできるとなおいいですね。