機械式時計と煙草でブログ！

　G.L.ピースの煙草を吸うのは、ちょっと久し振りのような気がします。今回は「ガスライト」です。G.L.ピースの煙草に関しては、その緻密な喫味にいつも感心するのですが、今回のこのラタキア物についてはどうでしょう。開けてみましょう。

　開封時の香りは、油脂分多めのナッツ系の香りに、ラタキアの腐敗臭が少々、それと何かの薬草のようなスパイシーな香りが混ざっています。ちょっと不思議な香りです。カットは、25mm×23mm×58mmくらいのクランブルケーキ或いはプラグと呼ばれるような塊で、缶にはそれが二つ入っていました。湿気は強めに感じます。

　この塊からナイフで適度な量を切り出し、指で良く揉んでからパイプに詰めます。今回は火皿内径20mmのパイプを使用しました。それで着火しますと、やはり何かの薬草もしくは生薬のような香りに少しのラタキア臭が混ざった香りが来ました。嫌なラタキアの臭みが少なく、薬草っぽい匂いは嫌らしくないので、トータルとしては不思議と悪くない匂いです。味の方は、非常に円やかでマイルドな出汁系で、油脂分多めのナッツ系の味のようにも感じます。ラタキアの旨味もはっきりと感知出来るものの、中心は深めの熟成が効いたバージニアとオリエントのようです。そしてその香りと味には、やはりG.L.ピースらしい緻密さというか、非常に注意深くブレンドされた細かさを感じます。

　火付きと火持ちは良くありません。今回は普通の硬さの感じで詰めたのですが、少し緩めにした方が良かったかも知れません。特に火持ちの悪さは、このブログの文章を一行書くためにパイプを置いている間に、直ぐに立ち消えしてしまう程です。ただ、再着火の際に強めに燃やすと、途端にラタキアの臭みが強くなってしまうので、少々燃え難いくらいの感触で細々吸うのが良さそうです。

　喫煙中盤以降も喫味は変わりません。角がなく、マイルドな旨味とコクで吸わせる喫味です。バランスが非常に良く、ラタキアの臭みを意識させない上手いブレンドだと思います。この辺は、流石のG.L.ピースです。

　喫煙終盤も喫味は変わらず、そのまま喫煙終了。後味には円やかな旨味が残り、残り香は薬草＋微かなラタキアという感じでした。
　全体的に見て、円やかでマイルドな旨味とコク、オイリーでナッティーな味、ラタキアの嫌な部分を意識させない上手いブレンドと、流石G.L.ピースだと感じさせる煙草だったと思います。特に序盤は燃え難さがあって、ちょっと面倒な部分はありますが、こういう上手いブレンドなら、それも納得出来るでしょう。

　価格が高いので、常喫という訳には行かないかも知れませんが、ラタキアに抵抗がない方であれば美味しく吸える煙草だと思います。


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