犬の散歩をしてる人がさ、
おしっこを排水溝にさせているところをよく見る気がする。
その後、ペットボトルの水をかけてる。
たぶん、躾けられてるんだと思う。
排水溝におしっこすれば、汚れがたまりにくい。
そういうマナーがあるんだと思う。
まぁ、犬を飼っていない人からすると、家の壁なんかにおしっこされるのはたまったもんじゃないしね。
でも、犬的にはどうなんだろうな、ってことを考えてしまう。
犬のおしっこってさ、マーキングじゃないの？
主たる目的が排泄の時もあるけど、大体はさ、マーキングじゃないの？
臭いを付けて、縄張りを主張してるんじゃない？
ほら、犬同士すれ違うと、親の仇のように吠え合うしさ。
でもそれが、排水溝におしっこしてると、マーキングの役割を果たせなくない？
「俺の縄張りだぞ！」って主張出来なくない？
躾の結果、そもそもおしっこする意味が失われているのでは？？
犬は実はさ、戦略的に陣取りゲームをやっていて、
「まずはあの電柱にマーキングして……次は公園にマーキング。
こうしておけば、3丁目の道路の左右から俺の臭いが門番的に感じられて、そこからの侵入者が減らせるはずだ。」
みたいな感じで、自分の縄張りの防御を固めてたりしないの？
それが排水溝におしっこしてたら、全然意味なくない？
「あれ？俺の臭い消えてる？」って翌日不思議がるのかな。
門番フケてんじゃん。
あれだけ必死に毎日散歩をねだるということは、この縄張り争いに負けたら何かしらのペナルティがあるんだろうか。
それとも、文字通り、負け犬となることを恐れているのか。
「負けらんねぇ！」
「俺のテリトリーは、俺が守る！」
牙を研ぎ、プライドを守る闘いに赴く戦士たち。
そう意気込んでマーキングするけど、排水溝に吸い込まれたおしっこは臭いを残すことなく消える。
さらにその上から、飼い主が水で洗い流す。
「ご、ご主人様～！」
ウチのご近所さんは、お散歩マナーが良い人が多いので、同じような哀しみを抱えて犬たちがいっぱいいると思う。
マーキングしたそばから、臭いを消される犬たち。
そのうち、マーキング自体をやめるんじゃないかな。
根負けして、もういいや、って。
縄張りとかない、って。
みんなで平和にやろうぜ、って結託する日は近い。
排水溝に、おしっこしてるんだもん。
半分、納得してるよね。これはもう。
最終的に、犬同士すれ違うと、軽く会釈とかするようになります。
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