NHKニュースです。(都バス運転手に脳の検査義務づけ)おそらく金曜日のこの番組も影響しているのかもしれません。(バス運転手が気を失ってしまったら…

>「同僚に(脳腫瘍が)見つかって早期発見して手術をし回復した。ドライバーにとって、安心だと思います。」

この一例での有効報告。まさに健康食品、これを食べたら調子が良くなったのレベルです。学問としてのエビデンスレベルは最低のものです。

さなざまな病気で考えます。

前回横浜で生じたバス事故は睡眠時無呼吸症候群が疑われていますが、これは脳MRI検査ではわかりません。

また一般的なてんかん(免許制度の根幹ですが)も脳MRI検査ではわかりません。そして初発はいつ起こりかは予想できません。

高血圧で生じる脳出血もよほどのことがない限り脳MRI検査では事前にはわかりません。(高血圧管理、動脈硬化管理など問診、治療は一部有効)

くも膜下出血はまだ予防の意味がありますが(動脈瘤の確認;脳ドックの最初の目的)、手術の意義は価値観の関係上難しい問題です。

また脳腫瘍も、3年に1回の検査がどれだけ適正なのか、腫瘍の発育形式を考えると明らかに学問的、経済的に非効率です。(検査後腫瘍ができて2年後ぐらいに症状が出たらこの脳MRI検査は事故の予防という意味がないものになります。)

以上のように本当に病気の発見においても効率のいいものではありません。

3年間に1回のバス運転手の脳MRI検査の義務付け。正直これで事故をどれだけ予防できるのか都はどのような説明を専門家から受けたのでしょうか。いや都に説明した専門家は誰でしょうか。検査をしていたら様々な病気を全て早期に発見でき予防対処できるという医学的な不可能な対応を肯定した方は誰でしょう。

レベルの低さを表しています。本当脳MRI検査という予防という意味で効率の悪い検査を税金を使って行い、結果はともかく運転手の安全管理をやってますよというポーズを表明するだけ、都の方針は本当できの悪い施策です。(まあ他にもレベルの低い医学的に意味のない都の政策はありますので仕方ないのでしょうが)

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