2020年03月02日
(243)得意の中に落とし穴
◎ 新規事業はお得意では?
コンサルティングの現場や身近なトピックスから
マーケティングのヒントをお届けする『マーケティング小咄』。
今回のテーマは、新規事業の企画。
我が国において、新規事業を企画して、実際に着手し
成功させた経験のある企業は5%に満たないでしょう。
そして、その一部の企業は、いくつもの
新規事業を成功させているのです。
先日ご相談を受けたのはそうした企業の一つ。
著名な経営者の下、多くの事業を立ち上げてこられました。
当然ながら、新規事業に関して蓄積した社内の知見があり
ご相談されるまでもないのではないか。
冒頭、そんな質問をすると、確かに企画の取り進め方や
進退の判断に当たってのルールがあると言います。
しかし、それがかえって足枷となり
なかなか企画が進まないことが課題とのこと。
実際、企画の概要を伺ってみると自社の独自技術や
既存市場からスタートする手堅い企画。
それをどのように展開し、大きく発展させるかがカギです。
単一の市場で捉えると、規模的にご不満かもしれません。
次元を上げて、より大きな市場分野で捉えれば
市場成長性も技術の進歩も著しい分野です。
時系列的に成長の計画を立てることをご提案。
その場でざっと試算しても、原案の数十倍の事業規模に。
もちろん、それを実行できるだけの企業体力と
事業推進能力をお持ちだからこそのご提案です。
面談後、ご感想を伺ったところ、社内では発想できなかった
新しい視点により、目指すべき方向が見えてきたとのこと。
成功体験が豊富な得意分野だからこそ、それにこだわり
逆に可能性を閉ざしてしまうこともあるのだと思います。
数多くの企業を成功させている某著名コンサルタントは
自社の企画は外部コンサルタントに依頼されると言います。
私自身も、専門分野である新規事業やマーケティング関連の
セミナーを折に触れて受講します。
そこでは著名マーケッターにお会いすることが多々あります。
皆さん、常に進化を続け、ご活躍されています。
現場が何よりの学びの場ではありますが
常に新しい知識を入れる努力は欠かせません。
得意分野だと過信して経験に頼れば、いつしか陳腐化し
発想力も退化することを知っているからです。
さて、件のご相談ですが、企画書を作り直して提案したところ
部門承認を経て、具体的な計画づくりに着手するとのこと。
取り敢えず半歩前進。
ぜひ、ご成功をお祈りいたします。
今日の一言: 強みとて 変化無くして 進化無し
新規事業のご相談、セミナー・執筆のご依頼はお気軽にどうぞ。
AlphaMarketing Corporation
得意を磨けば・・・。