先週の新聞で、日本人の読解力低下を示す調査結果の記事が出ていました。国際比較をすると日本は凋落傾向がみられるという、なかなかショッキングな内容でしたが、この調査を担当されたのが国立情報学研究所の新井紀子教授。この先生のことは、以前、当ブログでもご紹介したことがありました。
以前の該当記事はこちら→https://ameblo.jp/kakuzan101/entry-12441839897.html?frm=theme
読解力は、人間があらゆる知識を得ていく上で、大前提となる大事なものであるはずですが、その重要性については、これまでそれほど大きな議論はなされて来なかったように感じます(単にカクザンが不勉強だっただけかもしれませんが・・・)。近年、加速的に普及が進んだスマホやゲーム機などの影響に原因を求める声などが、あるいは、このニュースの背景にはあるのかもしれません。
さて、読解力ですが、これは将棋上達のためにも、とても重要な能力になります。なぜなら、将棋は先人たちが膨大な試行錯誤をした末に編み出された定跡が、書物などの形で残されていて、これらの定跡を理解するためには、基本的に文字を読む力、すなわち読解力のようなものがどうしても必要になるからです。
逆に、棋士のエッセーなどを読んでいると、まだ小中学生だった修行時代に、師匠宅にあった難しい定跡本などをたくさん目にしていて、学校で習っていない漢字をたくさん読めるようになっていたといった話が数多く聞かれます(そして将棋本以外の本も読めるようになったそうです)。つまり、最初に読解力があったわけではなく、後から読解力が身に付いていくといったパターンもあるということかと思います。
将棋関係者には、教育現場の方もおられ、カクザンが読解力というテーマを取り上げるのは、畑違いかとも思います。しかし、「将棋と読解力」というのは、非常に密接な関係にあると思われ、個人的にも非常に興味を抱きました。当ブログでは、しばらくこのテーマで考察をしていきたいと思います。難しいテーマですが、皆さんも、ぜひ、一緒に考えていただきたいと思います。