11/22(日)の操山こども将棋クラブ(以下、操山教室と表記)で出題予定だった「次の一手」問題を解説してまいります。図1の後手玉には詰みがあります。しかし、初級コースの生徒さんにはなかなか難しい変化があります。分かったでしょうか?
(図1)
図1で、まず目につくのは▲2二金だと思います。この手は、終盤戦でよく出てくる手で、参考図の局面なら成立しています。
(参考図)
○参考図以下の指し手:▲2二金、△同玉、▲4二龍、△3二金、▲3一銀(途中図)、△1二玉、▲3二龍(結果図)
途中図の▲3一銀が後続手で、大盤講座でも説明した「一間龍」(いっけんりゅう)に特有の手筋になります。後手はこの銀に対して△同玉と取ることも、△同金と取ることもできません。
(途中図 ▲3一銀まで)
やむを得ない後手は△1二玉と逃げますが、▲3二龍(結果図)で後手玉は詰みあがります。
(結果図 ▲3二龍まで)
ところが、最初の図1で▲2二金と打つ手には△3三玉(失敗図)と上部へ逃げる手があって、後手玉は詰まないのです。
(失敗図 △3三玉まで)
失敗図は先手にとって大変まずい展開で、王手が、相手玉を安全地帯へ脱出させる「お手伝い」の手になってしまっているのです。「王手は追う手」という格言はこういう手を戒(いまし)めているのです。
次回へ続きます。