BANANAFISH二次小説 「黒猫と14歳のアッシュの出会い(2)」 | BANANAFISH DREAM

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らぶばなですほっこり。14歳のアッシュがもし可愛い黒猫と出会っていたらラブラブ。。。今回はDとのお食事シーンから始まります。一緒にブランチさせて見たかったので。。。きっとご機嫌だったに違いない爆  笑お楽しみ頂ければ幸いです。!


 

「黒猫と14歳のアッシュの出会い(2)」

 

第二章:小さな相棒

 

 

翌日、アッシュはディノの邸宅に呼び出された。近頃呼び出される頻度が増えている。その度に新しい教師が付き、勝手にアッシュにのめり込んだ教師が彼を自分のものにしようと手を出してくる。その繰り返しにうんざりしていた。

 

だが、今朝はディノのブランチに付き合えと手下に言われた。すぐに断ろうと思ったが、ふとあることが頭をよぎって素直にデイノの部屋に向かった。

 

ノルディックサーモンのマリネを切り分け、口に放り込んだ彼を満足げにディノが見ている。久しぶりにアッシュと食事を共にできて嬉しいのか、彼は朝っぱらからシャンパンを飲んでいる。細長いグラスに浮かんだ鮮やかな果物とそれに向かって立ち上る黄金色の泡をうっとりとした表情でしばらく見つめ、ディノはゆっくりと口の中に流し込んだ。

 

 

「今日は機嫌が良さそうだな、アッシュ」

 

アッシュの心を見透かしたかのように言うディノに嫌悪感を感じたが、観察力の鋭く絶大的な力を持つこのマフィアのボスに喧嘩を売っても今は仕方が無い。つとめて冷静にアッシュは答えた。

 

「。。。いつもと変わらない」

 

だがディノはアッシュの言葉を反対に捉えたようだ。微笑みながらも何か探るような視線を送ってくる。

 

「そうか、私の気のせいか? ここのところ随分ふさぎ込んでいたようだったが。。。」

 

どこか芝居がかった、ワザとらしい言い方にアッシュはつくづく鳥肌がたつ。ディノに話したことはないが、この男はアッシュが初恋の女性を失ってしまった事をすでに把握していたに違いない。

 

ディノは分かっていて聞いているのだ。自分を取り巻く環境がもはや自分をまともな世界に戻してはくれないと言われているように感じる。

 

この件に関しては複雑な感情がアッシュを襲う。証拠はないが、ディノの手下が彼女に手を下した可能性もあるからだ。

 

「あんたには関係ない」

 

極力、感情を殺しながら短く答えた。

 

「。。。フッ、まぁ良かろう。今日は珍しいな、食の細いお前が。。。」

 

そう言いながらディノはちらりとアッシュの皿に視線を向けた。普段はどんな豪華なコースであろうと、完食することはなく大半を食べずに残してしまうのに彼は今日、パンのお代わりを求めた。

 

「あんたと違って俺は育ち盛りだから」

 

精一杯の嫌味も、ディノにとっては食事のスパイス程度にしか感じなかったようだ。

 

「ははは、そうだな! お前はもう少し肉をつけた方が良いだろうな」

 

愉快そうに笑い、舐めるようにアッシュの体を見た。眉間にシワを寄せながらアッシュはテーブルクロスをギュッと強く握りしめた。

 

 

***

 

 

午後、いつものように屋敷の裏庭でアッシュは昼寝をしていた。するとどこからか「みゃお!」と昨日の黒猫が現れた。

 

 

アッシュは目を細めて、黒猫の背中を撫でた。黒猫は嫌がらずに気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らし、すり寄ってきた。

 

 

Tシャツの前をはだくとポロっと何かが落ちてきた。

 

「これをくすねてきた。食うか?」

 

それはブランチで出てきたクロワッサンとフランスパンだ。

 

「ミーミー」

 

アッシュを押しのける勢いで黒猫はパンに向かって走ってきた。

 

「ーっと、おまえ、意外とすごい力だな」

 

頭を撫でながら、アッシュはそっと黒猫を抱き寄せた。そして小さな子供に言い聞かせるように優しい口調で話しかけた。

 

「なぁ、おまえ、それ食ったらさっさと出ていけよ。ここには物騒な連中しかいないぞ? 野良猫を見つけたらあいつら、銃撃してくるぞ?」

 

ディノの飼っている血統書付きの猫に、野良猫など近づけてはボスの機嫌を損ねてしまうからだ。

 

だが黒猫はまるで「No!」とでも言いたげに首を左右にふった。

 

 

「なんだよ、人がせっかく忠告しているのに。。。おまえ、相当な頑固者だな?」

 

 

ニヤリとアッシュは笑い、黒猫の顎下を指先で撫でる。

 

 

「今度、猫缶を盗んできてやる。ディノの猫のだから、最高級品だろうな」

 

 

黒猫はアッシュの指に頬ずりしたあと、昨日と同じくアッシュの側に寄り添うように座り込み、目を閉じて居眠りを始めた。

 

 

なぜ自分に懐いてきたのかは分からないが、嫌な気はしない。ギスギスしていた心が少し緩んだことに気がつくと同時に眠気が襲ってきた。

 

 

黒猫の方に顔を向けながら、アッシュは小さな相棒と共に昼寝をすることにした。

 

*続*

 

 

(あとがき)

お読みいただきありがとうございます爆笑!ディノとの飯なんて不味くて食えるかーと思っていたアッシュですが、ふと猫のことを思い出してちゃっかり餌をキープしてあげる優しさラブラブニコニコ よければ小説へのご感想、リクエスト等お聞かせくださいね。

 

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もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM

 

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