BANANAFISH二次創作「俺が叶えたかった望み」7 | BANANAFISH DREAM

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皆さま、こんにちは!らぶばなですほっこり。アッシュのタイムワープ話の続きです。今回伊部さんが登場しますが、細かい設定ど忘れしちゃってるのでおかしなところがあるかもしれません。ご了承くださいませ〜ウインク

 

〜アッシュが英二の高校時代にタイムワープ?〜

「俺が叶えたかった望み」

 

 

 

第7話:伊部との対面

 

 

”間も無く電車は終着駅に到着いたします。。。”

 

アナウンス音と共にガタッと電車が揺れた。伊部俊一は目を覚ました。

 

「ふわぁぁ。。。やっと着いたか。。。さすがに東京からは遠かったな」

 

長時間電車に揺られ、すっかりだるくなった腰と背中を伸ばしながら伊部は車窓の風景を眺めた。

 

のどかな田園風景の奥には小高い山々が見える。家はポツポツと建っているいるだけで人の姿は見えなかった。

 

「思ってた通り、何もない田舎だなぁ。。。でも美しい緑だな。きっと綺麗な風景が撮れるかもしれないぞ」

 

 

大事なカメラの入ったバッグをそっとひと撫でして、彼は電車から降りた。

 

伊部が東京からわざわざ遠い田舎までやってきたのは、ここに住む高校生に会うためだ。たまたま目にした陸上競技のインターハイで伊部は「奥村英二」という選手に目をつけた。目立つ華はないし結果は残念ながら2位だったものの、 なぜだか彼に惹かれてどうしても彼を撮りたいと思った。伊部は彼の母校に許可を得て出雲にまでやってきた。

 

 

「なんか懐かしい風景だな。。。」

 

古い建物が並ぶ街並みを歩きながら彼の母校へと向かう。登り坂に少々汗ばみながら伊部は首から垂らしたストラップ付きのカメラを手にして、時々撮影しながら進んでいく。

 

 

(奥村くん。。。どんな子なんだろう。楽しみだな)

 

 

ブラウン管越しに見た彼はその大きな瞳のせいか、まだ幼さの残る印象だった。彼は優勝を逃してガッカリするよりどこかアッサリしていたのを思い出す。

 

実際はどんな性格なのだろうかと伊部は思った。彼を見ていると、なぜか直接会って彼をもっと見てみたいと思った。なぜかはわからないが、中途半端な自分でも彼に何か出来るかもしれないという想いを抱いていた。伊部の”武器”はカメラだ。撮影を通じて彼の内面をもっと見てみたい、彼の魅力を引き出したいと思っていた。

 

 

校舎は丘の上に建っていた。

 

 

「ふぅ、ふぅ。。。あと少し。あっ。。。グラウンドが見えてきた」

 

息を切らしながら伊部は坂を登り、ゆっくりとフェンスに近づいていく。年季の入ったフェンスは歪んでいてところどころ錆びていたり穴が空いてたりしている。その向こうには陸上部の部員達が練習しているのが見えた。

 

(あの中に奥村くんいるかな?)

 

棒高跳び用の大きなマットの向こうに棒高跳び用のバーを持つ少年の姿を捉えた。

 

 

(あ、あれは。。。奥村くん)

 

伊部のいる場所から少し距離があるのでハッキリとは見えないが、フォトグラファーである彼は自分の目に自信があった。

 

 

制服姿の友人らしき人物と話しており、リラックスした和やかな雰囲気の中で彼は笑っていた。きっと初対面の自分には見せてくれないであろう自然な姿を見ていると、この微笑ましいシーンを写真に捉えておきたいと思い、破れたフェンスの隙間から伊部はカメラを構えた。

 

「!?」

 

その瞬間、何かが伊部のそばを駆け抜けたかのような感覚に伊部は陥った。まるで強風がビュッと吹いたかのような気がした。思わずカメラから視線を外して周りを見たが、木の枝も葉も揺れていない。

 

(なんだ。。。何かを感じた。。。)

 

伊部は錯覚かと思ったが、何かゾッとするものを感じた。彼自身、霊的なものを信じているわけではないし、そういうものを写真に写したこともないのだ。

 

 

もう一度、奥村英二の方を見た。彼は何事もなかったのようにおしゃべりに夢中だった。彼に意識を集中していたので伊部は気がつかなかった。彼の隣にいる少し背の高い少年が伊部を睨みつけていた。

 

(ん?? 金髪。。。?ヤンキー。。。じゃないな、あんな綺麗なプラチナブロンドの髪。。。外国人か)

 

 

金髪の少年からは異様なほどの強い警戒心が感じられた。大げさかもしれないが、野生動物の母親が子供を守るかのような強い視線だった。いや、守るというよりももっと強烈なもので、まるで近づいたら殺すと殺気立ったものだ。

 

なぜここまでこの外国人の少年に睨みつけられるのだろうかと伊部は思った。まだ本人には直接会っていないが、一応撮影の許可はもらっている。おそらくこの少年は知らないのだろう。きっと彼は伊部を不審者と思っていたに違いない。

 

(なんかあの子、すっごく怖いけど。。。手でも振っておこうか、不審者じゃないデス)

 

 

まだ顔が強張っていたが、伊部はできるだけ穏やかにぎこちない微笑みを浮かべ、ゆっくりと手を振った。

 

するとその金髪の少年はハッと何かに気づいたようで、殺気立っていた雰囲気は無くなった。そして今度は何かを探るように伊部をジッと観察している。

 

(うーん、それはそれで何か困るっていうか。。。あの子、すっごいオーラがあるなぁ。。。何なんだろう?よく見たらすっごい綺麗な顔しているしモデル並みだ。。。芸能人なんだろうか? パパラッチとでも思われたのか?)

 

 

混乱する頭を抱えながら、伊部は校舎に入っていった。

 

 

*続*

 

 

お読みいただきありがとうございました爆笑。伊部さんも未来のアッシュと出会ってしまいましたよー。大丈夫かな?(笑)

 

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もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM

 

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