みなさん、こんにちは!
簿記の教室メイプルの南です^^
今回は、いつも質問の多い、満期保有目的債券の償却原価法における「金利の調整」って、どういうこと?
について説明したいと思います。
今、自分の会社は、額面金額1,000,000円の社債を1口あたり100円で発行し、年利率を3%にしようと考えたとします。そうすると、この社債を購入した人からすると、1,000,000円お金を出して、1年あたりでもらえる利息は、
1,000,000円×3%=30,000円
となります。
ですがもし、自分が発行しようと思っていた直前に、自分の会社より知名度も人気も高い会社が、自分の会社と同じ条件で社債を発行したことがわかったとします。すると、みんなその会社の社債を購入して、自分の会社の社債を購入してくれなくなるかもしれません。そこで、割引発行をして自分の会社の社債を多くの人に購入してもらうようにするのです。
例えば上記社債を1口100円ではなく95円で発行したとします。すると、この社債を購入する人からすると、
1,000,000円÷100円=10,000口
10,000口×95円=950,000円
だけお金を出すことになります。それに対してもらうことのできる利息は額面金額に対して3%なので、
1,000,000円×3%=30,000円
となります。
ということは、950,000円お金を出して年間で30,000円の利息をもらうことができます。
ですから、実質的な利回りは、
30,000円÷950,000円=3.15%
となり、金利を3%から3.15%に調整することができます。その結果、購入者はより儲けることができ、自分の会社の社債を多くの人に購入してもらえるようになるのです。
これが満期保有目的債券の金利の調整ということです。
こんな感じのイメージを持てば、「金利の調整」という意味が理解できると思います。
いかがでしょうか?
簿記の勉強では、とにかくイメージを浮かべられることが大事です。あまりにも細かすぎて、専門的過ぎるところまで理解しようとすると、難しく感じたり、時間がかかりすぎたりして、場合によっては勉強が嫌になってしまう可能性があるので、そこまではすべきではないと思います。そのような勉強は、試験が終わって無事合格した後に、興味のある範囲で勉強されれば良いと思います。
試験勉強としては、あくまでも、ざっくりとしたイメージを持つことが大切です。
では、引き続き、頑張って下さいね!