「あいつらは、目で金を遣いよるから」

こういったのは、何十年も前、青少年非行防止で知り合った林巡査長だった。

「?目で、カネを遣う?」

「あいつらはな、カネが入ったら、カネがあると思って、すぐに全部使ってしまいよるねん。」
今から思えば、市営住宅に住む生活保護の人のことだったのかな。

保護費が入ってくると、そこに目に見えるお金があるから、たくさん入った気がして、計画も立てずに、ぱっぱかぱっぱか使ってしまって、すぐに、無くなる。

「計画的に使おうという気が無い。
見たら、それを全部使ってしまう」

そういうことを「目で、カネを遣う」と言うんだって。


目先のカネだけは、わかるけど、
それを残しておいて、1カ月の生活費にするという、遠い先を見て、使うと言うことが出来ない。

今目の前にあることしか把握できない。

私は、しばしば「あいつらは、目で金をつかう」と言う言葉を思い出すんですよ。

これは、お金の使い方だけじゃないぞ、と思う。

今の人々を見ていると、目先に見えていないことを、慮る気もない、

こんなことをしていたら、いずれ、社会は行き詰るという、先を見る目も無い。


なんで、こんなことになっているのか・・・遠くにいる為政者のやり口も見えない、

目先のタレントや、スポーツや、セックスや、3S政策にはまってしまって、目先の小さな欲だけで、生きている。

みんなみんな、目で金を遣いよってからに、と思う。

私の若いころだったら、何歳までに子供を産んでおかないと、定年になる前に大学を卒業できないと計算したよ。
でも、私の子どもたちは、全然計算しない。出たとこ勝負だ。

人もし、遠き慮りなくば、必ず、近き憂いあり・・・これは、私の座右の銘だったけどね。

最近、誰も座右の銘なんか持ってないんじゃない?

なんとかなると思ってるんだろうね。

昔は、暮らしが厳しくて、盲腸でも死んだからね。
みんな慎重に生きていたけど、最近は、医療が進みすぎて、なかなか死ねない。

夏休み帰省した息子が、言ってたよ。
「お母さん、本当に80-50問題は深刻なんだよ。
本当にしんちゃんは、早く死んで助かったけど、
これが、親が先に死んでごらん。
親の年金で食ってた50歳のひきこもりの息子が無収入になる。

そしたら、生活保護を出さないと仕方がない。
それが、もうじき、どっと増えるんだよ。

しかも、80-50問題の下に70-40が、たくさんいるんだよ。その下に60-30もだよ。

もう、生活保護費で、市の財政は破綻だよ。
目に見えている。

しかもだよ、親がかりで引きこもっていた60歳なんかに、たとえ生活保護費をあてがっても、一人で生きていけないんだよ。
いったい、どうなる?」

目で金をつかうしかできない人々が、目先だけとりつくろって、問題を先送りしたつけが、いつか、どっと世の中にあふれる。

どうするんだよね。

うちの町内だって、親一人子一人、結婚していないケースだらけだよ。

徳の無い人々、悪いカルマにまかれた人々が、堕ちていくのを止めることはできないんだものね。

ずっと、前にきいたことがあるわ。
6000万円を現金で持っていて、盗まれたくないから、札束の上に布団を敷いて寝ていた人がね、

お金はあるけど、人づきあいがないから、6000万円の上で飢え死にしていたんだって。

世の中、お金さえあれば生きられるほど甘くはないね。

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