立ち向かう姿勢について語りたい。

人間としての器用さは、
“いかに多くのことに慣れているか”と
“慣れるまでのスピードの速さ”に集約されます。
慣れないことはできるだけしたくない、と思うのは当然の心理ですが、
それでも“しなければならない局面”は訪れるものです。

お盆休みで渋滞は仕方ありませんが、
原因が事故だとため息がでます。
とにかくこの時期はふだん運転しない下手なドライバーが蔓延します。
以前はいちいち怒りを覚えていたのですが、
割り切るようになりました。
僕が若い頃から“お盆に下手ドライバー”はいましたし、
いまも減っていないところをみると
未来永劫“お盆に下手ドライバー”は存在し続けるのでしょう。

峠道へ入る前から嫌な予感がしていました。
2台前の車がずいぶん低速だったのです。
制限速度50kmの道を35kmで走っています。
その車の前はガラガラでしたが、
僕の後ろにも車列は連なり、渋滞になってきました。
峠では抜かせませんし、待避所で避けてくれる気配もありません。
付き合う覚悟を決めました。
峠の下りではさらにブレーキを連発します。
通り抜けるのに通常の倍近くの時間が掛かってしまいました。

運転未熟者の問題は、
“周囲へ迷惑をかけていることを自覚していないこと”にあります。
この認識があればこそ、“どうすれば迷惑にならないか”を考え、
運転は上達するはずです。
超絶テクニックを習得しなくても良いのです。
必要なのは気遣いや配慮です。

峠を渋滞させた彼にとって、運転は慣れないことだったのでしょう。
それにも関わらず挑戦したのは、
“やらなければならない理由”があったからです。
それが故郷へ帰り、旧交を温めるためであれば、
一概に憎む気にもなれません。


だからといって“凱旋パレード”に巻き込まれても困ります。