kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

やり場のない想い2

2020-05-24 | 陸上競技

続きを・・・。

 

「7月の記録会」の中止が分かる前の段階で「個人面談」がありました。学校が始まる前の段階で3年生の状況を把握しておくという感じで。色々とありましたから3年生は「不安」を抱えていると思います。そうであればこちらもしっかり対応していく必要があります。当然の話です。

 

その面談の中で担任をしている選手が最初から「ちょっと元気がないな」と感じました。進路の話をしていたというのもあると思いますが。「これは・・・」という感じがありました。話をしていくと「引退しようと思う」ということでした。前日まで毎日練習が終わった後に「様子」を報告してくれていました。少しずつ走りが作れているという感じを受けていました。それだけに「どうしたのか?」という部分がありました。

 

「県総体がなくなり中国大会、インターハイもない。」この言葉。私にとっては重かったですね。この冬、どんな思いで練習に取り組んできたのかは近くで見てきました。昨年、県総体で200mで7位となり中国大会に進めなかった。それをばねに県新人で3位に入り中国新人へ。中学時代に実績はない。決勝に残ったことがない選手が努力を積み重ねて中国大会をつかんだ。そしてこの冬は「リレーでインターハイへ」という思いの中で進んできた。それが「もうない」という状況の中でどうするのか。

 

私にそれを言うのは本人的にはかなりしんどかったと思います。それでもきちんと伝えてくれました。選手には前から言っていました。「自分の考えていることをしっかりと話してほしい」と。なんとなく引退するのではなく「しっかりと自分の考えを持ってほしい」という部分。譲れない部分です。この状況で私が「引き留める」というのはできません。自分の判断です。途中で「辞める」というのとは違います。やりたいけど何のためにやっているのか分からないという状況。それが痛いほどわかるから止める理由がない。

 

自宅の近くに「実業高校」がありますが、わざわざうちの学校を選んできてくれました。この意味は大きいと思います。「競技をしたい」という考え。周りがどこに進学しようと「競技を一生懸命できる環境」を選んでくれた。結果、これまで果たせなかった大きな目標を果たすことができた。そして「これから先」をみてやってきた中での「決断」です。本人もしんどかったと思います。

 

その話を聞いて全体にもう一度投げかけました。「記録会もない」状態でどうするか。しっかりと考えてほしい、と。7月末か8月上旬に「県内選手限定」で県選手権を実施する可能性がある。これも実際にできるかどうか分からない。「しっかりと進退を考えて欲しい」と。「何が何でも続けろ」とも「もうやらなくてもいい」とも言いませんでした。いや、言えませんでした。3年生の「想い」を考えるとこちらがなんと言葉をかけても「エゴ」になるのではないかと思っていたからです。一番辛い3年生に対して「想い」を尊重することにしていました。

 

上述の選手、夜個別に連絡をくれました。保護者と話し合って「引退する」ことにしたと。今まで走っているだけだった練習も高校に入って指導を受けて、初めて陸上競技を知れたと思っています。不完全燃焼なところはあるけど、とことんやって強くなろうという目標は叶えられたと思います。人としても選手としても成長できたと思っています。この文章を読んで涙が止まりませんでした。こうやって書いている中でもまた涙が出てきます。この子がどのような「想い」で「最後」を迎えたのか。考えると辛すぎる。しかし、その「選択」を何よりも尊重したいと思っています。

 

長くなりそうなので記事をいったん切ります・・・。すみません。


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