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巡り合い<4>聖志の為に動く河野春奈

2020-11-28 13:13:18 | 恋愛小説:巡り合い


聖志は会社を辞める事を決意し辞表を人事部に提出されていたが、上層部へは届けられず人事部で止まっていた。  
そして、人事部の部長から話があると声を掛けられた。
「時間は大丈夫かな、駿河営業部第一課長、少し話をしようか?」
「はい、時間は大丈夫です」
「君の2つの推薦状は、社員としての営業部第一課の課長として会社にいなければ、上層部に届けても無効になってしまうんだな、会社からの出向していれば問題ないだけどね」
「そうなんですか?あっそうでした、企業規約に記載されている内容の中にあるのを忘れていました、すみませんでした」
「成島奈菜と河野春奈の推薦状の内容は良く調べたんだね、しばらくは営業部第一課の課長と企画部の室長を続けてもらいたい、駿河君の気持ちは良くわかる、野村葉月と関わりがあるとね」
「どうして、葉月の事を知ってるんですか」
「さあ、どうしてかな、君達2人の事は良く知られていたんだ、色々な場所でね、成島奈菜さんの推薦状は既に大学へ届けてあり面接日も伝えているから心配しなくてもいい」
「そうでしたか、ありがとうございます、気になっていたので、安心しました」
「面接してから内定通知書は、成島奈菜さんには届くようになって、営業部第三課ではなく営業部第一課の新入社員として決めているが、課長として面接官をしなければならないね」
「そうですか、どうしてですか?」
「駿河君の辞表は面接官をしてから、上層部へ伝えるが、どうなるかはわからない、駿河君は優秀だからね、企業側の判断としては、どうなるか全くわからんよ」
人事部の部長との話し合いをしていて、面接後に辞表を承認されるだろうと思いの中で聖志は心中での重荷から解放され、安堵して笑える自分がいる事に気づいたようだ。
聖志は今何をすべきか、初心を忘れずに自分の仕事に集中する事だと思ったが。
「成島奈菜(なるしまなな)は、どうなるのか?、聖志のいる会社で面接を受けるのだろうか?」
しかし聖志は成島奈菜の推薦枠1人の推薦状を書いて人事部へ提出していたが、会社で本当に面接を受けるのだろうかと聖志は気にかけていた。
優秀な人材なので他の企業にスカウトされたらと聖志は考える事もあった。
そして聖志は出向している元課長の先輩に連絡を取り、成島奈菜の推薦枠1人の推薦状について相談をしていた。
「人事部から聞いて、成島奈菜の推薦枠1人の推薦状は大丈夫だよ、あまり気にする事はないと思う、人事部が動いたからな」
「そうでしたか、わかりました」
「それから春奈君にも伝えておくよ、彼女には知ってもらう事にしたから」
「そうですね、彼女の性格上、その方がいいですね」
しばらくしてから河野春奈は、推薦枠は1人という事などを他の企業に出向している元課長の先輩から聞いて、就活をする成島奈菜の推薦状は大学へ届けられている事を春奈は知ったが誰が推薦したのかは知らされなかった。
そして、もう1つの推薦状がある事も春奈は聞いたが、その推薦状は誰かとは出向している元課長の先輩は春奈に伝える事はなかった。
なぜ、伝える事をしなかったのか、春奈の性格を熟知しているからで、上層部の役員達からは極秘情報と言われ口止めされていた。
嫉妬深い?いや違う、春奈の卒論レポート内容での野心は、聖志の男性的な卒論レポート内容で、葉月の女性的な卒論レポート内容では無かった為だった。
出向している元課長の先輩は、河野春奈には聖志の持っている男性ならでの野心と、野村葉月の持っている女性としての野心の両方を持てるように携帯電話のメールで接していた。
そして春奈は野村葉月の持っている女性としての野心とは何かと気になり考えるようになっていた。
そんな時に、上層部から春奈は優秀な人材であると認められた事で、春奈は主任として営業をしながら、上層部の役員会で決められた内容で人事部から、聖志の身辺周囲の身辺調査を極秘任務として依頼され実行する事になるが、この先にあるのは身辺調査だけでなく身辺整理もする事になる。
聖志との同棲生活が始まる中で大原桔梗と笠原結衣の2人の名刺には名前と店舗の住所のあり、店舗名が印字されているライターが引き出しの奥に入っていたのを部屋の整理整頓した時に目にした春奈だったが、聖志には見て知らぬふりをして同棲生活をしていた。
人事部からの依頼に答える為には功を奏し、極秘任務で聖志の過去や女性関係などの身辺調査が出来ると春奈は考えていた。
そして春奈は人事部長から紹介された興信所でも聖志の身辺調査を依頼し、その後は大原桔梗と笠原結衣の2人と会い、聖志との関係について聞く事にした。
人事部では履歴書を見て常に新人社員の成績や家族構成や人間関係や性格などの身辺調査をしていたようだ。

高級クラブと高級料亭に何度か春奈は電話連絡をするが忙しくしていた2人とは話す事が出来なかったが、笠原結衣と大原桔梗と連絡がつき、話し合う時間帯を聞く。笠原結衣と大原桔梗の2人とは、話し合う時間帯が違うが、春奈は有給休暇を取って会う事になり聖志との関係を聞いていく。
聖志と大原桔梗と笠原結衣の出会いの場は、経済界のパーティーであり何度も聖志は出向き名刺交換をしていた姿を何度も見てから笠原結衣は聖志に声を掛けていた。
高級クラブのママの笠原結衣は聖志の事を高級料亭の若女将の大原桔梗に名刺を配る聖志の事を話し、笠原結衣と大原桔梗の2人は聖志と名刺交換をしてから高級クラブと高級料亭に聖志は、たびたび足を運ぶようになり交流を深めていたとの事だった。
聖志の野心的な思いを感じていた笠原結衣と大原桔梗も野心を持っていた事で2人は聖志との深い関係になり、聖志は少しの常連客の情報を得る事になる。
高級クラブの笠原結衣は20歳で雇われママになったのは約3年程で、高級料亭の大原桔梗26歳で雇われ女将になったのは約2年程で、常連客は少なく聖志との出逢いによって常連客は増えていったようだ。
笠原結衣と大原桔梗との愛というものはなく野心的な契約で、聖志は営業をしながら接待場所は常に2軒だけで高級クラブと高級料亭に行く事になっていた。
そして常連客は聖志の接待で少しづつ多くなり、聖志は常連客の情報を得る為のものでもあり、野心を抱く笠原結衣と大原桔梗にとっても聖志の野心にとっても得になる事だった。
聖志の野心とは卒業論文レポート内容で営業成績を上げてトップになり出世する事、笠原結衣と大原桔梗の野心は常連客を増やし早く店舗の年商を上げる事で承諾していた。
そして高級クラブでは徐々に聖志の営業先の常連客が増え1年後には1日の売り上げは100万円を超え1か月の売り上げは3千万円を超え、年商売り上げは3億円前後に達成できスカウトしてホステスも増加、聖志もまた接待で営業成績を上げる社交性という手段で徐々に接待や営業先が多くなり入社1年後には営業成績を上げてトップとなり出世コースを歩き始めていた。
高級料亭での1年後には聖志の接待によって常連客が増え1日の売り上げは30万円から50万円を超え1か月の売り上げは600万円を超え、年商売り上げは1億円前後に達成していた。
大原桔梗と笠原結衣の互いの野心だけでなく野望になり男女の関係となりベットの上では何でも話し合う事や情報の共有が出来ていたからこその事だった。
そして笠原結衣と大原桔梗は聖志から聞いていて、河野春奈の名前だけは知っていたとの事で、春奈は驚きを隠せなかった。
笠原結衣と大原桔梗と自然体で話が出来たのか、それは春奈の男性的な覚悟を持った野心を2人は察知して感じ取り、聖志と同じように思われていたのかもしれない。
また、高級クラブのママの笠原結衣と高級料亭の若女将の大原桔梗は、聖志には他にも関わり深い2人の女性を知っているとの事だった。
春奈は、2人の女性について何度か聞いたが秘密で教えてもらえず、一人は元同棲相手の野村葉月の事は知っていたが、二人目の女性を考えると、春奈自身で調べる事になるが頭の中で浮かんだのは、大学生の生徒で講師だった聖志の教え子の成島奈菜だった。
そして、春奈は推薦状に書かれた成島奈菜へも直接会い、講師と生徒の関係や男女の関係の話を聞く事にした。
聖志との同棲生活の中で、知らない事ばかりだと春奈は思った。
河野春奈の野心とは、聖志の身辺整理で自分と彼女達の身辺調査をしながら、高級クラブのママと笠原結衣と高級料亭の若女将の大原桔梗と何度も会い話し合いをしながら、高級クラブの風美(かざみ)と高級料亭の味深(みみ)からの情報を取り、他の企業から仕事の依頼を取ってくる事でもあったが、この時は無理な事だった。
笠原結衣と大原桔梗の野心と野望での聖志の野心と野望という繋がりは強く、聖志を手放す事は出来ない状況であり、春奈は2人の中に入る隙は全く無かった。
しかし、聖志から出来る限り彼女達から距離を置くように春奈は動き始める事になるが、そう簡単にはいかなかった。 
春奈は時間をかけて聖志から距離を置かせる為のタイミングを見計らっていたが、そのタイミングは何時になるのかチャンスがあるのかと春奈は思っていた。
しかし聖志の天真爛漫で臨機応変な性格を考えると、春奈は聖志の影響をうけ無理をしないよう後は待つだけと考えるようになる。
そして今は春奈が心の中で感じていた自分と聖志の本当の姿とは何か?と考える春奈でもあり聖志との同棲生活の過去を振り返る事にした。
過労による睡眠障害での体調不良になって以来、何も深く考える事なく、ただ卒業論文レポート内容を現実にしようと必死に営業畑の荒波を乗り越えて生きていた聖志だった。
気づいた時には聖志は、桔梗と結衣の2人から彼女達との関わりを持ちながら生きていたが、男女の関係を断つ事が出来なくなっていた。
春奈自身と笠原結衣と大原桔梗、3人の彼女達と関係で、聖志は「愛」や「幸せ」というものを感じることはできず、野心の為だけに男女の関係は続けていた。
彼女達も互いに覚悟と野心という思いの為だけに、お互いに利用しあいながら男女の関係と情報の共有をしただけだったのかもしれない。
聖志は過労による睡眠障害で死を考え思った時点で死神にとりつかれた様に、きっと行く先は地獄だろうと思うようにもなっていた。
春菜が頑なに自殺未遂に拘り思っていたように、確かに死を考えた時点で心の中では気づいたのかもしれないと思う聖志だったと思った。
聖志と春奈の同棲生活の中で、春奈は聖志の本当の思いや本当の心に抱くものを知り見抜いていたが、それは現実的ではなかった。
そして、彼女達との付き合いが長くなると深い関係となっていくにつれ、大学での講師をする聖志は、葉月の夢を見る事が多くなっていた。
「一体誰に恋をして愛しているのか?」と考える聖志の心での思いも何となく春奈は感じ取り気づいてしまった。
恋も愛もない世界で生きているのかと聖志は思うようになり、いつしか春奈に、この男女の関係の付き合いが一つ一つ知られる事になるが、春奈は聖志との同棲生活での男女の関係で、何かを感じて考えるようになっていく姿を見せるようになるが、春奈は気づいていないふりをし聖志との同棲生活を続けていた。
春奈は、自身の今後の先を考えていたようだと思う聖志だったが、春菜の行動と姿を見ていると違和感を感じるようになる。
そして、聖志は過去の葉月との同棲生活の事を思い出すと、自分に都合のいいように彼女達を利用していると感じてしまう。
卒業論文レポート内容の中には書かれてはいない出来事で、長い付き合いの時間(とき)というものは怖いものだと考える聖志だった。
聖志には過去というものが、時間の流れの中で後悔と共に襲いかかり、2人の彼女達との関係を終わらせる事が、どうしても出来ない聖志だった。
だが、聖志は過去の葉月との同棲生活での会話と愛情のある男女の関係の夢を見るのが重くのしかかり自分の弱さに気づいた時には、必死に営業畑の荒波を乗り越えて自分の過去を思い出すと臨機応変の視野は広がり、誰もが弱さを持っていると考えると誰もが失敗しても後悔はあると後悔を乗り越える普段の自分を奮い立たせて死を考えるのではなく生きる事を考えていく。
そして聖志は普段の自分に戻り、普段通りの営業と接待をするようになる。

聖志は営業と接待をしてから、久々に早くマンションに帰ると先に春奈がシャワーを浴びパジャマを着てリビングでテレビを見ながらワインを飲んでいた。営業部第一課での情報では、春奈は他の企業への出張のはずだったが、有休をとって休息をとり聖志との今後の事を考えていたようだった。
お帰りなさいと一言だけ、春奈は声をかけてくると以前の春奈とは違うように感じ取る聖志だった。
以前の春奈との同棲生活の中では、会社での仕事の内容を話し合いをして、どうしたら営業成績が上がるのかと話していたはずだった。
「聖志さん、私たちの為には、生活の中では会社の事は忘れて、会社の会話はしない方が懸命だと思えるの」
春奈の言葉に、聖志は答える言葉はなく、春奈の思いなのか願いなのか解らないが、違和感を感じるが春奈の言葉を受け止める事にした。
春奈への違和感を感じると、聖志の心の中にあるメトロノームで前に進もうとする何かが動き始めていた。
それは優しく暖かい温もりであり、過去の後悔というものが消え始め、葛藤と苦痛という感覚が薄れていくが、聖志は気づく事が出来なかった。
「どうしたんだ僕は、神の言霊か、いったい何が起きてるんだ」
会社の職場ででも、何かが変わって以前の職場とは違う光景が、聖志は見えたり見えなかったりの繰り返しが続いていく。
いつしか春奈は、同棲生活のマンションの部屋では、仕事の話をしないというルールが作られていた。
聖志と葉月の深い関係を考えようになると、春奈は同棲生活の中で、すれ違う時間があり、春奈はルールを作っていた。
聖志にとっては、そのルールは気分を楽にしてくれるものだったが、春奈の聖志への思いは、強気で優しい葉月の姿を思い出させるのだ。
時間(とき)の流れは、葉月の事を忘れる為に、第一課の課長としての営業の仕事に集中し、または男女の関係という快楽で現実から逃げている聖志でもあった。
そして、春奈との同棲生活は4年近くになるが、時間が経つと聖志が葉月との再会を果たすような流れを作る事になる。
両親は娘の春奈の幸せを考えていたようだったが、この3年の間の時は、春奈は実家に電話する事や帰る事もなく両親と会う事はしなかった。

春奈は、何度か両親から同棲相手に合わせるようにと催促されていたが、人事部長からの極秘任務を遂行する為には、今後の事を考えると春奈は聖志を両親に合わせる事は出来ないと考えるようになった。
身辺調査をするたび葉月と聖志の関係を知れば知るほどに、当時出逢った時の様な春奈の聖志への思いは変わりつつあった。
大学の先輩だった聖志に一目ぼれしていた春奈は葉月と聖志が別れ、葉月は離れ離れになった事で、チャンス到来と甘い考えで聖志との同棲生活を始めていたが、2人の強い絆的な思いを感じてしまう様になっていた。
「私にも運命的な出逢いだったの?でも私には運命の中で彼を支えていく役割があったのかな?」
聖志との同棲生活を振り返りながら、春奈は自分の人生の流れを考えるようになっていく。
そして元課長の出向社員の先輩と春奈は長きに渡って葉月と聖志の関係や春奈に対しての仕事での意識改革や様々な事について何でも情報交換をしていた事を思い出す。
徐々に春奈の思いは元課長の出向社員の先輩に傾いていたが、この頃は本当の自分の思いに気づいていない春奈であった。
人事部からの極秘任務で葉月の身辺調査と聖志の身辺整理と、春奈自身の心の整理と笠原結衣と大原桔梗の彼女達の身辺調査で身辺整理等と、主任として今の自分の仕事を両立される事で、春奈は精一杯であったのだ。

春奈の行動や春奈の思いを全く気づかない頃には、聖志は役員会や理事会の会議にも必ず出席し会社で経営や運営の発言が許され、以前よりも忙しい日々を過ごしていた。営業第一課の課長であり企画部の室長である聖志は、企画室では特別に企画のプレゼンテーションや営業部での営業プロジェクトが組まれている。
営業部での営業プロジェクトでは、企画室の部屋では第一課から第三課での営業部の担当者も出席し話し合いをするようになっていた。
以前は企画部と営業部は、別の部署とされていたが企画部と営業部に強い繋がりを作り、聖志は更に会社の年商を上げていく事を考えるよう社員達の更なる意識改革をしていた。
聖志が電話での営業や外での営業周りや接待で役員会や理事会で居ない間は、営業部統括部長の指示によって課長代行の主任となった春奈が役員会や理事会に出るようになり、春奈からの連絡で聖志は役員会や理事会での発言内容の提案書の書面を作成し、聖志は春奈に指示と許可を出すようになっていた。
河野春奈の事で営業部第一課長の聖志は、営業部統括部長と話し合い決めた事でもあった。
「駿河課長、それならば、河野主任のバックアップでフォローして下さい」
営業部統括部長は言い聖志に全て任せるとの事だった。
聖志は春奈の出世させる今後の為に課長代行としての役員会や理事会に出席させ慣れるよう進めていく。

春奈は極秘任務の為に、聖志に相談する事もなく興信所に、現在の野村葉月の身辺調査するよう依頼していた。
春奈との同棲生活が4年目に入ろうとしていたとき、リビングのソファーの上に興信所の身辺調査書と書かれた封筒が置かれていた。
その時、マンションの部屋には、春奈の姿はなかった。
聖志は、しばらくの間、その封筒を見つめていただけで、手に触れる事さえできない一時的に恐怖を感じていたが、天真爛漫や臨機応変で自由奔放な社交性のある1つ目の性格で恐怖心を乗り越えられた。
聖志の2つ目の性格では、発想力や行動力の卒論レポート内容を現実的にする為には野心を持ち、どんな事でも乗り越える事で、会社への貢献し会社の年商を上げていき、聖志自身で営業成績を上げる事が出来ていたからだった。
春奈の行動力は速く、ある程度の情報で極秘任務の為に動き始めると、度々、春奈はマンションの部屋に帰って来ない事が多くなっていた。
接待で夜を明かした聖志は、陽(ひ)の光が差し込むと同時に、聖志は封筒を手にとり興信所の調査書の内容を見る事になる。
そして、その内容は現在の野村葉月と家族関係についての内容だった。

聖志と葉月は中学から高校までの同じクラスの同級生であり同じ大学へ入学後には聖志と葉月は同棲生活をしていた。
しかし、同棲生活後の就職には聖志と葉月の思いは、すれ違いの為に葉月は、実家へ帰省していたと詳しい内容が書かれていたが、興信所の葉月の身辺調査の内容には疑問を持つ聖志だった。
葉月の家族の情報も書かれていたが、出向している先輩から聞いていた情報とは、現在の葉月の生活内容や家族の情報とは全く違っていたからだった。
「家族の現在の状況は全く違う、過去の表向きだけの情報じゃないか、適当だな」と聖志は思った。
結婚はせず、葉月の仕事は実家の家業であり気になる事は、子供が1人いる事で4歳になる子供がいる事で聖志は葉月は実家で他の男性との間の子供だと最初は思った。
しかし、聖志は確認したい気持ちがあり、そんな気持ちを抑えながら、いつも通りの仕事を続けていた。
春奈は、封筒が置かれた日から、急に出張となっていて聖志は、なぜ春奈は出張の連絡をしないのか気になった。
常に連絡を取り合っていたはずなのに、会社にいても連絡はなくホワイトボードには出張と書いてあるだけだった。
上司の営業部統括部長に聞いたが、一週間の有給休暇をとり出張扱いにしていたようだ。
聖志は、封筒を開けた時の事を思い出し、封筒は糊付けされていたはず、しかし、その封筒は開けられていた。
先に興信所の封筒の中身を見たのは、春奈である事を確信していた。
何故、春奈はソファーの上に目立つように調査書を置いて有給休暇をとったのか。
有給までとって、春奈はどこへ何をしに行ったのだろうか。
聖志は、仕事中も接待中のときも、春奈の行動を考えていた。
聖志はどうしても、興信所の調査書の内容が気になってしょうがなかった。
春奈は、一週間後、マンションへ帰り仕事へも復帰した。
いつも通りの春奈であったが、聖志はいつも通りではない。
聖志は、戸惑いを感じながら、再び4人の彼女と付き合っていき、男女の関係で快楽で気を紛らわせていた。
しばらくすると、春奈がいつもと違うように感じた事があり、まるで聖志の過去全てを知るかのようだった。
この時、春奈は聖志の事も身辺調査をして、その調査書を手に入れていた。
春奈は、聖志を一目ぼれしていたが、結婚の対象ではなかった。
なぜ同棲をしたのか、それは一目ぼれの片思いからであった。
聖志と葉月との同棲生活は、破綻していると春奈は思い同棲をしたい事を伝えると聖志は、春奈の思いを全て受け止めて同棲生活をする事になっていた。
葉月との別れによって「自殺未遂」「過労による睡眠障害」で体調不良になった時から始まっていた。
春奈にとっては「過労による睡眠障害」とは受け止める事ができず「自殺未遂」と受け止める事で、聖志を自分の恋人にするチャンスだと思っていたようだ。
春奈との3年間近くの同棲生活によって聖志を支えながら、聖志は生きる事を実感し、死を考える事はなくなっていたのだ。
聖志の情報では、春奈他3人の女性と関係を持っている事も知っていた。
春奈の役割は終わりつつあったが心の中では、聖志への思いは続いていたが自分の心の整理を始めていた。
春奈のとった行動は、興信所の調査書に書かれている事が、現在の現実の葉月の情報が本当かどうか真意を確かめる為にも今の聖志を支える為でもあった。
興信所の葉月の身辺調査の内容には疑問を持つ春奈も聖志と同様に疑問を抱いていた。

春奈は、葉月の実家へと向かい、葉月には同棲生活をして何が起きていたのかと、聖志の4年近くの生活の全てを葉月に話す事を決断する。
東京から電車に乗り葉月の実家に行くには約一時間程かかり体は揺られながら、春奈は聖志と葉月の同棲生活の中で、何が起きていたのかを電車の中で考えながら過ごした。
春奈は葉月の顔を見た事はなく全く何も知らず、どういう人物なのか、どういう性格なのか、気になる事が多くなり抱く事のなかった緊張感が芽生えていた。
「野村葉月とは別人だけど顔つきが良く似てる、噂は信じるな、あの2人は繋がってる、いつかわかる」
春奈の心の中では、出向している元課長の先輩からの言葉はメッセージだったのだろうか?と思えてならなかった。
私の役割は偶然だったのか必然だったのか運命だったのかと、頭の中で通り過ぎる思いを抱いた春奈だった
一時間後、実家の住所も顔も知らぬままで駅から降りて野村葉月を探していたが見つける事は出来ず、駅に戻り駅員に聞くと野村家への行き先を聞く事が出来た。
「私は何をしてるのだろう、極秘の為に誰にも聞く事は出来ない」と緊張感から春奈は自分で探してみようと考えてしまった。
そして歩いて約30分の場所で玄関先に野村という標識があり、野村と書かれた標識が何処までも続いていた。
葉月の実家は何処だろうかと思いつつ春奈は実家を探し回り、知っている人を見つけようとするが、この時の時間帯には誰一人と会う事が出来なかった。
一時間歩き続けていた春奈は、バス停のベンチに座り休んでいると、バスから降りてくる人の買い物袋を持った高齢の女性が春奈に声を掛けていた。
「おや、この地域では見ない顔だね、何処から来たのかい」
「東京から来ました、実は野村葉月さんを探しているのですが」
「あれやー葉月ちゃんの友達かい?それなら垣根のある瓦のある大きな門を入って玄関前には家族の名前があるから、すぐ分かると思うよ」
「え、そうなんですか?私は大きな家の前を通ってました、ありがとうございます」
すると、高齢の女性は、駅にある公衆電話から電話をかけて、しばらく話した後で春奈に声を掛けてきた。
「葉月ちゃんの家に電話しといたから大丈夫だからね」
「ご丁寧にありがとうございます」
春奈は葉月に会う事で緊張感があったが、常に冷静で緊張感を持たない聖志の姿を頭の中で浮かべていた。
春奈は、すぐに葉月の実家へと向かい、大きな門を入って玄関前に行くと家族の名前があり、インターフォンを押すと玄関のドアが開いて、お婆さんが出てきた。
「駿河課長の部下の河野春奈と申します、葉月さんはいらっしゃいますか?」
「そうかい、電話があったのは貴方ですね、葉月なら離れの自宅にいますよ、伝えておきますよ」
春奈は離れの自宅前に歩いて行くと、母親らしき声と自宅の中で子供の声が聞こえ、葉月さんの子供の声なの?と思いつつ、離れの玄関のベルを鳴らす。
「はーい、どなたですか?」と子供の声が聞こえドアが開いて、春奈は子供の姿を見た。
春奈は、お母さんは、いますか?と言うと子供は母親の葉月を呼びに行き、初めて葉月の顔と姿を見た時に少しだけ緊張感を持った。
「初めまして、河野春奈さんですよね、どうぞ上がってください」
春奈は、葉月に言われるまま靴を脱いで部屋へ入った。
「どうして、私の事を知っているのですか?」
「聖志と同棲生活をしてる事は知っていましたから」
「実は、聞きたい事あるのですが、教えてもらえますか?」
「何でしょうね、いいですよ」と葉月は冷静に春奈に言った。
春奈は初めて会う葉月の心の強さと冷静さに驚きながらも、自分の出来事と聖志との同棲生活で何があったかを伝える事が出来た。

春奈は葉月と会い過労で睡眠障害だったが「死」を考えさせてしまってからの3年間の同棲生活の全てを話す。
あの時は春奈にとって一目ぼれの片思いだったが聖志と同棲生活をするチャンスであって大切な時期であったからだと伝える。
「死」を考えさせてしまった事については申し訳ないと春奈は葉月に涙ながらに誤っていた。
むしろ葉月は、聖志は今でも心の中に置き去りにされた思いであったのだろうと考えていた。
葉月は、春奈に頭を下げ涙を流していた。
聖志に自殺未遂で「死」を考えさせてしまった葉月は春奈の話を黙って聞いて、春奈に救われ聖志は生きる事を考えさせてもらえた事への感謝の気持ちで自然と嬉し涙が流れていた。
「春菜さん、聖志を助けてくれて、ありがとうございました」
葉月は春奈に答えたが、春奈に葉月は本当の真実を伝えていく。
葉月は聖志との同棲生活でのすれ違いや嫌で離れ別れた理由ではなかった。
聖志とは別の会社に就職し勤務していたが、それは問題ではなく、体調に変化があった葉月は産婦人科の病院に行き妊婦となり、葉月は就職して2年後に子供が出来た事を聖志に伝える事はなかった。
大学時期には聖志と葉月は、常にベットの上で互いの講義後のレポートの内容を見せあいながら同棲生活を送っていた。
就職後の聖志は人が変わったような感じで、新人の聖志は営業部第一課で営業に励みなら、大学卒業後に卒業レポート論文を現実に出来るかどうか考えながら働き始めていた。
聖志の愛情に包まれていると葉月は考えていたが、聖志は生活の中では特に変わる事はなかった。
ただ葉月は、これからの聖志の為には、同棲生活を続けるかどうかを考えるようになり出世コースを歩き始めた聖志にとって苦渋の決断をする事になる。
そして、葉月は子供の為に、あえて身を引き、実家に帰省し自然の中で子育てをしようと考えた。
子供が出来た事を伝えたとしたら、聖志の卒論レポートに書いてある野心は、無くなってしまうかもしれないと葉月は考えるようになっていた。
葉月は勤めていた会社に辞表を提出し退職後、写真立てに写る聖志と葉月の2人の写真も残したまま、行き先を書く事はない手紙を残して衣類や家具などを全て残して、聖志の為に自分から離れる事を決めた。
あっけにとられた聖志は、2人の写真を見つめながら、手紙を読みながら冷静になると、本棚にある大学生の時の葉月の全ての講義のレポートや卒論レポートを取り出して読み始めた。
葉月の卒論レポートの内容には、女性としての野心、苦渋の選択、自由な発想、自由な生活などの内容を読みながら、窓を開け空を見上げて、今は葉月の思いを全て受け止める。
そして聖志は、今後の事だけを考え、葉月と同じように自由な発想をして営業に専念しようと考えられるようにもなれていた。
中学では同じクラスの同級生で高校生になると同じクラスで交際を始め、大学生になり婚約者として同棲生活をして就職をしてたが、離れ離れになった聖志と葉月は互いに何かを得ていたのかもしれない。
そして、お互いに聖志と葉月は、未来を見つめていたのかもしれない。
現実的な事だけが興信所の調査の対象となり、葉月の本当の心の中での思いは調査しても無理だったのだろうと春奈は思った。

葉月は覚悟を決めて、聖志には置き手紙を残したが、本当の思いを手紙を書き、出向先の先輩の住まいの住所宛てに郵送していた。
内容は苦渋の決断の事や子供ができた事や実家に帰っている事や実家の方で子育てと印刷会社で仕事をしている事と実家の住所と電話番号が書いていた。
しばらくしてから時々、葉月へは出向先の元課長の先輩から、東京を離れてから実家に手紙が届くようになっていた。
手紙の内容は全て聖志の動向の事ばかりであった。
聖志を営業部第一課の課長に推薦状を書き、先輩は聖志の能力が、どれほどのものか試してみたかった事や、聖志は大学の後輩である事で、大学の准教授と会い、聖志の大学での講義後のレポートの内容と卒業論文レポートの内容の全てを読んでいた事などでレポートに書かれた内容で野心の為に、どう動いていくのかという内容も書かれていた。
そして、能力性を導入している会社では、入社1年目で営業成績はトップとなり、主任に抜擢された事や2年目で先輩の推薦状で営業部第一課の課長に上り詰めた事や聖志の女性関係なども書かれていた。
葉月は、元課長の先輩からの手紙を読み、卒論レポートに書かれた事を聖志は実行している事を知った。
そして、思い通りに出世コースを歩いている事は、葉月にとっては、嬉しくて喜びで、心の中で安堵したようだ。
また、出世コースを全力で歩く事で、過労での睡眠障害であったという事も書いてあり、心配する事もあったが、後輩の河野春奈と聖志は同棲生活を送っている事や春奈の一目ぼれの片思いの事も書いてあり、春奈は聖志の睡眠障害で体調不良を気にして体調管理をしていた事も手紙には書いてあり、葉月は春奈と同棲生活をして良かったと思っていた。
しかし、4人の女性との男女の関係だけはレポートの内容には書かれてはいなかった。
ただ聖志の出世には必要不可欠だったのかもしれないと思う葉月で、出世コースを歩くには、何でもやる天真爛漫や臨機応変で自由奔放な社交性のある性格である事は葉月は、聖志との同棲生活をして気づき知っていた。
多くの人と出会いながら出世コースを歩く事も、予測出来ていた葉月だった。
大学の3年生の時から2人は講義の後で大学の准教授の部屋に呼ばれ、良く話をしていたからだ。
「駿河君には誰よりも発想力や分析力や行動力があるが野村君も同じだよ、男性的な野心と女性的な野心には違いがあるが方向性は同じだと思える、君達は繋がっているようだね」
葉月は忘れる事は出来ない准教授の言葉で、聖志への愛情というものが葉月の心の中で浮かび上がっていた。
聖志の卒論レポート内容と同じように葉月の卒論レポート内容には、子供が出来たとしたらどうするのかと言う事は書いてはいなかったと葉月は気づいていた。
そして、聖志への愛情と子供への愛情を抱くと、どちらかを選ぶか選択肢は2つの愛情があった。
葉月の本心は2つの愛情を求めていた事も考えたが、聖志なら一人でも何があっても乗り越えられる事が出来ると、当時の若い葉月は苦渋の決断をしてしまった。
しかし、先輩からの手紙を読んで、子供だの愛情だけではなく子供を育て聖志の写真を見せながらていくと、聖志への愛情が心の中で強くなっていき、春奈に話をした事で、聖志との同棲生活を思い出す事も多くなっていた。
葉月は、子供には常に父親の写真を見せていると、春奈に話して伝えている。
どうしても、会いたいときは、会わせるつもりであるという。
春奈は、葉月との話を聞いて自分が何をすべきか考えに考え、聖志の身辺整理を考えた。
一度別れたとはいえ、聖志と葉月の2人の間には「絆」というもので結ばれていると春奈は感じ取っていた。
春奈は、一目ぼれの片思いの一時の恋でしかなかったが、葉月と聖志には、巡り合わせる事が、出向先の先輩が言っていたように2人の運命で決まっていたのではないかと考えた。
そして春奈は、聖志の身辺調査と身辺整理をはじめる事になる。
もし他の3人が「野心という絆」で結ばれる事がなければ、自分と他3人との関わり方を身辺整理し、聖志には葉月から聞いた事を全て話そうかと考えたが無理な事だった。
聖志は、春奈に何度も有給休暇の事を聞こうとしたが、新規の企業からの営業で忙しい中で、聖志は春奈に聞いている時間がなく聞く事が出来なかった。
春奈は、会社の業務と人事部からの極秘任務を任され、過去の聖志だけはなく葉月の興信所の身辺調査書の事で精一杯で、聖志には知られないように話す事は出来ない状況でもあった。
何故か春奈の心の中では罪悪感がある事に気づき、聖志との同棲生活の中での葛藤もあり、葉月と聖志の関係を知れば知るほど現実逃避するようで聖志の瞳を見る事が出来なかった。
しかし春奈は聖志の何でも乗り越える事が出来る姿や人脈や行動や考え方等を考えるようになると、気分が晴れるような気がしていた。
そして春奈は、聖志と成島奈菜との過去の身辺調査と身辺整理をする事になるが、過去の聖志と成島奈菜の関係は、講師と生徒だけの関係としか分からなかった。
春奈は、大学での聖志と成島奈菜の関係を調べると、個人講義をしていた事を噂で聞いていたが男女の関係には結びつかず、成島奈菜に直接会い真実を明らかにし話し合いをしようと考えていた。

ただ成島奈菜が大学3年生の時に、聖志は入社推薦枠1人の時に推薦状を書いて人事部へ提出し、人事部長から聞いて大学へ成島奈菜の推薦状は届けられていた事だけは知ったが、入社面接の前に成島奈菜と会わなければならないと春奈は思っていた。
春奈は聖志と同じ卒業した大学へ行き、恩師の准教授に会い成島奈菜の生徒の事を聞いた。
准教授は経済学部の優秀な生徒だったので、すぐに成島奈菜の事を覚えていて、春奈は成島奈菜の講義後のレポートや卒業論文レポート全てを読ませてもらう。
春奈は成島奈菜のレポート内容には、営業での接し方や社員との接し方や社員としての覚悟等事細かく書かれている事で驚きながら、准教授に成島奈菜が今何処にいるのか聞くと、今の時間なら1人で図書館にいる事を教えていた。
図書館に入ると探し回るが広くて分からず図書館の職員に聞くと、すぐに成島奈菜を見つけ直接あえる事ができた。
春奈は挨拶をし世間話をした後に聖志との関係を聞くが、成島奈菜は無言で春奈の目を見つめながら何も答える事はなく、春奈は男女の関係をストレートに話をするが奈菜は驚く事はなく春奈は会話を続けるが、奈菜は無言で座ったまま冷静で動く事もなかった。
奈菜は冷静に春奈の話を聞いているが、春奈は聖志との男女の関係はと聞くが何も答える事はなく、奈菜が答えた言葉はたった一つだけだった。
「私は講師と生徒の関わりで個人講義もしてもらい講義後のレポートを書くだけで、私にとっては恩師の先生なんです」
奈菜が答えた言葉で、春奈は返す言葉が見つけられず、聖志との男女の関係はあったのかなかったのか全く分からずじまいで伝える事は伝えたと思い図書館から去っていく。
どうしてあんなに感情を見せず冷静でいられるのだろう?と春奈は思いつつ自分と比較すると真逆の人物だと考えてながら何故、聖志は成島奈菜を推薦したのだろうと考えていた。
春奈は世間話の中で過去の生い立ちを聞いてみたが、成島奈菜は何も答える事はなく、何もなかったような感覚を春奈は感じたが奈菜については疑問ばかりである。
春奈は聖志に会った時に、さりげなく成島奈菜の過去の生い立ちと関係を聖志に聞いてみたが、聖志が春奈に聞かれても成島奈菜の過去の生い立ちや男女の関係を話すわけがない。
これで春奈にとっての極秘任務は終了し人事部へ、全ての身辺整理と身辺調査書を作成し提出した。
成島奈菜の過去の生い立ちの全て知っているのは聖志だけだった。
聖志は奈菜に2人だけの個人講義をしているうちに、奈菜の過去の話や思いを知り、河野春奈や笠原結衣や大原桔梗のように野心での関係ではなく自然の流れで男女の関係だった。
「早く大人になりたい」という純粋な成島奈菜の言葉で、聖志は奈菜の思いを全て受け止めていた。
個人講義は図書館での講義だったが、徐々に講義の場は広がり喫茶店から、奈菜の住まいでの個人講義となっていく。
小中高でも他の生徒達との交流も出来なく孤独に生きながら、聖志の大学での講義を聞いていて、奈菜は聖志だけが信じられるという思いもあった。聖志は講義後の奈菜のレポート内容を読んでいて感情的ではなく個性的で純粋な生徒だと思った事で、他の生徒達とは違い、聖志は奈菜に対して気になる存在でもあった。
個人講義は奈菜から頼まれた事でもあり、レポートの書き方や大人になれば野心を持つ事も出来ると奈菜を導いていたからだ。
そして、聖志は成島奈菜を推薦した後では個人講義や男女の関係は少しずつ減り、奈菜は少しずつ大学での講義後のレポート内容の中で男性的でもあり女性的でもあり男性と女性の野心的な内容を書くようにもなり、卒業前のレポート内容では、個性的な社会人としての覚悟まで書いていた。
奈菜が聖志と初めて男女の関係を持った事で個性的で純粋な生徒だけなく、大人になっていたのだろうと聖志は思ったからこそ、営業部第一課へ入社と成島奈菜への推薦状を書いていた。
この時は、聖志は自分の部下として営業マンとしての覚悟を持たせ意識改革をして河野奈菜に接して対応していこうと考えていたのだ。

会社では、就活をする大学生4年生の午前中は入社試験と、午後からは履歴書を見ながらの面接をする時期が来るのは先の話である。
一日10人、一週間の7日間で70人を土日の休みはなく、午前中9時から11時までの入社試験結果を精査をしてから、午後2時からの面接をして、内定者は70人が選ばられる事になる。
聖志は、履歴書と入社試験結果を精査をして面接官として生徒達と接する事になる。
営業部第一課の課長になった時は面接をする事はなかったはず、なぜだろうか?以前は第三課の課長だったはずだと聖志は思った。
聖志が営業部の社員の意識改革や営業部第一課から営業部第三課の役割分担を無くし平等の扱いでフォローするようにして、第一課から第三課の部長職をなくし営業部統括部長という役職を作り、会社の年商を上げた事で会社の体制が変わり企業規則や契約書の内容も変わっていた。
聖志は1人枠の推薦内定者だった為に当時は面接を受ける事なく、すぐに営業部第一課に配属され新人社員として入社してたので良く分からなった。
「以前とは違う対応での内定者を決めるのか?」
企業規則は多くの内容が変わり、契約書の内容も少し変わってる事を聖志は確認した。
推薦状がある内定者となっていた成島奈菜は最終日には、入社試験を受けず面接を受けるだけとなるが、まだ先の話である。


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