2018年8月21日

リサイクル大国のゴミ問題

リサイクル大国と言えば、スウェーデン!

ゴミの99%をリサイクルしていると言われるスウェーデンでは、リサイクル施設を最大限に有効化・利益化するために近隣諸国からゴミを輸入しているそうです。お金を出してゴミを買っているのではなく、近隣諸国の方がお金を出してゴミを引き取ってもらっているのだから、ゴミを輸入するスウェーデンは輸入により儲かっているのです。

でもね、話はそんなに単純じゃないのよ。

先日、ABC放送の「Burn Or Not To Burn(燃やすべきか燃やさない方が良いか)」という番組でスウェーデンのゴミ処理事情レポートを見ました。


スウェーデン国民のリサイクル意識は確かに高いですね。これは啓蒙と政治政策の賜物でしょう。環境を優先する文化が国民の意識にしっかりと根付いているようです。市内各地にゴミ収集場所が設けてあり、各家庭で細かく選別したゴミをそこまで持って行って、種類ごとにコンテナに入れなくてはなりません。

オーストラリアでは、各家庭に3種類の大きなゴミ容器があって、ゴミをテキトーにそれらの容器に入れて家の前の道路に出しておけば、毎週決められた日に収集車がやって来て集めてくれますから、本当に楽なもんです。そして、集めたゴミのほとんどを埋立地に埋めているんですからね。リサイクル用に集めたゴミ(紙、金属、ガラス、プラスチック)も、中国が引き取ってくれなくなってからはリサイクル業者の倉庫に溜まり続けているそうだし、こっそり埋めている業者もいるようですし。

スウェーデンでは、埋立地に送られるゴミはわずか1%、残り99%はリサイクル処理されているというのだから驚愕的…

と思ったら大間違い!

ゴミから新たな製品を作るのではなくて、そのゴミをエネルギーに変えることを「リサイクル」と呼んでいることに注意しなくちゃあいけません。

どういうことかといいますとね、スウェーデンでは燃えるゴミは燃やしているんです。そして、それによって得られる熱エネルギーをインフラに活用していて、それを「リサイクル」と呼んでいるのです。

基本的に大きく2つの「リサイクル」とやらがあるそうです。

1.その熱によって発電する
2.その過程で作られる熱湯を暖房に活用する

ゴミの焼却熱で発電することは他の国でも行われていますが、スウェーデンでは発電の過程で作られる熱湯を市内の各家庭などに供給するネットワークが確立しているのです。長く厳しい冬のある国ですから暖房が必要な時期が長いでしょ。ゴミ焼却熱を暖房にも利用することで、熱エネルギーを最大限に活用できるわけです。

ただし、これを「リサイクル」と呼べるのかというのは別問題。

オーストラリアのような、一部の地域を除き一年中暖かい(あるいは暑い)国では、そのような熱エネルギーの活用は無理な話です。発電のためだけにゴミを燃やす施設を作るというのもバカげた話です。そんなお金があれば、あり余る太陽光をもっと活用する施設を作るべきなんですから。

さて…

現在オーストラリアで問題となっているプラスチックゴミですが、スウェーデンのプラスチックリサイクル事情はというと、

私は番組を見て驚きました。

スウェーデンの大手プラスチックリサイクル会社の敷地に溜まった膨大な量のプラスチックゴミ。レポーターが電話でインタビューを申込んでも返事がなく、直接会社へインタビューを申し込みに行ったところ門前払いされ、外で撮影していたカメラマンがカメラのスイッチを切るように迫られたのは、そこに見られたくないものがあるからです。

プラスチックゴミは、スウェーデンでもリサイクルできていないのですよ!

じゃあどうすればいいの?

プラスチック製品そのものを減らすしかないでしょ?プラスチック包装を減らすしかないでしょ?

そのために最も効果的なのは、消費者が意思を示すことです。

プラスチック製品はできるだけ買わない、プラスチック製品はできるだけ使わない、プラスチックで包装されているものはできるだけ買わない、何かを買う際にはその商品を買うことで発生するゴミのことを考える、などなど。

小さなことから始めればいいのです。ゴミを減らすために自分ができることをしていきましょう。

特にオーストラリアの場合、一般ゴミの容器に入れるものは全部埋立地行きなんですから、それを忘れないようにしたいものです。


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