井上堯之バンドの時代~大野克夫① | edihの昭和音楽よもやま話

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スパイダース、PYGと常にバンド・サウンドの要であった大野克夫。以外にも作曲家としての活動は少なく、スパイダース時代唯一のヴォーカル曲「神の掟」弟バンドのザ・ビーバーズに書いた「初恋の丘」、西郷輝彦のアルバムで2曲、PYGでは「遠いふるさと」「初めての涙」など計8曲、ジュリーのソロ・アルバム「JULIE Ⅱ」2曲「追憶」で4曲ほどである。(74年まで)
作曲家として注目を浴びたのは、日本中のディスコやダンスイベント等で今でも踊り続けられている名曲のひとつ「可愛いひとよ」(クック、ニック&チャッキー 73年)。なんとこの曲は阿久悠との初コンビ作品であった。
アイドル系では74年6月浅田美代子の「きょうは留守番」(シングル曲「虹の架け橋」B面)、12月のあべ静江「生まれたままの姿」が初A面曲であろう。75年にはアグネス・チャンのアルバム「はじめまして青春」に3曲提供する。

大野は完成した曲のイメージを伝えるべく、自ら楽器を多重録音しヴォーカルを入れたデモテープをカセットにして渡していた。大野の歌ったテープが毎回評判となり、大野の歌が楽しみとなっていったのが阿久悠をはじめスタッフで、ついに2ndアルバム「Windward Hill」(78年11月)で提供曲をアレンジした初ヴォーカル・アルバムが発売、2003年には「幻のメロディー」のタイトルで当時のデモテープがVol.5までCD化されている。
久世からジュリーが弾き語りで歌うイメージでと渡された詞のメロディーを一晩で書き上げ、録音したテープを翌日に手渡した「時の過ぎゆくままに」。この時のテープが「幻のメロディー」のVol.1に収録されている。アップの動画は前半Vol.1テイク、後半「Windward Hill」テイクに編集、デモテイクでは若干メロディーラインが違う部分や、アレンジがおおよそ完成されているのがわかる。

時過大野 from edih's Channel on Vimeo.