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たまにはコラーゲンの話題も

美里康人「コラーゲン」
この言葉がお嫌いな女性は
まずおられないですよね。

でも、コラーゲンといっても
色んな種類があるというお話。

■コラーゲンに種類がある?

「コラーゲン」といえば
その昔は動物から採取されていたのは
もうご存じない世代の方が
多いかもしれないですね。

「豚コラ」などと呼ばれた
豚から得られたものや
牛といった動物から採取されいてたのは
もう私達の年代でも
記憶から消えかけていることでしょう。

もともとは牛からの由来コラーゲンが多かったのですが
狂牛病問題で豚由来にとって代わり
その後は動物保護の観点から、いわゆるオーシャンコラーゲン
魚由来へと変遷してきて
今もアンチエイジング成分として認知度は高く
化粧品だけでなく飲料やサプリメントでも
相変わらずよく使われている成分ですね。

とはいっても、今では原液と呼ばれる
原料そのままを生詰めした製品も出ていますので
配合されているというだけでは
少々価値観が薄くなっている感はぬぐえません。

■魚にも種類がある

というわけでコラーゲン原料は
動物由来の原料もまだあるにはありますが
欧米あたりでは化粧品の分野においても
動物愛護問題が非常に厳しいため
業界では魚由来の原料がもっともよく使われています。

さて、魚からの由来とはいっても
世の中にはたくさんの種類の魚がいますよね。
では、どんな魚から採取されるのか
今日はそんな話題をとりあげてみましょう。

■高級魚がいい?

皆さんは、コラーゲン原料の由来を選べるとしたら
どんなお魚を希望されるでしょうか。

タイヒラメ
もしくはマグロですかね。

感覚としては、お寿司屋さんで食べるような
高級魚がいいな・・・と思うのは人情。
サンマやイワシ・・・だと、なんとなく寂しいですかね。

でもまぁ、実はこの欲求は当たらずとも遠からじで
このタイ・ヒラメ・マグロのコラーゲン
結構多く使われています(笑)

でも、残念ながら原料として選ばれた基準は
高級魚だからというわけでありません。
なぜならもっとも市場で多く出回っているのは
サケだからです。

では、これらのお魚が選ばれた理由はなんでしょうか?

それは、実は「脂の量」なんです。
脂が少ないお魚の方がコラーゲン質が多いためですね。
もちろんサケのように
漁獲量と価格も考慮されていることは言うまでもありません。
養殖で漁獲量が補えるならば
それに越したことはないですから。

とはいえ、根本的には脂の多いサンマやサバ・アジといったお魚は
仮に脂の部分を取り除いたとしても
どうしても油っぽい臭いが原料に残ってしまうはずです。

そんなわけで、現在の魚由来のコラーゲンでも
サケが比較的お安くてよく使われてるのですが
タイやヒラメ・マグロあたりから採られたコラーゲンは
脂質分が少ないために原料臭が少ない
言われています。
サケ由来のコラーゲンは
配合量を多くするとやはり少し臭います。

やっぱり高級魚がいい?
全く無関係なのですが、結果論的にはそうなっちゃってますね(笑)

■ヒト型コラーゲン???

今回のメインの話題は以上ですが
せっかくなのでちょっと派生した話題も。

皆さんは「ヒト型コラーゲン」という言葉を目にしたら
どう感じられるでしょうか。

これまでも販売戦略で使用されるうたい文句の妙を
何度か取り上げてきています。
消費者の皆さんが怪しいうたい文句に
惑わされないように・・・ですね。

そういう意味でこの言葉は
微妙な意味合いを含んでいますねぇ。

実際にお客様のメーカーさんから
「ヒト由来のコラーゲンが市場にあるのですが、探してもらえますか?」
と、誤解をされて問い合わせを頂いたこともあります。

最初私も聞いた時は耳を疑いました。

「え? ヒトコラーゲンですか?」
と、聞き返したほどですから。

だって、そりゃそうなんです。
確かにヒト由来のコラーゲンは実際に存在するのですが
日本では化粧品原料としては
使用が禁止されているためです。

仮にあるとすれば
医療用として医薬品原料に流通しているくらいです。
他には、海外向けに輸出されているものでしょうか。
(美容整形などに使われているのだそうです)

少なくても日本の化粧品では
あり得ないのが事実のはずです。

ということで、実はよくよく調べてみれば
上の言葉を見て頂ければお分かりの通り
「ヒト型」というだけのことであって
ヒトから採取されたものではありませんでした。

ここでもPR文言、言葉のマジックでした。

つまりはお魚ではなく人間に近い哺乳類
ようはブタから採取されたコラーゲンだったというわけでした。

まぁ、確かにブタ由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンでは
圧倒的にブタ由来の方がコストが高いため
付加価値感をどうユーザーさんに伝えるかで
ご苦労されたのだと思います。

そりゃ「ブタ由来コラーゲン使用!」では
ちょっと品がないと言いますか
高級感もあるように感じませんし・・・。
販促の方の発想も分からないではありません。

ただ、技術者の立場でひとこと言わせて頂くとすれば
実は、魚由来と哺乳動物由来では
やはりコラーゲンの成分(含有タンパク)が異なります
使用感も実際に差がありますし。

医学の世界ではやはり哺乳動物のコラーゲンでないと
臨床結果は得られないのだそうです。
なので、まんざら「ヒト型」という言葉もウソばかりではないという
そんな今日の話題でございました。

では、また。

by.美里 康人

2 COMMENTS

美里 康人

やまみんさん、こんにちは。

化粧品メーカーさんが独自のPRストーリーにされているケースも多いため、必ずしもこれとは限りませんが、表示名称をみて普通の「水溶性コラーゲン」だったらこれである可能性が大ということになります。

他には「遺伝子組換カイコヒト遺伝子組換ポリペプチド」というシルク由来のもありますので、これはヒトのペプチド構造に類似して設計されるようカイコからバイオ技術で作られたコラーゲンのようです。

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