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 昨日は早朝出発で新潟へ。

18日黒姫190319
(写真をクリックすると拡大します)

 途中、飯綱高原を通過中に日の出の時間に。

 善光寺平(長野盆地)周辺の里山に層雲が漂い、雲上にそびえる志賀高原~菅平高原からオレンジの日の出。
 日が高くなるタイミングで雪原から湯気が立ち上り、あたかも黒姫山が雲に浮かんでいるようでした。

1、北半球上空の寒気と気圧配置の動向


 それでは今日も北半球上空の寒気と気圧配置の動向から。
北半球アニメ190319
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 13日(水)頃から断続的に南下していた-30~36℃以下の真冬の寒気は東海上へ。
 昨日から日本付近は暖気エリアに入り、朝の冷え込みから一転ポカポカの陽気になりました。

 そして今日も暖気エリアが継続。
 春の訪れを実感させる暖かさになりそうですが・・・

 大陸では-36℃以下の真冬の寒気を伴った・・・比較的スリムな上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が日本に向けて東進中。
 こんな貧弱な上空の気圧の谷の影響なら寒の戻りになっても一時的・・・大したもんじゃないだろうと思いたくなりますけど、北極海上空では-42℃以下の強烈な寒気が蓄積中。
 この寒気が南下して上空の気圧の谷に加勢したらちょっとイヤな感じです。

 そこで向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新データでをチェックすると・・・

週間気温グラフ190319

 次の寒の戻りは22日(金)頃からで・・・期間は3日前後?
 なんとなく「三寒四温」のリズムになっているように思えます。

 先週のように一週間弱も続く長い寒の戻り(西日本や太平洋側では実感できなかったかもしれませんけど)ではなさそうですけど・・・具体的な影響はどうなるんでしょうか?

 一昨日の記事でチェックしたので、今日は最新データを使って再度21日(春分の日)~23日(土)の空模様をチェックしておきました。

GSM週後半低温190319
(図をクリックすると拡大します)

 一昨日のデータとほぼ同様。

 21日(春分の日)の春の嵐を境に寒気が南下。
 一応冬型の気圧配置のカタチになるものの上空の寒気の南下が遅く、影響は中途半端。

 そこそこ寒気が南下しているところに南岸低気圧が発生するので、22日から23日には関東周辺でも降雪の可能性がチョッピリあって・・・

 冬型の気圧配置が完成するのは、-30~35~40℃以下の寒気を伴う上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が東海上に抜ける24日(土)になることが予想されています。

 桜が咲くような時期になって-30℃前後の寒気が太平洋側まで?南下しますから、寒くなるのはもちろん、大気の状態も不安定に。
 天気予報の解説では「桜が長持ち」とか「暖かくして花見を」なんて伝えられていると思いますけど、変わりやすい天気にも(雷雨も?)注意する必要がありそうです。

 で・・・雪国の方が一番気にしているタイヤ交換・・・
 平地で雪の目安=-6℃線の位置がまだ微妙・・・ですよね?

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     



2、今日の空模様・・・雨が降るのは西日本だけ??


 それでは今日の空模様


 (1)今朝の実況・・・予報のスタートライン


 今朝の 長野市街地・・・

菅平190319

 夜明け直前の長野市街地は、少なくとも雲底が3000m以上はある高積雲?による曇り空。

 標高2207mの菅平 根子岳がハッキリと見えるだけでなく、標高3000m級の北アルプスもハッキリと見えています。

北アルプス190319

 ただ、北アルプスの風下・・・かなり離れた所にはハケでなぞったような高積雲(レンズ雲崩れ)がたくさん浮かんでいて、上空ではそこそこ風速が強まっている模様。

 上空の気圧の谷の接近?下り坂のサインかもしれません。

 そんな今朝の実況ですが・・・

実況190319

 東西二つの高気圧に挟まれ西日本は気圧の谷。

 気圧の「谷」には南から暖かく湿った空気の「川」が流れ込んで、低気圧が発達・・・
 活発な降水域が西日本全体に広がり、シャープで非常に活発な寒冷前線が南西諸島を通過しています。

 一方、気圧の「谷」の北側からも冷たい空気の「川」が流れ込んでいますが、サハリン付近を通過中の低気圧と寒冷前線の「ダム」にさえぎられて南下できない状態です。

 衛星の水蒸気画像を見ると・・・日本全国、西から悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が接近中。
 下り坂ということになりますけど・・・具体的にどのような空模様になるんでしょうか??

昨日20時から今日08時までの全国レーダー画像と推計気象分布をアニメ化

全国レーダー08時まで190319
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)




 (2)今日の空模様・・・気象庁発表のGSMモデル


 それでは、今日これからの空模様・・・

 気象庁発表のGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってポイントを詳しくチェックしておきましょう。

GSM19日190319
(図をクリックすると拡大します)

 まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置。

 衛星の水蒸気画像でチェックしたように、今日は西日本から北日本まで、悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が通過する模様。

 もっとも、東~北日本付近を通過する上空の気圧の谷は比較的浅め。
 夜にかけて足並み(位相)を揃えて徐々に深まる傾向は見せるものの、影響が出るとしても本州東方の海上主体?
 上空の気圧の谷が-30℃前後の冬の寒気を伴う北海道付近は、不安定な大気による影響はあるものの、局地的な影響で済むと思われます。

 一方、深い気圧の谷が通過する西日本はシッカリした下り坂。
 上空の気圧の谷が南東方向に進むため影響は東日本におよびにくいと思われますが、中間の東海付近や中部山岳地帯(長野県だよ・・・)は、上空の気圧の谷の影響をそこそこ受けるため、影響が少々微妙です(予報がハズレやすいかも?)。

 で・・・このような空模様の骨格に対応して地上では・・・下段の図・・・東日本への影響はほとんどなし??
 もっとも夜になると本州東方上で南西風収束線の降水帯が活発化してくるようです。

 また、そこそこの寒気を伴う上空の気圧の谷が通過する北日本では(相対的に)暖かく湿った南西風の収束線が顕在化。
 局地的な弱い通り雨があるかもしれません。

 そして今日一番下り坂が顕著な西日本。
 上空の気圧の谷が南東進するのに伴って、低気圧も発達しながら関東進することが予想されています。

 このため計算上降水域も次第に南下し、関東付近への影響はかなり小さいもので済みそうですけど・・・西日本に近い東海も含めて少々微妙。
 沿岸部の予報はハズレやすいかも???なんて感じがします。
 (本当は相当温位図もご紹介して重箱のスミを突き破り?たいのですが、時間切れ・・・)




 (3)気象庁MSMモデルで空模様を具体的にイメージ


 それでは、以上のチェックポイントを確認しつつ・・・

 解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を具体的にイメージしておきましょう。

全国流線アニメ190319
(スマホ版のブログではアニメが動きません。「PC版サイトを見る」に設定してご覧ください)

 紫色は下層雲。

 05時発表の気象庁予報には、静岡県東部から東の地域に雨の予報は出ていませんでした。
 ということは、静岡県西部と東部の沿岸部での境目・・・御前崎付近を境に東側の地域に降水エリアはかからないという判断があったはず。
 今日の予報の当たりはずれの境目は御前崎と言うことになります。
 
 ちなみ今日21時・・・関東沿岸に東寄りの風の収束線の発生が予想されています。
 この収束線の影響が北に強まれば関東沿岸の予報はハズレることに・・・

 こんなとき、関東沿岸をセーリングしている自分をイメージしてしまうKasayanとしては、降る前提、収束線付近で局地的に風・波が強まる前提で物事を考えてしまいます(予報の安全マージンを大きめに考えるということ。昔のフィールドですからなおさらです)。

 さて・・・実際はどうなりますやら??


 府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
 府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック: http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
 気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
  (マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
 府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/     
  (マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)

 気象庁発表GSM・MSMモデル 無料サイト: http://weather-gpv.info/
 アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
 アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
 ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue

 専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
          http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
        http://www.hbc.co.jp/weather/pro-weather.html


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