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JR四国 2700系気動車~ローレル賞を受賞した振り子式車両

2020-06-06 | Weblog

前年に日本国内で営業運転を開始した車両の中で、鉄道友の会の会員投票で選ばれた最優秀車両に贈られる「ブルーリボン賞」と、それ以外の車両の中で秀でた車両として評価された車両に贈られる「ローレル賞」。

今年は例年より少し発表が遅くなりましたが、昨日この2賞の受賞車両が発表され、ブルーリボン賞(西武001系Laview)は「やっぱり」という感がありますが、ローレル賞のJR四国2700系に関しては、ネット上で意外な車両の単独受賞として驚きの声も散見される状況です。

JR四国は近年、車体傾斜式の8600系特急型電車を導入、その後これをベースとした特急型気動車2600系を導入し、どちらもブルーリボン賞やローレル賞を受賞していないにも関わらず、2600系の発展版とも言える2700系がローレル賞を受賞した事も、意外な車両の受賞と捉えられる向きがあるのでは…と感じる所です。

ちなみに2600系は試作車2両2編成=4両の導入のみで数が少なく、MAKIKYUはまだ乗車した事がありませんが、8600系と2700系は今年乗車機会があり、特に2700系はMAKIKYUが今年初めて乗車した鉄道車両、まだ「MAKIKYUのページ」でも取り上げていませんので、今日取り上げたいと思います。


2700系は1990年代に四国各地の特急高速化に際して導入された2000系気動車が代替時期を迎え、同系の代替として導入が進められている車両で、ベースとなっている2600系気動車とはデザインなどもよく似ています。

しかしながら2形式の併結は出来ないため、2700系は識別のために帯色を追加しており、日本国内で運行している鉄道車両の中では久々の「振り子式車両」となっているのも大きな特徴です。

運転台付きの貫通型先頭車のみが製造され、2両以上なら1両単位で編成組成できる点は、2600系と同様ですが、普通車しか存在しない2600系とは異なり、半室グリーン車の車両も導入されています。


特定の列車だけに用いられるのではなく、四国内の様々な特急列車に用いられる事から、貫通路窓下に国鉄特急車を連想させる愛称表示器が設けられているのも特徴で、この愛称表示器と側面方向幕は共にフルカラーLEDを用いている辺りは、今日の最新型車両らしいと所と言えます。


車内に足を踏み入れると、MAKIKYUが乗車した普通車の内装は寒色主体でやや簡素な印象ながら、床が木目調になっているのがアクセントになっていると感じたものでした。


デッキとの仕切り扉上部に装備された案内表示装置は、LCDモニターではなくフルカラーLED式、最近の車両にしてはシンプルな印象で、何となく新幹線に近い雰囲気とも感じたものでした。


特急普通車の典型とも言える回転式リクライニングシート座席の座り心地は、2000系に比べると硬めと感じ、8600系などと異なり枕装備は省略されています。

最近の定番とも言えるコンセント装備に加え車内フリーWifiもあり、この点は2000系気動車にはない付加サービスとも言えます。

とはいえ車内設備は特に際立った印象を受けるものとは言い難く、ローレル賞受賞の大要因となったのは、2000系と同様に極めて線形の悪い土讃線などでも高速運行できるスペックを持った久々の振り子式車両である事に尽きるのでは…と感じています。

四国の中でも最も利用が多い電化区間の予讃線松山以東ではなく、それ以外の非電化区間を走る特急列車に専従する事から、四国や近隣の在住者などを除くと、レールファンでも2700系の存在は余り気に留めてなかった人物も多かったのでは…と思います。

ただJR四国は2700系や代替対象の2000系をはじめ、決して利用が多いとは言えない亜幹線に高スペックの特急車両を投入、厳しい経営環境の中でもネットダイヤを構成し健闘していると感じますが、今回の2700系ローレル賞受賞を機に同系をはじめ、JR四国の注目度が上がるのか否かも気になる所です。

そして2700系が今後のJR四国を担う車両と一員として末永く活躍を続ける事を祈願し、今日の記事を結びたいと思います。


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