こんにちは。かどえもんです。
いや~。
夏真っ盛りで毎日暑いですねえ。(;´▽`A``
先月も熱い中
旅行しておりましたが
広島に行った際は
平和記念公園も行ってきました。
そういえば
8月15日は終戦の日ですね。
なので今回は
戦争にまつわるマンガを
紹介しようと思います。
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戦争ものに対する
感想について。
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殆どが
戦争はよくないです。
平和が一番!
・・・といったメッセージだけの
作品ばかりなんだろうな~と
思っていませんでしょうか。
今回紹介する作品は
もちろん
そんなメッセージも
含まれている「かも」しれませんが
それプラス
読んだ方にとって
様々な感想が生まれるんじゃないかな~
・・・と思っています。
それが今回紹介する
夕凪の街 桜の国
です。
※挿絵は夕凪の街 桜の国より
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夕凪の街 桜の国って
どんなマンガ?
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原爆をテーマにして
それにまつわる人たちの日常を描いた
戦後の日本~現代に続く物語りです。
なので戦争の残酷なシーンは
ほぼありませんので
そういった描写が苦手な方も
安心して読めるのがいいですね。≧(´▽`)≦
お話しは
大きく3つに分かれています。
昭和30年(1955年)の広島が舞台の
「夕凪の街」
終戦から10年後ですね。
戦争が終わって復興もある程度は
・・・といった頃の時代でしょうか。
次に
昭和62年(1987年)の
東京都中野区が舞台の
「桜の国 1」
最後は
平成16年(2004年)の夏。
東京と広島が舞台の
「桜の国 2」
に分かれています。
注意!)
今回のレビューは、ネタバレというよりも、
ストーリーを理解するための
ガイド的側面を大きくしました!
ですが
(´;ω;`)「ちょっとでもネタバレお断り!」
といったあなたは
スルーすることをオススメします・・・。
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夕凪の街。
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「夕凪の街」では
広島の原爆投下でも生き延びた
平野皆実(ひらの みなみ)さんが主人公。
父、姉、妹は
原爆投下後になくなっていますが
生き延びた母と共に
つつましく暮らしています。
ちなみに弟もいて、
こちらは水戸市の叔母(石川家)へ
疎開していたため
無事でした。(´;ω;`)
弟は旭(あさひ)くんです。
(石川の性を名乗っています)
そんな平野家にいる
皆実さんが亡くなるまでのお話しです。
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桜の国 1。
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そして32年後。
平野皆実の姪
石川七波(いしかわななみ)を中心に
物語りが進む
「桜の国」にバトンタッチします。
※左が七波ちゃん。
右は親友の利根東子ちゃんです。
ちなみにお父さんは
「夕凪の街」の旭くん。
(いや、旭さんか・・・)
ここで顔を敢えて描写していません。
一家は広島から東京に転勤して、
今はぜん息で入院中の弟
凪生(なぎお)くんと
おばあちゃん、七波の4人家族。
そしてお母さんは亡くなっており
広島での被爆者
つまり、七波ちゃんと凪生くんは
被爆二世という存在です。
「桜の国 1」は
そんな七波ちゃんと
親友の利根東子(とね とうこ)ちゃんを
中心とした小学生時代の
できごとが描かれています。
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桜の国 2。
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最後になる「桜の国 2」では
七波たちの17年後のできごとが
描かれています。
凪生くんも、ぜん息が治り
元気ですし
お父さん(旭さん)も
すっかりおじさんです。(^▽^;)
主なキーワードとしては
旭さんの奇妙な行動
東子ちゃんと七波ちゃんの再開
東京から広島へ
七波ちゃんのトラウマ
東子ちゃんの秘めた想い
凪生くんと東子ちゃんは
どうやらつきあってるみたいです。
旭さんの過去と思いでの数々
あたりでしょうか。
七波ちゃん視点で
過去の思い出や出来事が
描写される点も印象的です。
↑ 若いころの旭さんと奥さん。(´∀`)
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イラストも、すてきですよ。
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余談ですが
絵の雰囲気が
温かみを感じて何だか良いな~
・・・と思っていたのですが
そう感じた理由を自分なりに分析すると
・スクリ-ントーンを使っていない
・(おそらく)定規の類も使っていない。
ことに気付きました。
柱でさえもフリーハンド。
この微妙なブレが
手書き感を感じられますよね。
そして影や黒い部分などは
ベタやカケアミなどで表現されています。
全てをペンとインクで表現。
カラー絵も水彩タッチで
ステキですね~。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
この優しい色味が何とも。
こんなところにも
意識して読んでいると
より味わい深い
作品になるんじゃないでしょうか。
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以上を踏まえて
深いところ。
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さて、話しをストーリーに戻して。
常に付きまとうのは
被爆者にまつわる心の傷
夕凪の街では
原爆が落ちたときの地獄を体験して
私は幸せになってはいけないと
思ってしまう自分
桜の国では
被爆が原因(かもしれない)で
身近な人の死
被爆者に対する第三者の目
といった所が挙げられます。
また、夕凪の街から桜の国へと
時代の移り変わりを使った手法も
深いですよ。
例えば
「夕凪の街」で
皆実さんが戦争で受けた心の傷を
会社の同僚である
打越さんに伝えるのですが
「桜の国 2」で出てくるこの方
多分50年後の打越さんじゃないかなあと。
つるっつるです。(´・ω・`)
こちらも
皆実さんの同僚だった方々と
予想しています。
当然ですが年とってます・・・。
そして作品中では
旭さんが広島に行っていた
理由について
旭さん自身は
今年は父さんの
いちばんあとまで
生きてた姉ちゃんの
五十回忌でな
それで姉ちゃんの
知り合いに会って
昔話を聞かせて
貰ってたんだよ
と言っています。
でも実は旭さん
結婚まで考えていた
凪生くんと東子ちゃんのことを
理解していて
東子ちゃん側の家族に対する
被爆二世への偏見を
どうにか払拭できないかと
奔走していたんじゃないかな
・・・と思っています。
もう予想ばっかでスミマセン・・・(´・ω・`)
あと、こんな細かい点でも
作者のこだわりが感じられます。
皆実さんは戦争で受けた
腕の傷を気にしているので
夏でも長袖。
周りは半袖。
広島にて昭和20年の墓標。
広島に原爆が落ちたのは・・・。
そして「夕凪の街」の最終ページ横。(35項)
一見無意味な真っ白です。
作者である「こうの史代」さんは
このオチのない物語は、
三十五項で貴方の心に湧いたものによって、
はじめて完結するものです。
と、あとがきに書かれています。
あなたが一通りこの作品を読んで
もう一度「夕凪の街」をよんだとき
35項で、どんな感情が湧くでしょうか。
それは実際に
読んでみて頂ければ幸いです。
個人的には
33項のセリフがとても重くて
しばらく忘れられませんでした。(´;ω;`)
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まとめ。
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正直、私の読解力が足りないせいで
1度読んだだけでは
よく分からない作品でした。(´・ω・`)
何となく雰囲気のいい作品だなあ
・・・程度でしたよ(/ω\)
それでも
こうして繰り返し読んだり
記事としてまとめていくうちに
沢山のメッセージが
込められていることに気付きました。
まだ色々と作者のメッセージが
隠されているような気がします。
そういうのを意識しながら
読むのもいいですし
単に戦後~現代の雰囲気を感じつつ
読むのもいいですね。
ちなみに難解に思う点は
時代と共に登場人物の
見た目が変わること
人物関係が、ちょっと複雑なこと。
このあたりを注意しておけば
より作品を理解できて
楽しめますよ。
とはいえ、
全てのマンガに言えることですが
楽しみ方は自分次第。
夕凪の街 桜の国は
特にこの傾向が強い作品だと感じました。
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夕凪の街 桜の国は
どこで読める?
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2016年に
「この世界の片隅に」が
ヒットした影響か
時折ブックオフや
レンタル、ネカフェなどで
見かけることができますが
あまり期待はできないかも。
もし見かけたらラッキーですが
購入が無難と思われます。
どちらにせよ
まだ未読でしたら
オススメしたい作品ですね~。(´∀`*)
一方で
様々な電子書籍サイトでは
試し読みができますので
一例として
以下のリンクを
置いておきます!(/・ω・)/
https://sokuyomi.jp/product/yuunaginom_001/CO/1/
というわけで。
あなたも
夕凪の街 桜の国
いかがですか。
戦争ものですが
読後感は決して悪くないですし
いろんなメッセージが込めれれている
とても味わい深い作品です。
いつものあなたも。はじめてのあなたも。読んでくださってありがとう!
記事を楽しんでいただけたなら、ぽちって頂けると嬉しいです!
こうの史代さんの描くマンガは
どこかほっとする温かみのある絵とお話しが印象的です。
他の作品も魅力的ですので
よろしければお試しくださいませ。≧(´▽`)≦
2013年8月の記事をリライト(5年前か…)
この世界の片隅にの影響か、未だにちらほらとアクセスがあったので、リライトするならこの時期がいいなと。
タグを追加して細かい誤字や強調箇所を修正し、本の入手や電子書籍の情報を加筆。
ここ数年で、こうの先生の作品が見直されて、状況が大きく変わったのはびっくりです。
あと2013年の頃は電子書籍がここまで伸びるとは思わなかったですね。時代の流れスゴイw
先日はNHKで実写ドラマもあったりと、まだまだ話題な先生の作品。
この勢いでさんさん禄あたりも是非!( ゚д゚ )
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