うちの三男は受験生。

年末あたりから友達と遊びに行かなくなった。

 

私は年が明けた今も三男に言う。

「今日は誰と遊ぶん?」

 

三男は答える。

「誰とも遊ばん」

 

「あかん、どこかに遊びに行きなさい!」

 

「いやや、どこにも行かん」

 

「じゃあ、家で動画見ていなさい」

 

「動画はちょっとだけ見るけどな」

 

「じゃあ、家で何してるねん?」

 

「勉強せなあかんやん」

 

「あかん、勉強したら!勉強したら、高校通ってしまうやろ!」

 

「ええやないか、太一は高校いくねんから」

 

こんな会話を毎日している。

三男はコツコツ毎日勉強しているらしい。

私としては、受験前でも遊びに行けばいいと本気で思っているのだが、三男は受験前だから遊びに行くのはいけないと思っているらしい。

 

「じゃあ、高校に行かへん奴と遊びなさい」

 

「そんな奴おらん」

 

「○○はどうや、あいつは大したところいかんやろから、勉強してへんやろ?」

 

「いや、あいつもしてると思うよ」

 

どう言っても、遊びに行かない。

家で、勉強すると言う。

 

世の中の受験生のいる家庭では、親が子供にしつこいくらいに勉強しろとせかし、塾に来ては全然勉強しないと嘆いている。

まあ、トップ校を自発的に受験する子供たちは、放っておいても勉強するのかもしれないが、それ以外は大抵は言われてしている程度だろう。

 

うちの三男は別にトップ校を受験するわけではない。

偏差値で62,3程度の高校。

これくらいなら、そこまで必死こく必要もないだろう。

別に落ちたら落ちたで構わない。

他に行くところはある。

それにこの高校は本人がどうしても行きたいという高校というわけでもない。

単に、大学は行かないという本人の意志から、じゃあここを受験しなさいと言って親が決めた工業高校。

落ちたら、あとは偏差値で10程落ちる別の工業高校しか、選択肢はないが本人はそれでもいいと思っている様子。

なのになぜそんなに頑張る?

 

多分世の中の親には羨ましがられることなのだろうなと思う。

しかし、こういう子供に育ったのは、間違いなく育て方の結果だと思う。

うちの子供は三人ともほとんど勉強しろといったことはない。

受験の一か月前でも遊びに行くのを止めたり、嫌みを言ったこともなく、快く送り出してきた。

それでいいと思っている。

しかし、育て方を間違えなければ、子供は何も言わずとも一人で必要な勉強をするものだ。

親はただ見守るだけでいい。

 

世の中の親御さんに言いたい。

勉強しない子供を嘆くのではなく、自分の子育てプランが失敗だったことを反省しなさい。

勉強しろと言って育てても勉強する子供に育つものではない。

あらゆる環境を利用して、物を知る喜び、頭を使う楽しさを教えることができれば、受験なんかただの娯楽になってしまう。

そういう子育てをしてきたかい?

反省をできれば、次はうまくいくかもよ。