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【ドルに信認させている新興国通貨がドル以上の価値を持つことはない?】新興国通貨は、買えない②

2019-01-05 00:04:07 | 世界共通

前回からの続き)

 前述したように、通貨が「その通貨発行国の財やサービスとの交換券」との考え方によれば、原材料(天然資源や農産物等)や出稼ぎ労働力等の価値に裏付けられた新興国通貨は、その原材料等に新しい価値を付加することができる(企業等を有する)日本のような先進国の通貨に対して値上がりし続けることは起こり得ず、したがって、「」すなわち「(高い付加価値に裏付けられた)メイド・イン・ジャパンとの交換券」を持つわたしたちが、その円を売ってこれら新興国通貨に投資する合理性は見当たりません。それは、「鉄」を例に上げるなら、付加価値が結集された「シームレス鋼管」(本邦製鉄会社の得意分野)よりも付加価値ゼロの「鉄鉱石」のほうが価値が出るよ!というに近いわけです・・・

 もう一つ、新興国通貨が「買えない」理由として指摘できるのが、それらのほぼすべてが、その信認を米ドルによって裏付けてもらっていること。そのあたりは、当該国の中銀が、外貨準備を〇〇ドル持っています(だから、当国の通貨は信頼がおけますよ~)、などとアピールしていたりすることで分かります。この場合、当該通貨は、MAXでもドルと一定レートでイコール(ドルペッグが保たれている状態)で、まあたいていは、そのレートが維持できなくなって、ドルに対してじりじりと下落していくことになります。これ、「ドル≧新興国通貨」ということであり、であれば、わたしたちにとっては、新興国通貨ではなく、ドルを買った方がまだマシなわけです・・・

 ・・・が、そのドルもまた、長い目で見れば、円に対して安くなっていく運命にあります。そこのところは先般のこちらの記事に書いた、円に対してドルが減価し続けてきた歴史的経緯や、180度違う日米のファンダメンタルズ(日:経常黒字&世界一の純資産国、米:経常赤字&世界ワーストの純債務国)からも容易に想像できます。以上から、「円>ドル≧新興国通貨」となるので、表題のとおり「新興国通貨は、買えない」(・・・どころか、ドルすら「買えない」)ということになります・・・

 このように、新興国の通貨とか当該通貨建ての国債は、(FXのような短期での利ザヤ獲得狙いの投資等を除けば)原則として、日本人の投資対象にはなり得ません。これを、あたかも価値のある金融商品であるかのように見せる手が、われらが(?)「アベノミクス」≒「黒魔術」(私的造語:現行の日銀金融政策を推進する黒田総裁の魔術、の略語)です。でもこれ、最近ではこちらの記事を含めて何度も書いているように、自分たちが小さくなること(円安)によって相手(外貨建て資産)があたかも大きくなったかのように錯覚させようというもので、これらへの投資は、トクをしたように思えて実質的にはソンをすることになります・・・。もちろん多数の日本人は、これに幻惑されていないからこそ、新興国通貨を含めたリスク投資を手控え、結果として手持ちの円貨を増やして「巣ごもり」に入っているわけですが・・・

(続く)

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