顕微鏡根管治療広島
2020.11.25
髄床底に穴の開いていた右下第一大臼歯の再根管治療を行いました。2020.11.25
画像中央:セラミックのかぶせものがセットされている右下第一大臼歯の不調でお越しになりました。
歯根の又に相当する歯根分岐部の透過性が亢進しています。
歯根分岐部にも病変が出来ています。(中矢印)
髄床底(=歯髄(神経)の入っている歯髄腔の底面)に穴があいているようです。(小矢印
この時点で問題となる要素が満載です。
病変の大きさと問題の複雑さから、難易度の高いはではありますが、抜歯ではなく治療をご決断です。
ラバーダムを装着して、この歯の1回目の治療をスタートします。
(初診時は検査とご説明のみですので実際の治療は2回目以降です。)
顕微鏡下でビデオ録画しながらまずはセラミックに切れ目を入れて除去していきます。
歯肉がとても赤く腫れています。
白い部分はすべてプラスチック(コンポジットレジン)です。
2個存在している白い丸い構造物はファイバーポストの断面です。
慎重にコンポジットレジンとファイバーポストを除去していきます。
オレンジ色に見えるゴムが埋まっている二つの根管口の間に
肉状の組織が見えている部分が穴の開いている部分です。
近心根の髄床底に大きな穴が開いています。
この位置の穴は、意図しないにせよ人為的に開けられた可能性が高いものです。
かなり大きな穴でありますので、この段階で消毒して仮封し、状況と今後についてご相談しました。
やはりこの歯を残していくことをご決断ですので、穴の修復に取り組みます。
封鎖セメントと綿球を取り、内部からの排膿の状況を確認します。
綿球は顕著には汚れていません。
※弊オフィスで使用するすべての綿球・ガーゼは滅菌済みのものです。
前回の消毒がある程度、効果を出しています。
方法と材料選択にノウハウおよび企業秘密があります。
二つの根管口を塞がないように、かつ最大限保護します。
このあと、4根管とも根尖まで攻略しました。
この歯の2回目の治療はここまでです。
前回のあと、痛みや症状が出なかったとのことです。
仮封を取っても目立った排膿はないため、根管充填へ進みます。
電気的根管長測定を行い、4根管の根尖口のサイズを記録します。
2種類の薬剤で洗浄し、超音波水流でリンスの後、滅菌ペーパーポイントで吸水乾燥します。
今後、治まりましたら支台築造し、セラミック修復する予定です。
今後時間とともに炎症が治まり、レントゲン画像に反映されていくことを期待します。
穴あきの修復をしても、歯としての強度は元のようには戻らないと考えますので注意が必要です。
H・Nさん、よくぞご決断なさいました。
この歯が治ることを私も祈っています。
広島市の自由診療専門の歯科医院 三好デンタルオフィス
※厚生労働省 医療広告ガイドライン に沿うための記述
すべての歯科治療は、治療行為によって治癒や改善が約束されているわけではなく、状態の悪化や後遺症の発生、抜歯や死亡を招くリスクを伴います。※治療費用の例示・根管治療を伴う普通再治療約20万円(かぶせもの除去・メタルコア除去・根管治療・根管充填・レントゲン・支台築造・かぶせもの)・普通セラミックつめもの約6万円・普通セラミックかぶせもの約8万円・普通セラミック前歯約13万円・普通抜歯約1.7万円・普通レジン充填約1万円(税抜)