フェイスブックにも広告が出ていたりして、以前から注目していた「山のくじら舎」さんが、昨夜の「サラメシ」に登場した。
地元の木で、積み木やパズルなどの知育玩具をつくっていて、多くの女性職人が生き生きと働き、それぞれのお弁当を楽しげに食べていた。



正直、羨ましかった。

 

この道を歩むべきだった、と思うのである。

 

木工は、千年も前に、技術的に極まっている。

あとはそれを、後世に伝えていくだけのこと。できることがあるとすれば、組み合わせを変えるか、材料と労力をケチるだけのことだったのではないか。


住宅であれば、プレカットと金具止め、
家具であれば、ノリとビス、


いかにコストをかけずに、たくさんの仕事をこなすか、それが大手の課題である。

一方では、需要の絶対量が見込めない、隙間の世界があって、
労力をかけなければ仕方のない、そこが、私たち零細の生きる道である。

私自身、この道に、さほどの覚悟で入ったわけではない。

高度な技術もなく、大量生産を狙える資本もアイディアもなく、
思えば20年も、家具・木工の道をさまよい歩いてきた。
 

もっと幅広く、いろいろなモノづくりにチャレンジすべきではないか、
人脈を広げる中で、チャンスはやってくるのではないか、
実用新案などでアイディアを権利にすれば、買ってもらえるのではないか、
スタッフが育てば変わるのではないか、

どれも、中途半端なコストばかりがかかって、行きづまった。


あれこれ試した中で、反応も良く、一定のマーケットがのぞめたのが

おもちゃと、その関連商品であった。

ごく単純な積み木、
それを収納できるトラック、
おもちゃと本を自分で片づけられる、「子どもの城」

遅まきながら、そういうものに
このあとの十年を賭けてみようかと思っている。
木育という言葉も、定着してきた。
今さら、新しい技術やら、自分独自のデザインなどに、こだわることもなかろうと思うのである。