みんなの学び場美術館 館長
彩色彫刻家 IKUKO KUSAKAです。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
ガラス工芸作家の大槻洋介さんです。
大槻 洋介さん
以下、2015年4月の再放送でお届けいたします
前回登場の川崎 文雄さんからのリレーでご登場頂きます。
彫刻家 川崎 文雄さん 第1回 、第2回 、第3回 、第4回 、第5回
第1回の今日は、大槻洋介さんがガラスの制作を始めたきっかけについてお聴かせいただきました。
美術予備校時代にテレビで見た、ガラス工房の特集番組で、全く未知の分野のガラスに興味を持たれたことをきっかけに制作を始められたというお話をお聴かせ頂きました。
どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。
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Plantery ring13
2012 L-23
W12×D12×H24cm
Plantery ring10
2010
W14×D17×H17.5cm
Kou(孔)6
2003
W19×D19×H63cm
W23×D23×H53cm
第40回神奈川県美術展 大賞
日下
大槻さんが制作をはじめたきっかけについてお聴かせいただけますでしょうか。
大槻洋介さん
美術関係の仕事をしている方々は子供の頃から絵が好きだった方が多いと想いますが、私もそういう典型的な子供だったと思います。
学年が上がるにつれて、小・中学校ともに褒められるのが美術の時間でした。川崎 文雄さんは私の中学校の美術の恩師です。その時に才能を見込んで頂いたのかどうかはわかりませんが(笑)作ることが好きな子供だということで、気にかけて頂き、卒業後も折りに触れて交流はありました。
高校に上がり、進路を考えるようになり美大受験を自然に選びました。
美術の予備校は毎日絵を描いたり、粘土をこねたり、好きな仲間が集まっているので非常に楽しい場ではありました。しかしまだ、具体的な進みたいジャンルは見えていない時期でした。
大学に入る時には、倍率の高い世代でもあり、浪人をして合格まで苦労しましたが、その期間が自分がやりたいことを冷静に考える時間になりました。
私は予備校のデザイン科にいたのですが、偶々テレビで、ガラス工房の作家さんの特集を見た時に、非常に深い興味が湧きました。
なぜかというと、例えば油絵や彫刻はしたことがない人は一般でもたくさんいるかと想います。しかし水彩絵具や油粘土でしたら小学校でも中学校でも誰でも使っていますよね。
また、陶芸をやったことをない人もいっぱいいると思いますが、粘土という素材なら幼稚園の子供の頃から誰でも粘土は触っていると・・・。
それは木にしても金属にしても、一流のアーティストの人が専門の技術や道具で制作するというのは、やっぱり専門の分野のことでしょうけど、さわりの部分で素材に触れるということは、大体のものは子供の頃の学校の中で経験できると思うのです。しかし、ガラスに関してはほとんど皆無だと思うのです。
日下
はい、全く無いですよね。
大槻洋介さん
一流のアーティストの皆さんでもガラスをやったことが無い方というのは、大勢いると思うのです。
それで、いろいろなものを見聴きしての考え方を真摯に吸収しようとしていた時期に、全く経験のない未知の世界である、ガラス工房の特集を見たことが一つパズルのピースがはまったように「やってみたい!」と感じました。それまで、何か漠然と絵を描いてデザイン科を受験しようかなと迷っていたのが、受験勉強途中から明確にガラス工芸をやりたいという想いに方向転換しました。
幸いなことに第一志望であった多摩美術大学の、当時、立体デザイン科のクラフト専攻ガラスコースに入学できたことが、非常に嬉しかったです。
日下
そうですか。大学に入られて初めて実際にガラスの制作が始まった時、新鮮に感じられたこと、感動されたこと、やって見て初めて分かったことなどありましたらお聴かせいただけますでしょうか。
大槻洋介さん
いろいろ期待や想像をしていたのですが、それ以上でした。専用の道具と炎と水と空気、重力と遠心力を利用して高温の状態でのみ制作できる素材に心を奪われました。
しばらくはガラスに触れる事の方に魅力があり、作品で何かを表現するより初めて体験する素材に戸惑い、楽しみ、習得する時期がありました。
日下
今日は素敵なお話をありがとうございました。
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今回、川崎文雄さんからのご紹介で、初めて大槻洋介さんのお話をお聴かせ頂きました。
大槻さんはいくつかのテーマをシリーズで制作をされていますが、ガラスの透明な塊に子供の頃からの宇宙への憧れを重ねて制作していらっしゃるのだそうです。
今回のインタビューでは、特にGateといライフワークのシリーズに絞って詳しくお話をお聴かせ頂きました。
Gate・門というものを、制作を続けていくご自身の生き方に重ね合わせて定期的に制作なさっているというお話にとっても共感を覚えました。大槻さんはガラスの透明でありながら、手にふれることの出来ない不思議な空間に子供の頃からの宇宙への憧れを感じながら、
日常の空間に非日常を送り届けたいという想いで制作に向き合っていらっしゃるところがとても素敵だと感じました。
みなさまもぜひ、大槻洋介さんの彫刻作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。
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◆大槻洋介さんが登場するWEBページ
◇ 大槻洋介さんのホームページ
大槻ガラス工作工房 OTSUKI GLASS STUDUIO
◆大槻洋介さんの作品が直接見られる所
◆大槻洋介さんの作品がご覧頂ける展覧会〈最新情報です。〉
大槻洋介ガラス展
滄溟に映るは宙の耀き (そうめいにうつるはそらのかがやき)
2018年10月24日(水)~30日(月)
三越日本橋本店 本館6階アートスクエア
東京都中央区日本橋室町1-4-1
午前10時から午後7時(最終日は午後5時閉場)
◆大槻 洋介 さんのプロフィール
≪略歴≫
1972 横浜生れ
1997 多摩美術大学立体デザイン科クラフトデザイン専修ガラスコース 卒業
1997~2001 新島ガラスアートセンター スタッフ
2004 大槻ガラス工作工房 設立
≪展覧会・個展≫
1997 多摩美術大学クラフトデザイン卒業制作展 スパイラルガーデン
金沢工芸大賞コンペティション、'99年入選 石川県金沢市
1998 '98国際クラフト展‐伊丹‐ 伊丹市
第34回神奈川県美術展、('99 '00 '02 以後毎年入選)
神奈川県民ホールギャラリー
1999 第17回朝日現代クラフト展、'01 '04 '07年入選 大阪市
2000 日本クラフト展、'02 年以後毎年入選 松屋銀座、丸ビル
工芸都市高岡2000クラフトコンペ展 高岡市
2001 第3回現代ガラスの美展IN薩摩、'04年入選 鹿児島県
現代ガラス展inおのだ、'04 '06年入選 小野田市
2002 ビアマグランカイ4 札幌芸術の森
2003 現代日本の工芸作家たちーその新しいかたちー コンテンポラリーアートNIKI
大槻洋介 ガラス展 -Aqua- AC,GALLERY
2004 書・册あるいは机上空間のためのオブジェ展 NIKI GALLERY册
大槻洋介 ガラス展 -ひかり- AYUMIGALLERY
大槻洋介 ガラス展 あかりと器 ギャラリー大田町
2005 神奈川県美術展大賞受賞作家展
大槻洋介 ガラス展 -光の瀕- 神奈川県民ホールギャラリー
2006 初夏のガラス展 府中伊勢丹
2007 大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 2- AC,GALLERY
ガラスとLEDのコラボレーション 東急ハンズ新宿店
2008 おひなさまと器展 新宿高島屋
大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 3- AYUMIGALLERY
2009 大槻洋介 ガラス展 -くらし・ガラス・やすらぎ- ギャラリー太田町
2010 大槻洋介 ガラス展 -光の瀕 4- AYUMIGALLERY
2011 第50回日本クラフト展 丸ビルホール (東京丸の内口)
大槻洋介 硝子展 カットガラスとLEDのあかり 三越日本橋本店
大槻洋介ガラス展 仄かな彩り ギャラリー太田町
大槻洋介 ガラス展 福岡 GALLERYモッコ
三羽硝子 生島賢・大槻洋介・羽深藤絵 阿佐ヶ谷 アートスペース煌翔
日本のクラフト26人展ー暮らしの工芸ー オリエアート 外苑前
2012 第5回KOGANEZAKI「器のかたち」現代ガラス展VESSELS
黄金崎クリスタルパーク・ガラスミュージアム
ビアマグランカイ9 札幌芸術の森 工芸館
「第5回現代ガラス展in山陽小野田」 おのだサンパーク
我が行くは 星の大海 大槻洋介ガラス展 AYUMI GALLERY
2013 彩りの日々 大槻洋介ガラス展 GALLERY RUEVENT ギャラリー ルヴァン
大槻洋介 夏のガラス展 日本橋三越本店
「茶事七式、夜咄。」 日本橋三越本店 本館6階 工芸サロン
2014 「第五十四回東日本伝統工芸展」 日本橋三越本店新館7階ギャラリー
≪受賞≫
2000 ビアマグランカイ3 作家奨励賞 札幌芸術の森
2004 第40回神奈川県美術展 大賞 神奈川県民ホールギャラリー
日本クラフト展 佳作賞 丸ビルホール
2006 金津創作の森グラスワークショップ ベンエドルスクラス ベストスチューデント
金津創作の森
≪建築アートワーク≫
2004 居酒屋久佑 看板 横浜元町
2005 シーサイドウェディング リビエラ 照明 逗子マリーナ
中南信用金庫 階サイン板 神奈川県伊勢原市
村上邸 ファシリティ照明 玄関窓 埼玉県鳩ヶ谷市
2006 元町クラフトマンシップ・ストリート
インフォメーションタワーガラスオブジェ 横浜元町
2007 虎ノ門33森ビルエレベーターホール ガラスオブジェ 東京虎ノ門
BELISTA横濱上永谷 マンションエントランスホール ガラス照明
横浜上永谷
2008 石和温泉卿糸郷「万葉館」ガラス看板 山梨県石和温泉卿
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★☆ アーカイブス ☆★
学び場美術館 登場作家リストⅢー2014
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